ナイトライフ好きに朗報?ナイトスポットの一部が試験的再開へ、業態変更に補助金も
シンガポールのナイトスポットの一部が、12月か1月までに試験的に再開する見込みです。マスクの着用や新型コロナウイルスの陰性証明の提示など厳しい安全対策が求められます。試験期間は2,3カ月にわたる予定です。
シンガポール政府は11月6日、クラブやカラオケ、バーなどのナイトライフビジネスの再開の可能性について発表しました。9ヵ月に及ぶ休業でナイトライフ事業者の多くが経営困難となり、今年の上半期だけで59の店が閉業しました。
通商産業省(MTI)と内務省(MHA)は共同声明で、ナイトライフビジネスの事業者団体と連携し、再開のための試験に参加する事業者を選定しているところだと述べました。ただし、カラオケ店やナイトクラブの試験は、利用客に24時間以内に受けたPCR検査などの陰性証明を求めることから、来年1月にずれ込む見通しです。
MTIとMHAは、試験を実施する店で検査を受けられるようにするか、来店前にクリニックを受診して検査を受けるように要求する可能性があるとしています。
カラオケ店やナイトクラブは感染拡大リスクが比較的高く、より厳格な対策が求められることから、再開が可能か慎重に見極めるために試験は3ヵ間掛かります。
具体的な対策としては、全ての客は飲食時以外常にマスクを着用することを求められます。ダンスフロアにいても、カラオケで歌っているときでもマスクが必須です。また、これまで通り、午後10時30分以降はアルコールの提供が禁止されます。
さらに、店内全ての範囲をカバーする監視カメラの設置が必須となります。映像データは少なくとも28日間保管する必要があり、定期的にチェックされます。違反者には罰金が科されるだけでなく、再開試験から除外される可能性があります。
MTIとMHAは再開試験に参加する店の候補を選定中です。候補の中から、実施する安全対策や店の業態等を考慮し、実際の参加店を決定します。
これとは別に、再開試験に参加しないナイトビジネス事業者は、飲食業その他の商業施設への業態転換、または閉業するための補助金を受けることができます。
このような政府の取り組みに歓迎する事業者の一方で、不満の声もあります。
レトロバーやクラブを経営するフランチェスカ・ウェイ氏は「ポストコロナの世界でお店をやっていくために完璧なプランだ」と好意的です。
ズークグループのCEO、アンドリュー・リー氏は「この業界の活気を安全に取り戻すためにできることなら何でも大歓迎」と話します。「ズークグループは、シンガポールで今切望されているナイト・エンターテイメント業界の復活のためにできることを何でもする」と意気込みます。
不満の声の大きな理由は、コロナの検査にかかる費用が料金よりも高い可能性があることです。カラオケ・タイムズのオーナーのサイモン・シム氏は「ずっと閉鎖したままよりはましだが、このやり方には少し無理がある」と漏らしています。
厳しい感染対策をしての「ポストコロナ」のナイトライフ、どうなってしまうのでしょうか。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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