【2023年版】シンガポール唯一の世界遺産「ボタニックガーデン」。近所に住んで通い詰めたからこそ分かる知られていない見どころも一挙に紹介!
ボタニックガーデンというと、オーキッドガーデン・ジンジャーガーデン・盆栽ガーデン・サボテンガーデン・スワンレイク・シンフォニーレイクを散策するのが主流。しかし、ボタニックガーデンの素晴らしさはそれだけではないことを、公園に通いつめ再発見。改めてその奥深さに脱帽。2015年にユネスコ世界遺産に指定されている理由がしっかり理解できました!
そこで今回、その知られざる見どころをご紹介していきたいと思います。見どころがたくさんあり「あそこもここも見ておきたい!」となりますが、日中の気温や湿度の高さは侮れません。というわけで、一日ではなかなか周り切れないので、何回かに分けて訪れることをお勧めします。
ボタニックガーデン主要5エントランスゲート(入り口)
ボタニックガーデンへのアクセスは、5つの主要エントランスがあります。
1)Tangling Entrance タングリン・エントランス オーチャードから一番近い主要エントランス 2)Tyersall Entrance タイヤーソール・ギャロップエントランス オーキッドガーデンなどに近いけれど、タクシーでのアクセスが必要 3)Nassim Entrance ナッシム・エントランス コンサートなどが開催されるシンフォニーステージに一番近い。タクシーの方が便利。 4)Bukit Timah Entrance ブキティマ・エントランス ボタニックガーデンMRT駅に隣接 5) Gallop Entrance ギャロップ・エントランス |
今回は、エントランスごとに見どころをご紹介していきたいと思います。
まずは、ゲート近くにあるインフォメーションで、地図をゲットしましょう。
タングリン・エントランス(オーチャードから一番近い)
とても美しくお洒落なゲートが迎えてくれます。
左の写真:スワンレイク手前の左側には、建国の父リー・クワン・ユーが40年前に植樹した、セネガルマホガニーがあります。
右の写真:植樹された1980年11月2日当時の写真
成長が早いセネガルマホガニーですが、40年でこれだけ大きくなるとは驚きです。
※スワンレイク
セイシェル諸島原産の巨大パームツリー/別名ダブルココナッツツリー
インド洋に浮かぶ160島以上からなるセイシェル諸島のなかでも、2つの島でしか繁殖していない、絶滅危惧植物(The IUCN Red List)にリストされているダブルココナッツ(大実椰子)がヘリテージミュージアムの裏にあります。
世界でも最大の種子を持つ椰子の樹を、真下に立って見上げてみて下さい。メガなサイズ感、そして優美なフォルムに思わず見とれてしまいます。
プラントハウス前の階段に秘められた歴史
戦時中日本軍の捕虜になった兵士達によって作られたレンガには、意外な歴史が刻み込まれています。
レンガ一つ一つに刻み込まれた矢印「↑」に注目してください。捕虜となった兵士たちは、重労働を強いられていましたが、彼らはその捕虜となった状況に屈服しないという強い意思をこの矢印に刻んだとされています。
それを知ってから、戦争で苦境に立たされた人々を思い、この階段を使うのを遠慮しています。
通称カーテン・アイヴィー (A Curtain of Roots)
根っこの先が赤くなっていて、そのグラデーションがとても美しい。この神秘的な植物が創り出したトンネルをゆっくり通り抜けてみて下さい。プラントハウスの近くにあります。
シダ庭園 (Fernery)は秘密の場所
プラントハウスの北側に位置しています。小さくて隠れた場所にあり、秘密のフォレストに迷い込んだ気分になる場所。
かつてオーキッドの研究所だったヘリテージミュージアム
この建物は、かつてボタニックガーデンのディレクターであったエリック・ホルタム氏の研究所でした。ここで、オーキッドの種の培養研究に成功。その後シンガポールや東南アジアのオーキッド産業の土台を築く大きな役割を果たしました。
向かい側には、CDLグリーンギャラリーもあります。
SBG Heritage Museum 住所:1 Cluny Road, S259569 最寄り駅:Napier 駅 営業時間:月〜日 9:00-18:00 定休日:月末最後の月曜日 WEBサイト CDL Green Garden 住所:1 Cluny Rd, S259569 最寄り駅:Napier駅 営業時間:月〜日 9:00-18:00 定休日:月末最後の火曜日 WEBサイト |
Tyersall Gallop Entrance
タイアーソール・ギャロップエントランス側
ナショナルオーキッドガーデン
2021年にリニューアルオープン。世界最大と言われているオーキッドガーデンには、約4500種類(ハイブリッドを含む)もののオーキッドが展示されています。
※こちらは入場料がかかります。
3つのグラスハウスは、
センブコープ・クールハウス (Sembcorp Cool House) ユーエン・ペン・マックニース・ブロムニアッドコレクション (Yuen Peng McNeice Bromeliad Collection) タン・フーン・シアン・ミストハウス (Tan Hoon Siang Mist House) |
から成っています。
◎センブコープ・クールハウス (Sembcorp Cool House)高度1000m~2000m、気温16~23度で高山林を再現した設計で、そこで生育するオーキッドを展示しています。
◎ユーエン・ペン・マックニース・ブロムニアッドコレクション (Yuen Peng McNeice Bromeliad Collection)では、カリビアン、中央・南アメリカの高度650m~1000m新熱帯雨林で生育するコレクションを展示しています。
◎センブコープ・クールハウス (Sembcorp Cool House)では、ユニークなハイブリッドのオーキッドのコレクションを展示しています。
(左)思考を凝らした展示で庭園散歩
(右)圧巻のオーキッド
Narional Orchid Garden 住所:1 Cluny Rd, S259569 最寄り駅:Napier駅 営業時間:8:00-19:00 料金:シンガポール在住者と一般で異なるので公式サイトをご覧ください。 定休日:無 WEBサイト |
ジンジャーガーデン
アジア料理には欠かせないジンジャー。ここジンジャーガーデンには250種類ものジンジャーファミリーのコレクションがあります。
グラフィティも楽しい
観光客にとても人気のあるエリア
疲れたら、ザ・ハリアレストラン(ハラル認証レストラン)がすぐ近くにあります。アルフレスコ席もあり、緑の中での休憩で心と身体がリチャージできますよ。シンガポールの味を取り入れたウエスタンメニューを是非トライしてみて下さい。
Halia Restaurant (ハリアレストラン) 住所:The Halia at Singapore Botanic Gardens, 1 Cluny Rd, Ginger Garden Singapore Botanic Gardens, S259569 最寄り駅:Napier駅 営業時間:月〜日 12:00-15:00,18:00-20:30(L.O. 20:30) 定休日:無 電話番号:8444 1148 WEBサイト |
ラーニングフォレスト
◎空中遊歩道(SPH Walk of Giants)
地上からの高さは8メートル、全長260メートルのボードウォーク。地上からは見れない、フォレストの違った一面が目の高さで見ることができます。森にあるジャイアントな木々に囲まれてすいすいウォーキング。
◎キャノピーウェブ
空中遊歩道途中にCanopy Webと呼ばれるネットを張ったエリアがあり、大人も子どもも楽しめるようになっています。
※ラーニングフォレストをYouTubeで覗いてみて下さい!
※一部工事のため入れない場所があります。公式サイトにてご確認ください。
OCBCギャロップ・エクステンション
8ヘクタールを有するギャロップ・エクステンション。歴史的建造物の改築工事を行い、ボタニカルアートギャラリーとフォレストディスカバリーセンター@OCBC Arboretumとして新たにお目見え。
その他、子ども達が五感をフルに活用して遊べるCOMOアドベンチャーグローブと勾配もあるフォレストトレッキングできる、ミンシン・ファンデーション・ランブラーズ・リッジもあります。
フォレストディスカバリーセンターの建物必見
ギャロップハウスNo.5(マップ上のHouse 5) が、フォレストディスカバリーセンター。こちらの建物は、1898年に建てられたもので、シンガポールのなかで一番古いブラック・アンド・ホワイトハウスです。インタラクティブなフォレストエコシステム等の展示があります。
建物の中を見るだけでも価値あり。古き良きコロニアル時代の建物に、思いを馳せるのも楽しい。
ギャロップハウスNo.7(マップ上のHouse 7)は、1906年に建てられたものです。現在は、ボタニカルアートギャラリーとして開館。シンガポール初のボタニカルアートに特化したギャラリー。2000点以上の絵画やスケッチがあるので、是非訪れてみて下さい。
※マップは公式HPからご覧ください。
COMOアドベンチャーグローブ(子供向け)
木登りをするような感覚を楽しんでもらいたいというコンセプト。まさに自然と一体したプレグラは、子ども達の五感を刺激し、冒険したくなりそうです!
アスレチック、滑り台、砂場などがあり、目一杯楽しめそうです。砂場部分が多いから、裸足であそぶのも開放的で楽しそう。
ジャックフルーツの遊具は、体幹を鍛えるのにもってこい?
◆詳細はこちらの記事からチェック!
【2023年度版】シンガポールの子連れに大人気の屋外プレグラ!屋内も多数
ランブラーズリッジでハイキングも楽しんでみよう!
バリアフリーの歩道もありますが、ちょっと森の中を歩きたい方は、ハイキングトレイルに沿って歩いて下さい!手軽にハイキング気分を味わえます。
※ギャロップ・エクステンションへの行き方、開園情報はこちらから。場所によっては閉館の日が違うのでご注意ください。
Nassim Entrance ナッシムエントランス
入り口に向かう遊歩道がすでに素敵なナッシムエントランス。入り口にはステンドグラスがあり、コロニアルな雰囲気がとても素敵です。
フレグラント・ガーデン(Fragrant Garden)で癒される
自然の香りは心を開放し、リラックスさせてくれます。このエリア付近に来ると、既に甘い香りがどこからともなく漂ってきます。ガーデンの中はちょっと秘密の花園っぽい雰囲気。
数種類のジャスミン、イランイラン、ガーデニアなどなど、時期によって違った花が、それぞれ違った香りを放っています。
ヒーリング・ガーデン(Healing Garden)は知識の宝庫
(写真:右)【マグノリア・チャンパカ】鮮やかなオレンジ色が美しく、香りも抜群
ヒーリングガーデンは、フレグラントガーデンよりもナッシムエントランス入り口に近い場所にあります。アロマセラピーやハーブに興味のある人は、時間をかけてじっくり巡って頂きたい場所です。
エボリューション・ガーデン(Evolution Garden)でちょっと異次元空間体験
地球の進化を体験するのがテーマのガーデンです。どこまで体験できるかは?ですが、ゴロゴロ大きな石がある感じは、確かに他とは雰囲気が違います。1.5ヘクタールのこの庭園では木生シダとソテツが魅力です。
気分最高レインフォレスト遊歩道
この入り口、ちょっと怪しい感じがするのですが、中に入るとシンガポールの中心地にいるということを忘れてしまうくらい素敵な遊歩道が続いていて、たっぷり森林浴が楽しめます。
夜のボタニックガーデンはロマンティック
夜7時頃になると、電灯がともりはじめ、昼間とは全く違った雰囲気。気温も下がり時折吹く風がとても心地よく感じられる夜のお散歩は、ひときわ楽しいです。
※Symphony Stage by night
Bukit Timah Entranceブキティマエントランス側
(ボタニックガーデンMRT駅側)
公園に入ると左側に、バオバブの木が7本あります。まるで、木を引っこ抜いて、逆さまに植えて根っこが上にきているかのよう!
※ぼさぼさ頭のようなバオバブの木
エスノボタニー・ガーデン(Ethnobotany Garden)で昔を知る
エスノボタニーって何だろう?って思いますよね。民族植物学を意味しています。どおりで、絵が施された石碑があちこちにあるわけです。これらを見ながら東南アジアの生活に深くかかわっている、レモングラス、サトウキビなどの植物を観察して回るのも勉強になります。
公園内のあちこちの歩道には、このようにボタニックガーデンにある樹々の葉っぱそのもののシェイプが利用されています。味気ないコンクリートの歩道が魅力的なものに。こんなところにも自然を取り入れるとは、ボタニックガーデンのパッションが感じられます。時と共に色が変化し、更に味わいが出てきそうですね。
エコレイク(Eco Lake)のブラックスワン
いつも2羽が一緒に。時々池から上がって芝生をお散歩。毛繕いをする姿が見られます。
食欲が湧くハーブ&スパイスガーデン(Herbs & Spices)
色鮮やかなブーゲンビリアが咲いているエリアの裏にひっそりとあるのが、このハーブ&スパイス。これといった目立ったサインもないので、何度も通り過ぎてしまうほど。
東南アジアの料理に欠かせないライムリーフ、クローブ、ヨモギなどもあります。ちょっと葉っぱを手で触ってから匂いを嗅いでみましょう。食欲が出てくる香りがしますよ。
竹林の中で見つけたとっておき健康スペース
ブーゲンビリアのそばにある竹林の中で、静かに人を待っているかのような佇まい。ただの石畳と思ったら、実はこちらReflexology path リフレクソロジー・パスです。何の気なしニコニコ通り過ぎる強者のおじいさんとは対照的に、筆者は痛さに耐えながら歩きました。何度か往復すると痛みが少なくなります。是非お試しください。
心が落ち着くフォリエッジガーデン(Foliage Garden)
(左の写真)入り口のサインも可愛い
(右の写真)トロピカル・ピッチャー・ポット
様々な形や大きさの葉っぱを楽しむ緑のガーデン。
ジェイコブズ・バラス・チルドレン・ガーデン(Jacobs Ballas Children’s Garden)
Jacobs Ballas Children’s Garden ジェイコブズ・バラス・チルドレン・ガーデンは別ゲートもあるので、タクシーでのアクセスも可能です。たっぷり遊べて楽しそうなエリアがいっぱいありそうですね。
※Water Play エリアはいま閉まっています。
ボタニックガーデンへ行く際は水分補給をしっかり行いましょう!
公園内にはカフェやレストランがゲート近くにあります。また、ガゼボやベンチもあちこちにあるので、休憩を十分に取りながら、一日じっくり時間をかけて散歩を楽しみましょう。
自販機の数は少ないですが、ゲート近くにあります。エビアンの水がS$2、ジュースがS$1と安く販売されています。
◎ボタニックガーデンで出会える生き物たち+
こんな鮮やかな色のトンボにも出会えるかもしれません。
(左の写真)こんな器用なリスにも!
(右の写真)本物かと思ったら彫刻!
どうでしたか?まだ行ってない場所があったのではないでしょうか?常に進化しているボタニックガーデンから目が離せませんね。
国民の憩いの場であり、シンガポールに来るツーリストの訪れたい場所の上位に入る世界最大級のボタニックガーデンで、自分のお気に入りの場所・花・樹を発見してみて下さい。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
ボタニックガーデン 営業時間:5:00-0:00(施設内で営業時間が異なる場合があります) 住所:Singapore Botanic Gardens, 1 Cluny Road, S259569 最寄り駅:Orchard 駅(他あり) 各施設の営業時間一覧 WEBサイト |
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!