シンガポールで自転車利用めぐる提案が諮問委から運輸相に提出

道路利用者の安全向上を図るため、交通ルールの見直しを定期的に行っているシンガポールのアクティブ・モビリティー諮問委員会(AMAP)は10月1日、道路上での自転車利用に関する提案をイスワラン運輸相に提出しました。

今年4月、自転車の利用ルール強化の是非をめぐる議論が、オンライン上で起こったのを受け、ルールの再検討を求めた政府の要請に応じたものです。

AMAPは、自転車利用者のグループが縦1列で走行する場合の台数の上限を5台に制限するなどの提案を行ったほか、事故時に被害者への補償を円滑に進められるよう、自転車利用者に損害賠償保険への加入を推奨。

「提案は承認され次第、可能な限り早期に導入し、違反者には政府により断固とした措置を講じるよう提言する」とするとともに、「提案の施行開始にあたっては、市民の認知向上に向け、移行期間も設けるべきだ」との見解を示しました。

一方、自転車の登録・運転免許制度の導入については、“国内の自転車利用普及の障壁となり、高齢者を含む交通弱者に大きな影響を及ぼす可能性がある”などとして、提案を見送っています。

チー・ホンタット上級国務相(運輸担当)が10月1日、フェイスブックに記したところによりますと、提案に関し、今後、運輸省で回答提出に先立ち、検討が行われる予定で、チー氏は、「自転車利用者が増え、より多くの人々が道路を使うなか、道路利用者すべての安全を確保するうえで、規則を見直す必要がある」とつづりました。

自転車の登録・運転免許制度について、「過剰だ」とする道路利用者らからは、導入提案が見合わせられたことを歓迎する声が上がった一方、今回の提案があらゆる道路利用者の安全向上を実現するのに十分厳しいものか懸念する意見も、一部の自動車利用者から、寄せられています。

新型コロナウイルスの感染拡大も一因となり、増加傾向にある自転車利用者。

誰もが安心して道路を利用できるルールづくりが待たれます。


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SingaLife編集部

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