南十字星も見える!シンガポールで天体観測・プラネタリウム完全ガイド

「シンガポールは都会だから、どうせ星なんて見えないよね」と思っていませんか?都市部の明るい夜景が続くこの街では、確かに満点の星空を期待するのは難しい面もあります。でも、実はシンガポールには日本人にとってとびきり特別な天体観測体験が待っているのです。

赤道直下という類まれな立地を持つシンガポールは、日本の本州ではほぼ見られない「南十字星」を観察できる場所。しかも毎週金曜の夜には一般向けの星空観察会が開催されており、子ども連れでもカップルでも気軽に本格的な天体観測が楽しめます。

今回はSingaLife編集部が実際にサイエンスセンター シンガポール天文台(Science Centre Singapore’s Observatory)のプログラムを取材し、シンガポールならではの星空体験を余すところなくご紹介します。


 

シンガポールで南十字星が見られる理由

「南十字星って、オーストラリアに行かないと見られないんじゃ?」そう感じている方も多いかもしれません。ところがシンガポールは北緯約1度、つまり赤道のすぐ近くに位置しています。

一方、日本の本州では南十字星はほぼ見ることができません。九州南端や沖縄でかろうじて地平線すれすれに姿を見せる程度です。

南十字星(南十字座=Crux)は国際天文学連合が定めた88星座の中で最も小さな星座で、大航海時代から南の方角を指し示す星として船乗りたちに親しまれてきた歴史を持ちます。

オーストラリアやニュージーランド、ブラジルなど南半球の国々の国旗にもあしらわれている、南の空を代表する存在です。シンガポールでは光害の影響で、市街地のど真ん中では星空がにじんで見えることもあります。

ただ、条件が整った夜は月明かりが少なく、湿度が低い晴れた夜であれば、肉眼でもその十字形をうっすらと確認できることがあります。南十字星が最も高く見える時期は4〜6月頃が目安とされており、この時期は特に観察のチャンスです。

シンガポール唯一の天文台——サイエンスセンター シンガポール天文台で星を見よう

シンガポールで最も本格的に天体観測を楽しめるスポットが、ジュロン エリアにある「サイエンスセンター シンガポール(Science Centre Singapore)」の天文台です。

海抜15.27mに位置し、赤道のごく近くにある世界でも数少ない天文台のひとつで、北天・南天両方の星座を観察できるという稀有な立地が特徴です。

メインの望遠鏡は口径40cm・焦点距離520cmのカセグレン反射望遠鏡で、サブ望遠鏡として口径15cm・焦点距離180cmのアポクロマート ケプラー屈折望遠鏡も備えています。直径5.5mのステンレス製ドームはあらゆる方向に旋回でき、シャッターを開けて望遠鏡を空の任意の場所に向けられます。

一般向けに公開されているプログラムは3種類。内容・対象年齢・料金がそれぞれ異なるので、ご自身のスタイルに合わせて選んでみてください。

Stargazing and Digital Planetarium Live Show(毎週金曜開催)

最も参加しやすいのが、毎週金曜の夜に開催されるこのプログラムです。参加費はS$17で、オムニシアターでのライブ デジタル プラネタリウム ショーと、その後の星空観察の2部構成になっています。

具体的な流れは以下の通りです。

19:30-20:15:オムニシアターでのデジタル プラネタリウム ショー
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20:15-22:00:天文台フィールドでの実際の星空観察

まずオムニシアターでサイエンス エデュケーターが宇宙と星座について案内し、その後天文台へ移動してさまざまな望遠鏡を通じて実際の天体を間近に見ることができます。

取材当日、SingaLife編集部スタッフも望遠鏡を覗かせてもらいましたが、木星の縞模様や月の表面のクレーターがくっきりと見えたときの感動は格別でした。

対象年齢は5歳以上。定員は1回150名です。週1回の開催なので、金曜の夜に予定を立てやすいのも在住者にとって嬉しいポイントです。

Stargazer Experience(四半期に1回開催)

より本格的に楽しみたい方にはこちらがおすすめです。太陽系について学び、望遠鏡の操作を体験し、最後は屋外でフィールド観察まで行う、内容の充実したプログラムです。

19:30-20:30:太陽系・望遠鏡の使い方レクチャー
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20:30-22:00:フィールドで望遠鏡を使った実際の観察

参加費はS$60で、四半期に1回(特別日程を除く)実施されています。

2026年の開催予定日は2月20日、5月22日、8月21日、11月13日です。定員は40名の少人数制のため、参加希望の方は早めの予約をおすすめします。対象年齢は7歳以上で、12歳未満のお子さまは有効チケットを持つ大人1名の同伴が必要です。

Solar Observation(太陽観察)

「夜はちょっと……」という方には、昼間の太陽観察プログラムもあります。特殊フィルター付きの望遠鏡で、太陽の黒点やプロミネンス(紅炎)など、肉眼では見られない太陽表面の神秘的な姿を安全に観察できます。

開催日程は公式SNSで随時公開されています。参加希望の方はフォローして最新情報をチェックしてみてください。対象年齢は5歳以上で、12歳未満は大人の同伴が必要です。

チケット購入時の注意事項

チケットは早めの購入が推奨されます。天体観測は天候に左右されるため、悪天候の場合でも返金や代替プログラムは原則提供されません。事前に把握しておきたいポイントです。

せっかく予定を立てても曇り空だとフィールド観察はお預けになることがあります。天気予報と月齢カレンダーを事前にチェックしてから臨みましょう。

また、屋外での観察となるため、虫除けスプレーの持参または長袖の着用が推奨されています。シンガポールの夜は蚊が多いため、ぜひ準備しておきましょう。

デジタルプラネタリウムで学ぶ——サイエンスセンター オムニシアター(Omni-Theatre)

出典:Science Centre Corporate Website

天文台プログラムと切っても切れない関係にあるのが、サイエンスセンター内にある「オムニシアター(Omni-Theatre)」です。

東南アジア最大のシームレス ドームスクリーンを誇り、先進の8Kデジタル プロジェクション技術と没入感あふれるサラウンド サウンドが特徴です。5階建て相当の高さを持つドームシアターで、直径23mもの巨大スクリーンが全方位を包み込みます。

毎週金曜の「Stargazing and Digital Planetarium Live Show」ではプラネタリウム ショーがセットになっていますが、平日の昼間や土日に単独で訪れることもできます。

恐竜・深海・宇宙探検など人気テーマが充実しており、ファミリーの週末のお出かけにもぴったりです。雨の日や日中のおでかけ先としても頼りになります。

オムニシアターは月曜が原則休館(祝日・スクール ホリデーを除く) で、上映時間は映画によって30〜40分程度です。チケット料金や上映スケジュールは変動することがあるため、最新情報は公式WEBサイトでご確認ください。

南十字星を自分の目で見たい!シンガポールで星空観察スポットを探すコツ

施設に行かなくても、自分の足で星空を探してみたい方のために、市内・近郊で比較的星が見やすいエリアもご紹介します。

正直なところ、シンガポールの都市部は光害が強く、肉眼で見える星の数は限られます。それでも、以下のような比較的開けた場所を選ぶと、南の空を広く見渡せて南十字星を探しやすくなります。

●セントーサ島(Sentosa)の海岸沿い:南側に視界が開けており、南十字星を探す好条件が揃いやすいエリアです

●East Coast Park(イースト コースト パーク):海に面した開けた場所で、光害が比較的少なめです

●クランジ(Kranji)エリア:市の北西部に農地が残り、市街地より暗い夜空を期待できます

●マクリッチー貯水池(MacRitchie Reservoir)周辺:緑地のため光害は少ないですが、夜間の安全面には十分注意が必要です

南十字星の見つけ方はシンプルです。地平線の南側、低めの位置に輝く4つの星が作る十字形を探してみてください。4〜6月頃が最も高く見える時期とされているので、この時期はとくに狙い目です。

また、スマートフォンの星座観察アプリを活用するのもおすすめです。「Star Walk」「SkySafari」「Stellarium」などのアプリをかざすだけで、その方向にある星座名がリアルタイムで表示されます。初心者でもすぐに使いこなせるので、ぜひ夜空へ向けて試してみてください。

シンガポール天文学会(TASOS)のイベントもチェックしてみよう

出典:The Astronomical Society of Singapore

サイエンスセンター以外の選択肢として、ぜひ知っておきたいのが「シンガポール天文学会(The Astronomical Society of Singapore:TASOS)」です。TASOSは1992年に設立された団体で、地元の人々の天文学への関心を高めることを主な目的としています。

サイエンスセンター シンガポールと共催で一般向けのイベントを開催することもあり、どなたでも参加できるオープンな場が設けられることがあります。英語ベースのコミュニティですが、日本人でも参加しやすいオープン イベントが不定期で開かれます。

2026年6月には、メンバーがサイエンスセンターの天文台に複数の望遠鏡を設置して観察会をサポートするなど、精力的に活動しています。

本格的な望遠鏡を自分で持っていなくても参加できるイベントが多く、気軽に天文コミュニティに触れられるのも魅力です。

シンガポールでの天体観測はこんなシーンにおすすめ!

天体観測というと「ちょっとマニアック?」と思うかもしれませんが、実はさまざまなシーンで活躍する体験です。

●ファミリーに
子どもの理科・科学への好奇心を育てたいとき
毎週金曜のStargazing and Digital Planetarium Live Show(S$17)は5歳から参加OK
プラネタリウム ショー(オムニシアター)との組み合わせで半日たっぷり楽しめます

●カップル・友人同士に
普段とひと味違う夜のお出かけを楽しみたいとき
星空を眺めながら会話が弾む、金曜の夜のお出かけに

●星好きな方・もっと本格派に
Stargazer Experience(S$60)なら望遠鏡の操作まで学べます(定員40名・早めの予約をおすすめします)
TASOSの観察会イベントに参加して、コミュニティとつながるのもおすすめ

●雨の日・日中のおでかけに
オムニシアターの単独利用で、天候に関係なくプラネタリウム体験ができます

 

施設情報

■ Science Centre Singapore’s Observatory(サイエンスセンター シンガポール天文台)
🏡住所:15 Science Centre Road S609081
🚉最寄り駅:Jurong East駅から徒歩約8分(East West LineおよびNorth South Lineが通る駅)バスを利用する場合は66番・335番などのルートが便利
🕚営業時間(天文台 公開観察会):金 19:30-22:00
📅定休日:祝日および特別日程を除く毎週金曜に開催
📞電話番号:6425 2500
🌐WEBサイト
📲Instagram

※サイエンスセンター本体の通常営業時間・定休日の詳細は公式サイトをご確認ください。チケットは公式WEBサイトからオンラインで購入できます。
 
◉シンガポール天文学会(The Astronomical Society of Singapore:TASOS)
🌐WEBサイト
📲Facebook

 

シンガポールの夜空で、星を探してみよう

都会のイメージが強いシンガポールですが、赤道直下という世界でも数少ない立地を誇るこの天文台では、昼は太陽、夜は月・惑星・星座と、一年を通じて空を探索できます。

毎週金曜夜のサイエンスセンター天文台のプログラムなら、S$60から気軽に本格的な天体観測が体験できます。日本の本州では見ることのできない南十字星を探せる場所に今まさに住んでいる特別さを、次の晴れた金曜の夜にぜひ実感してみてください。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

 


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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