新型コロナで経営不振のシンガポール航空、チャンギ発着の「目的地のない空の旅」を検討中

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、深刻な経営不振に陥っているシンガポール航空がシンガポールのチャンギ空港を発着とした行先のないフライトを実施することを検討しています。

2020年10月末までには、チャンギ空港を出発してチャンギ空港に戻ってくる約3時間のフライトになるとのことで、「目的地のない空の旅」と呼ばれます。

シンガポール政府観光局(STB)とのパートナーシップにより、シンガポール政府から国民に配布される消費換気のためのバウチャーでこのフライトの料金を支払えるようにするとのことです。

「目的地のない空の旅」は、すでに台湾のエバー航空をはじめ、世界のいくつかの航空会社が運航。激減した売り上げを少しでも回復させようとしています。
日本航空(JAL)も成田空港発着で、空から夕暮れを見るフライトを9月26日に実施するとしています。

シンガポール航空も深刻な打撃を受けており、同グループは、9月10日、傘下のシルクエアーと格安航空会社スクートを合わせて約4,300人の人員削減を行うと発表しました。

シンガポール航空は2015年、恵まれない子どもや高齢者のための共同募金会の慈善活動で「目的地のない空の旅」を運行したことがあります。

「目的地のない空の旅」の詳細は発表されていませんが、航空機のチャーター会社の社長・ウッド氏は、そのようなフライトに、ホテルや空港でのショッピングバウチャーとリムジンサービスを含むバンドルパッケージを想定していたと述べました。ウッド氏の会社が実施した調査では、およそ75%の人がこのフライトに乗りたい回答したといいます。

料金に関して、エコノミークラスでは288ドル、ビジネスクラスで588ドルが妥当な金額だと考えているようです。

「以前のように旅行が自由にできるようになれば、この目的地のないフライトの魅力は減りますが、宿泊やリムジンでの送迎、空港でのショッピングなどがセットになっていれば、魅力的に感じてくれると思います」

狭い国土故に国内線がないシンガポール航空が実施するという目的地のないフライト。どのルートを飛行するのか、楽しみですね。

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SingaLife編集部

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