猿がココナッツの収穫するのは動物虐待?動物保護団体の指摘にたタイが反論

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イギリスのスーパーマーケットが7月、タイ産ココナッツ製品の取り扱いを中止する騒動がありました。きっかけは世界に支部を持つ米国の動物愛護団体「PETA( People for the Ethical Treatment of Animals)」が、タイでココナッツの収穫に猿が使われており、それが動物虐待に当たるという指摘です。

PETAは「タイ産のココナッツの全量が猿によって収穫されている」と主張していますが、その主張に対して、タイ南部の「モンキースクール」で猿の訓練をしているトレーナーは真っ向から反論しています。

トレーナーのNirun Wongwanich(52歳)は、輸出するココナッツは高さが低いため、人間が棒を使って収穫をしていると話します。かつては、高さが高いココナッツの収穫を猿にやってもらうこともあったと言いますが「それは昔から行っていることで、毎年6〜7匹は訓練しているものの、暴力的に行うようなことはなく、猿と人間との間に絆ができている」と話しています。

タイ政府もトレーナーの主張を擁護し、猿を虐待しているという事実はない、と主張しています。タイ農業省のMananya Thaiset副大臣は、タイでは200万人のココナッツ栽培者が人力と機械で収穫していると発表しました。また「毎年、多くのココナッツを輸出しているので、森林に生息するすべての猿を収穫に利用したとしても足りない」と主張しています。

政府のデータによると2019年、タイでは1243.7平方キロメートル以上の栽培地で、計80万6,000トンを超えるココナッツが生産されました。また、2019年に、タイのココナッツミルクの輸出額は3億9,600万ドル相当で、そのうちの8%ほどがイギリスに出荷されています。

この一連の騒動はいまだに収束の目処が立たないという。

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SingaLife編集部

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