日本語情報誌「シンガライフ」の日本人スタッフが、シンガポールに来て驚いた文化や習慣あれこれ
所変われば品変わるといいますが、住む場所が変われば驚きや戸惑いも…そんなびっくり体験をシンガポールの日本語情報誌「シンガライフ」日本人スタッフに聞きました。これからシンガポールに移住する方からシンガビギナーさん、はたまた次の旅先はシンガポールという方にまで、ちょこっと役立つ情報をお届けします。
① スコールの洗礼は通過儀礼
② お天気アプリやシェア傘を味方につけよう
③ 高温多湿を活用したら生活が豊かに
【生活編】
④ 歯ブラシの主流は巨大ヘッド
⑤ ガムのお取り扱いにご注意を
【交通編】
⑥ 最強交通網はキャッシュレスで乗りこなそう
⑦ グーグルマップは必携です
【食事編】
⑧ うましかぐわしドリアン
⑨ 甘い飲み物たちの誘惑と憂国
天候編
1. スコールの洗礼は通過儀礼
なんといってもスコールのすさまじさは、赤道直下熱帯のお家芸。乾季だろうと雨季だろうと、雲行きが怪しいと思った数分後には「バスタブをひっくり返したような降り方に赴任当初はあぜんとしました」というシンガライフスタッフ。
とんだ急襲にびしょぬれになった経験は、誰しもあることでしょう。そんなときは抗わぬが吉。さっさと手近なビルにでも飛び込んでやり過ごすのがシンガ流。たいがいは30分ほどで上がりますから。
2. お天気アプリやシェア傘を味方につけよう
とはいえ、事前の“読み”も大事ですよね。「myENV」等のお天気アプリを活用すれば、天候以外にもヘイズ指数やデング熱発生などの最新情報をチェックできて、便利です。
また、シェア傘を利用するのは環境保全の視点からも◎
高温多湿を活用したら生活が豊かに
ところで、年間を通じて高温多湿な気候が、「なんと発酵食品づくりにうってつけなんです!」と教えてくれたシンガライフスタッフ。例えば、みそ。材料は大豆と麹と塩といたってシンプル。しかも、出来上がりまで半年ほどかかる日本に比べたらあっという間の1〜2か月くらいで食べられるようになるそう。
麹は日系スーパーなら手に入れやすいとのこと。コロナ禍以前には、日本の老舗みそメーカーがみそづくりの出張講座を開いていたこともあるようです。シンガポールの風土は意外にも日本の発酵食文化と親和性があるのです。
生活編
歯ブラシの主流は巨大ヘッド
「歯ブラシ、でかっ!」日本人の口が人並み外れて小さいわけでは決してないと思います。3センチはあろうかと思われる巨大ヘッドではきれいに磨けないし、そもそも大きすぎて奥まで到達できない、という声がシンガライフスタッフの中からも多数上がりました。
想像してみてください、朝な夕なに大口を開けて、口腔洗浄にいそしむ人々の姿を。なかなか壮観ですが、悲しいかな磨き残しがあちらでもこちらでも勃発している模様を。あるときシンガポール人に尋ねたところ、「だって大きいほうが、いっぺんに広範囲を磨けて、時短で効率的じゃない!」だそう。考え方の違いかもしれませんが、やはり腑に落ちません。だってお口を清潔に保ってこそでしょう、健康に直結しているんだから。
とはいえシンガポール人の平均寿命は世界的に見ても常に上位にランクイン。丹念な歯磨き以上に長生きする秘訣がいろいろとありそうですね。
なお、最近では小さめのヘッドタイプも大きなスーパーなら取り扱っているようです。一時帰国のたびに年間量買いだめ…なんてこともままならないコロナ禍において朗報かもしれませんね。
ガムのお取り扱いにご注意を
世界一清潔な都市と言われるシンガポール。路上にゴミのポイ捨てをすることは禁じられていて、ガムが靴裏にへばりつくなんてまずありえません。このあたりはご存じかもしれませんが、じつはガムの製造も販売も禁止なのだそう。さらには持ち込みも!
これにはシンガライフスタッフも冷や汗ものだったそう。日本ではオフィス勤務のお供にポケットに忍ばせているなんてありがちですよね。歯にいいからとか、気分転換にとか、ボトルごとデスクに備えている人もいるでしょう。
事件は、そのままシンガポールへ出張という際に故意ではなく発生したそうです。たったの数包がポケットに転がっていながらも何も知らぬままに入国できたシンガライフスタッフの懺悔をここに記します。皆さんも気をつけてくださいね。
交通編
最強交通網はキャッシュレスで乗りこなそう
電車、バス、タクシー、グラブはいずれも安くて便利だというのはシンガポール住みさんには周知の事実。シンガライフスタッフも口をそろえて言いますから。「日本の都市部に暮らすのとなんら変わらない利便性に驚いた」。
でも、シンガポール住みビギナーさんやコロナ明けを待ちわびているビジターさんにこそお伝えしたいことがあります。Singapore Tourist Passかez-link Cardをまず入手せよ!これさえあれば、キャッシュレスで地下鉄と路線バスにさくさく乗れるから、時短につながり、小銭を準備して出し入れするという地味な手数を減らせるよ、ということ。
特にez-link Cardはいわばシンガ版PASMOやSuica。長く滞在するなら必携です。ところで、ショッピングセンターのメンバーカードの中にはez-link機能搭載のものもあるようですから、あわせてチェックしてみては。
グーグルマップは必携です
シンガポールは東京23区よりひとまわりほど大きい…つまりさほど広くはないので、バスに乗っていつもと違う路線を探索してみるのも面白いかもしれないですね。目的を定めずぷらーっとお出かけって、最強の日常しがらみデトックスだと思いませんか。
また、未知なることに触れるのは脳の活性化にもつながり、気分リフレッシュに効果的。ならばデジタルデトックスも、というお気持ちよーくわかります。何もかも手放して、新しい自分に出会うバスの旅……「でも突っ走らないでください!」とシンガライフスタッフから注意勧告が。
なんとシンガポールのほとんどの路線バスでは、次にどこに止まるかを知らせる表示やアナウンスがないのです。降りるバス停が迫ってきたら車内のストップボタンを押し、降車する意思表示をします。
つまり、グーグルマップで自分の所在地を確認していないと迷子になっちゃいます。往路は行き当たりばったりでも、帰路は満タン充電済みのスマホは必須です。お忘れなく。そうそう、便利なアプリもご紹介済みでしたね。
食事編
うましかぐわしドリアン
今の時季が旬の南国フルーツといえばドリアン。公共の交通機関やホテル等に持ち込んではいけないという規則があるものの、街を歩けば、あるいはバスに乗っていても車窓から、十数メートル先に所在することが感知できてしまうほどの独特なにおい。ゆえに避けている日本人も多いかもしれません。が、ひとたびほおばれば、魅惑の香りと味わいにハマることうけあい、かも。
食後のお口に充満する“ドリアンガス”にたまげたのは言うまでもありません、とはシンガライフスタッフ。せっかく手軽に手に入るのだから、ぜひお試しを。
甘い飲み物たちの誘惑と憂国
シンガライフスタッフならずとも、日本人ならまず驚愕するのは緑茶すら甘い、という事実ではないでしょうか。緑茶に限らず、あらゆる飲み物が甘いのです。コンビニやスーパー、自販機等で手軽に購入できるペットボトルや紙パック飲料から、飲食店(特にホーカー等、ローカル向けのところ)で供されるドリンク類にいたるまで砂糖感充実の甘さなのです。
これには政府も黙ってはいられないようです。なんといっても、国民の9人に1人が糖尿病に罹患しているといいます。
そこで、市販の飲料には「不健康」明示(一定量以上の糖質を含有する製品に表示することに!)を義務付けるなど対策に力を入れています。
ここで耳寄り情報!カフェでコーヒー(kopi)を頼む際の魔法の単語を友達に教わりましたよ。「コソン(kosong マレー語で“ゼロ”の意。砂糖抜き、を意味するとのこと)」。つまり、kopi kosongと言えば砂糖抜きコーヒーが出てくるはず。ちなみにコンデンスミルクも不要な場合はkopi-o kosong(コピオーコソン)。呪文とともにあなた好みのオーダーをお試しあれ!
さて、いかがでしたでしょうか。金融をはじめビジネスの先進を行くイメージの強い印象があるシンガポール。とはいえ、古来築かれた生活があり、町があり、人がいる。そんなことに思いをはせて、暮らし方のヒントを見つけたり、文化の違いぶりに驚きつつも面白がり、そして敬意を表する。そしてシンガポールがもっと好きになり、シンガポールの人々との交流が深まれば素敵ですね。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!