シンガポール入国後の14日間の隔離生活中の男性が自殺。自室抜け出しの違反行為発覚後

スリランカ出身の20歳の男性が2020年8月12日、シンガポールのブギスエリア近くにある「ホテル グランド パシフィック」の13階の部屋で、首をつって死亡しているのが発見されました。自殺とみられています。

この事件に関する法廷調査が、2月16日に行われました。調査によりますと、シンガポール経営大学(SMU)の学生だった男性は昨年8月1日、スリランカからシンガポールに到着。入国後にかせられる14日間の隔離措置(Stay Home Notice=SHN)のため、ホテルグランドパシフィックで過ごしていました。

ホテルの警備員が8月10日に男性の部屋が開きっぱなしになっているのを発見、室内には誰もいなかったということです。ホテルの監視カメラは、男性が自らの部屋を抜け出して、同じホテルで隔離されていた友人の部屋を訪れたということです。自殺した男性は以前から、SHNのルール違反を何度か繰り返していたとのことです。

同日午後11時頃、部屋の扉が閉まっていることに気がついた男性は、友人に連絡。自室の鍵を持っていなかったため、自分の部屋に入ることができず、友人がホテルスタッフに連絡し、スタッフが解錠して男性は部屋にようやく入れたということです。

男性が所属するシンガポール経営大学(SMU)のシニアアシスタントディレクターが、男性にメールしたものの、返信はなく、ホテルスタッフが部屋に入ると首をつって死亡している男性を発見したということです。

捜査官によりますと、男性はSHN違反行為が与える個人への影響を懸念していたため自殺した可能性が高いとのことです。SHNの期間中、隔離者は部屋から一歩も出ることを許されず、違反した場合は国外退去などの厳しい処分が取られます。

この事件の調査結果は後日公開されます。

近年シンガポールの自殺者数は増加を見せており、自殺の減少に向けた早急な対策が大きな課題となっています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、さらなる自殺者数の増加も懸念されています。新型コロナウイルスにより不安を抱える方のためのホットラインとして、シンガポール政府は以下を用意しています。

<ホットライン>

ナショナルケア・ホットライン:1800-202-6868
サマリタン・オブ・ シンガポール(NPO):1800-221-4444
シンガポール・メンタルヘルス協会:1800-283-7019
インスティチュート・オブ・メンタルヘルス:6389-2222
ケアコーナー・カウンセリングセンター(北京語):1800-353-5800
シルバーリボン:6386-1928
ティンクルフレンド:1800-274-4788
アウェア・ウィメンズ・ヘルプライン:1800-777-555(月曜日〜金曜日10:00〜18:00)


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

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