シンガポール国内の汚職関連通報。2020年はコロナ禍で5年ぶりの低水準に

シンガポール汚職調査局(CPIB)は4月22日、年次統計を発表し、2020年の汚職関連の通報件数が過去5年間で最少の水準に減ったと明らかにしました。

CPIBによりますと、2020年の汚職関連の通報件数は239件で、2019年の350件から約31%減少(2018年は358件)。このうち、CPIBが新規捜査対象として認定した事例も、2019年の119件から81件に減り、97%(起訴取り下げ事例を除く)が有罪判決を受けました。

同局は、通報件数が減少した理由として、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う民間部門の経済活動の急減を挙げています。また、男性警察官が2件の汚職容疑で、禁錮2年の有罪判決を受けており、いずれも女性の容疑者から捜査上の便宜を図る見返りに、性的サービスを得ていた事件です。これがメディアに取り上げられたことも、汚職に対する市民の意識向上につながり、同様の複数の汚職容疑に関する通報がCPIBに寄せられました。

ただ、リパブリック・ポリテクニック(日本の高等専門学校に相当)が2020年に実施した調査によりますと、15~25歳の回答者約1000人中、75%近くが、「CPIBの存在を知らない」と回答。調査を受け、同局は、サッカーの八百長事件など、実際の汚職事件を紹介する青少年向け電子書籍を発行したり、汚職防止についてより興味深く学べるようゲームの要素を取り入れたプロトタイプアプリをナンヤン・ポリテクニックの学生と共同開発したりするなど、若年層に対する啓発活動を進めています。

CPIBはさらに、「新型コロナウイルスをめぐる課題に直面するなか、汚職を低水準に抑え続けている」とするとともに、汚職に関する情報については、書面や電話、電子メールなどで同局に知らせるよう市民に呼びかけています

シンガポールが汚職が少ない国として、常に世界ランキングの上位に入る背景には、行政機関によるこうした継続的な取り組みがあるのかもしれません。

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SingaLife編集部

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