【中国で新型豚インフルを発見】ヒトからヒトへの感染はまだ未確認も、WHOは「流行拡大には注意」と指摘
6月30日WHOが、中国で発見された「新型豚インフルエンザウイルス」についての調査研究報告書を精査する必要性について発表しています。
報告書では、新型豚インフルエンザウイルスは、人間への感染力が更に高まっており、パンデミックに繋がる可能性も指摘しています。
WHOのリンドメイヤー報道官は、「調査報告書を念入りに調べ、何が新型なのかを明らかにする必要がある」と発言し、今後共同で調査を行い、経過観察をしていく模様。また、「コロナウィルス感染症のパンデミックが起こっている現時点において、我々は特に気を許さないように厳重に注意しなければならない」と付け加えています。
また、ワシントン(AFP)の記事においても、US サイエンスジャーナル(PNAS)が、中国の研究者チームが発見した新型豚インフルエンザウイルスが、パンデミックを引き起こす可能性がある事を示唆していると書いています。
この「新型豚インフルエンザウイルス」は、2009年にパンデミックを引き起こしたH1N1の遺伝子から派生したもので、「G4」と名付けられました。
研究者は、2011年から2018年までの間に、食肉処理場と動物病院の10か所から3万頭の豚の鼻腔からとった検体を調査した結果、179件の豚インフルエンザウイルスを検出。大多数は2016年からみられる新種のインフルエンザウイルスでした。その後、検出したウイルスを、人間が感染した場合に同じような症状を表すフェレットにて実験。その結果、G4は他のウイルスよりも感染力が高いことや、季節性のインフルエンザからではG4に対する免疫はできないこともわかっています。
また、ある試験結果からは、養豚場で働く人の10%、一般市民の4.4%の人々が、ウイルスと既に接触感染していると考えられており、豚から人間へすでに感染していることがわかっています。しかし、研究者が一番恐れている、人から人への感染があるのかはまだ検証されていません。
https://www.straitstimes.com/world/united-states/new-swine-flu-found-in-china-has-pandemic-potential
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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