【21年6月帰国】シンガポールから日本へ帰国の詳細レポート。ホテルで14日間自主隔離の場合(上・帰国準備編)

6月上旬にシンガポールから日本に帰国した体験談をお伝えします。

私は今回、家庭の事情で急遽一人で帰国することになりましたが、「すぐ日本に帰らなければ」となっても、現状では思い立ったその日や翌日に帰国することはかなり困難な状況です。現在日本では水際対策の強化が行われており、出国前検査を行う必要があるほか、いざ入国できても自主隔離を行い外出できない日が続くなど、さまざまな新型コロナウイルスのための対策に従う必要があるためです。

これから帰国されるみなさまの参考になればと思いレポートを執筆いたしました。ただ、状況が変化する可能性がありますので、ご帰国の際は必ず最新の情報をご確認ください。

上・下にわけて詳細な帰国体験談をお届けします。

こちらの上・帰国準備編では、シンガポールにいる間に必要な準備について5つのポイントをお伝えします。

私は今回、帰国決意から1週間でシンガポールを発ちました。帰国準備は大変でしたが、1週間あれば多少余裕を持って準備することができました。


①フライトの手配


まず、フライトの手配を行いました。日本への入国にあたっては後述の新型コロナウイルス検査を受けることが求められており、シンガポールを出国する72時間以内に行った検査の証明書が必要となります。このため、フライトの時間が決定しない限り、検査を受けるタイミングも決められません。帰国にあたっては、はじめに利用するフライトを決定することをお勧めします。

私が利用した時期では、シンガポールから日本へのフライトは毎日ありました。ただし、羽田・成田のいずれの到着便も、日系の航空会社を希望する場合には利用できる曜日が限られます。私は特にこだわりがないため、シンガポール航空の羽田着の便を利用。片道の航空券で600Sドル弱でした。

②出国前検査の実施


現在、海外から日本へ帰国・入国する際には国籍を問わず、出国前72時間以内に新型コロナウイルス検査を受けて、日本到着時に検査証明書を提出することが義務付けられています。出発直前の慌ただしいタイミングでの検査となりますが、証明書がない場合には入国できなくなるため、必ず検査を受けるよう注意しなければなりません。

検査方法や証明書のフォーマットには厚生労働省による指定があります。シンガポールの日系クリニックでも出国前の検査を取り扱っており、指定の通り検査を実施し、証明書を用意してもらえるということでしたので、ある日系クリニックを利用しました。

検査費用は約200Sドル。私は今回1人での帰国でしたが、お子さんが多くいるご家族などで帰国する際には、検査費用だけでもそれなりの出費となってしまうと思いました。

検査にあたっては事前の予約が必要です。当初はフライトの2日(48時間)前に検査を行おうと考えていました。しかし予約時に、検査結果が出るまで時間を要するため、万が一陽性となった場合などにも備えて念のため72時間以内となった早いタイミングで実施する方がよいとアドバイスいただき、早めに検査を受けることにしました。

私は鼻咽頭ぬぐい液を採取するPCR検査を受けました。検体の採取では、左右の鼻の奥に綿棒を入れてくるくると回されます。ぐっと奥に入れられるため違和感は感じましたが、耐えられないほどの強い痛みはありませんでした。

午後に検査を受けて、翌日の午前中にメールで検査結果を受け取ることができました。結果は無事陰性でした。万が一ここで陽性が出てしまったら、帰国は中止せざるを得なくなりますので、ほっとしました。検査証明書はプリントアウトして帰国時に持参する必要があります

③自主隔離期間のためのホテルの手配


日本帰国後の待機や検査の措置は滞在国によって異なります。私が帰国した時点では、シンガポールからの帰国の場合には指定の宿泊施設での待機などはなく、空港到着後の検査で陰性であれば入国後14日間の自主隔離を行うことになります。自主隔離期間中の滞在先は、日本入国前に誓約書に記載する必要があるため、あらかじめ決めておいたほうがよいと思います

自主隔離先は、自宅のほか、帰国者受け入れを行なっているホテルやウィークリーマンションなどが選択肢となります。私の場合家族への配慮から自宅(実家)は除いて検討し、1泊約7,000円で都内中心部のホテルに滞在することにしました。1人で帰国した私にはウィークリーマンションは割高に感じましたが、ご家族で利用する場合は自炊や洗濯ができるメリットが大きくなるかもしれません。

首都圏で帰国者を受け入れるホテルは、私の調べた限りですと空港周辺のホテルや、都内中心部・神奈川の一部のホテルです。直接問い合わせて確認すれば他のホテルでも受け入れてもらえる可能性もありますが、帰国準備で忙しい中手間がかかってしまいます。そこで、帰国者向け宿泊プランがまとめてある航空会社のホテル予約サイトが便利でした。ホテルの公式ホームページには載っていない帰国者向けプランも予約することが可能であり、私も利用しました。

ホテル選びでは、人によって重視する点が異なると思いますが、14日間部屋の中にこもらなければならず、滞在中に仕事をすることも踏まえ、今回私はとにかく安く済ますというよりかは、広さや食事、ホテルの宿泊ルールの面からある程度快適に過ごせそうかという観点で検討し、自宅へのアクセスも良好なホテルを選びました。

空港周辺のホテルの場合、無料の循環バスで空港からホテルまで移動できるので便利です。一方で、滞在中の食事について考えると、都内中心部ではウーバーイーツなどを利用して様々な選択肢があるというメリットがあります。また、部屋の広さなどを踏まえ、空港周辺のホテルよりもお得なプランも散見されました。私が利用した部屋は、面積は20㎡強でツインでしたが、空港周辺のホテルではシングルで11〜16㎡ほどの部屋が比較的多く、20㎡以上の面積の部屋となると1泊1万円以上となってしまうようでした。

加えて、下・帰国当日〜自主隔離編で詳しくお伝えする通り、各ホテルでは帰国者に対して独自に感染対策のためのルールを設けています。ホテル内のレストランやランドリーサービスの利用といった制限の内容はホテルによって異なるため、その点も比較して検討しました。

なお、14日間の自主隔離の要件を満たすためには、14泊ではなく、15泊ホテルを予約しなければなりません。少し紛らわしいと感じましたが、入国した次の日が1日目とカウントされますので注意が必要です。

④ハイヤーの手配


帰国後14日間は公共交通機関を利用することができません。そのため、空港から滞在するホテルへの移動手段を確保する必要があり、ハイヤーを予約しました。厚生労働省のサイトで帰国者向けに送迎プランを用意しているハイヤー会社各社を確認できます

私は、羽田空港から東京23区への移動を一律1万3,000円で提供している会社を利用しました。会社によって料金設定が異なりますので、数社のホームページで料金を確認し、自分の行き先に応じてお得な料金となる会社を選びました。ウェブサイトから予約可能で、予約後はメールでドライバーの情報などの連絡を受けます。

⑤質問票の回答


帰国当日、出発前にウェブ上で厚生労働省が実施している質問票の回答を行いました。質問の内容は、搭乗する便、基本的な個人情報、滞在先、健康状態、自主隔離期間中に行われる健康状態のフォローアップのための連絡先などの情報です。回答が終了するとQRコードが表示されます。日本到着後の検疫でQRコードを読み取る機会があるため、その画面のスクリーンショットを保存するか、プリントアウトしておく必要があります。

下・帰国当日〜自主隔離編では、いよいよシンガポールを出国し、羽田空港での検疫、ホテルでの自主隔離期間中の暮らしぶりについて詳報します。



この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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