【最新版】シンガポールの地下鉄”MRT”完全ガイド!乗り方や料金、電車内での注意、始発と終電、便利なアプリなどご紹介
シンガポールの移動手段として、とても便利なMRT。この記事では、”MRT”について詳しく説明していきます。慣れない電車に乗るのが少し不安な方も、知っておくことで緊張も和らぐはずです!ぜひ、参考にしてみてください。
MRTとは?
シンガポールの電車事情について調べると、TrainやSubwayという単語ではなく、聞いたことのない”MRT”というワードが出てきますよね。「MRTって何?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
「MRT」とは「Mass Rapid Transit(大量高速交通機関)」の略称であり、シンガポールの地下鉄とされています。
路線数・新路線の状況は
こちらはシンガポールのMRTとLRT(Light Rail Transit)の最新の路線図です。
MRTの路線は全部で6つ。上の図の下部にあるように、分かりやすく色分けがされています。
(緑)東西線(East-West Line) (赤)南北線(North-South Line) (紫)東北線(North-East Line) (黄)サークル線(Circle Line) (青)ダウンタウン線(Downtown Line) (茶)トムソンイーストコースト線(Thomson East Coast Line) |
LRTの路線は3つあります。色は灰色で統一されています。このLRTは主要路線から離れた地域や住宅街へのアクセスを便利にするフィーダーサービスとして機能しています。
▪ブキ パンジャン線(Bukit Panjang Line) ▪センカン線(Sengkang Line) ▪プンゴル線(Punggol Line) |
現在、シンガポールではMRTの6路線とLRTの3路線が走っています。MRTのトムソンイーストコースト線の第2期・第3期区間がそれぞれ2021年と2022年に延伸されたことで、MRT路線の駅はいまや140以上にも上り、毎日の乗降人数は300万人を超えています。
トムソン イースト コースト(Thomson East Coast Line)線は、2024年は、第4期区間としてTanjong Rhu、Katong Park、Tanjong Katong、Marine Parade、Marine Terrace、Siglap、Bayshoreの7駅が開通しました。Founder’s Memorial駅もFounder’s Memorial(記念施設)の完成に合わせて開通が発表されました。
さらに、2026年には第5期区間として、Bedok South、Sungei Bedokの2駅が開通予定となっています。全て開通すれば、最北部のWoodlands North駅から南部のMarina Bay駅、ダウンタウン線が乗り入れる東部のSungei Bedok駅まで移動できることになります。毎日約 100 万人の通勤者に利便性がもたらされ、東西線と南北線の混雑が緩和されます。
東北線(North-East Line)は、2024年12月に新しく建設されたPunggol Coast(プンゴルコースト)駅がPunggol駅と接続されました。新しい住宅地やシンガポール工科大学(SIT)の新しいキャンパスへの移動がさらに楽になります。
ダウンタウン線(Downtown Line)は、Expo駅からの延伸工事を行い、2026年にXilin駅と Sungei Bedok 駅の2つの駅を新たに開通する予定です。これによってEast-West LineとThomson-East Coast Lineが接続され、利用者はDowntown LineとThomson-East Coast Line間を簡単に乗り換えることができるようになります。
今日のMRTの路線は200kmにも及びますが、陸上交通庁(LTA)は2030年までにこれを360kmほどにまで拡大しようと計画中です。これまでの相次ぐ延伸工事で乗り換えも便利になり、居住者は移動時間を大幅に短縮できるようになりました。今後もビジネス街や主要駅、自宅までのアクセスがさらに良好になり、陸上交通システムの改良や道路の安全性向上も合わせて大幅に発展が進むと予想されています。
360kmの鉄道網となると、今日の東京や香港などの主要都市よりも長くなり、ロンドンやニューヨークと同等の規模ということになります!
MRTの乗り方・切符の種類
MRTに乗る流れは、非常に簡単です。日本の電車システムと同じように、
乗車券を買う⇨改札を通る⇨電車に乗る
の3ステップです。
しかし、初めて乗る際に少し難しいのが乗車券。以下ではMRTの主な乗車券2種を紹介します。自分のニーズに合った乗車券で、お得に旅をしましょう!
EZ-Linkカード
EZ-Linkカードは、MRTやバスに乗車する際に使えるICカードです。日本のSuicaカードやICOCAカードと同じように、チャージしておけば改札にかざすだけで乗車ができます。
このカードは、MRT駅にあるチケットオフィスやコンセッションカード交換オフィス、セブンイレブンなどといったコンビニエンスストアで購入可能です。
EZ-Linkカードを使用すると、運賃(大人)がS$0.95〜S$2.21と格安の料金で地下鉄やバスに乗ることができます。シンガポールで生活するならば必須です!
▶EZ-Linkカードのチャージ方法や支払い方法など、詳しいことに関してはこちらの記事へ。
▶購入場所についてはこちら。
ツーリストパス(Tourist Pass)
ツーリストパスは旅行者向けに発行されている、交通系ICカードです。カード1枚で電車やバスが乗り放題になっているので、チャージ料金や残高などを気にせず利用することができます。
ツーリストパスは全部で4種類。種類によって乗り放題になる期間や価格などが違ってきます。また。購入できる場所も限られているので、購入前に必ず確認することが必要です。
▶ツーリストパスの料金や違いなど、詳しくはこちらの記事へ。
▶購入場所についてはこちら。
クレジットカードで乗車!?
キャッシュレスが広がるこの時代。シンガポールでは、切符を買わなくてもクレジットカードや電子決済可能なスマートフォンでMRTに乗車することができるのです!(MRTだけでなくバスやLRT公共交通機関でも利用可能。)それがSImplyGoというサービスです。
以下ではSimplyGo利用に必要なカード、便利なアプリを簡単に紹介します。
利用可能なクレジットカード
カード会社:VISA・Mastercard
カードのタイプ:非接触決済(コンタクトレス決済)可能なカード
このマークがあるカードは利用可能です。
使い方
改札でカードをタッチするだけ!
注意: タッチする際に、お財布やカバンをタッチしてしまうと、非接触型決済のカードやスマートフォンを何種類か持っている場合、多重に反応してしまい請求が重なってしまうことがあります! 必ずカードを取り出してタッチしましょう。 |
便利なアプリ
▪VISA・Mastercardのクレジットカードの機能を搭載したApple PayやGoogle Payでも乗車ができます。クレジットカード登録時のタイプが非接触IC型でなくても、スマートフォンにこのアプリのどちらかをインストールし、カードと連携させれば改札を通過できます。
▪SimplyGoを利用する際に便利なアプリがTransitLink SimplyGoです。このアプリは、SimplyGoを利用しているカード情報を登録することで、乗車履歴や運賃の確認、運賃の請求額などを確認することができます。
SimpliyGoでは、クレジットカードだけでなく銀行カードも使用可能です。
▶詳しくはこちら!
🔷シンガポール国外発行のクレジットカードは手数料に注意!? 外国発行のクレジットカードもMRTでの支払いに利用できます。 ただし、ご利用のたびに、運賃支払いに対して1日あたりS$0.60(約64円)の手数料が発生しますので注意してください。 また、それ以外に手数料がかからないか、そのクレジットカードがMRTに対応しているかどうかについての詳細は発行元に問い合わせてください。 |
MRT料金システム
MRTについてだんだんわかってきたところで、もう一つ気になる点は料金制度ですよね。MRTの利用料金ですが、近年のエネルギーや輸入価格の高騰に伴い、2021年と2022年に運賃が2回にわたって値上がりしています。
2024年12月現在、EZ-Linkカードは変更ありませんが、ツーリストパスの種類と購入価格は以下のように定められています。
シンガポールツーリストパス | シンガポールツーリストパス+セントーサエクスプレス バンドル※1) | シンガポールツーリストパス+チャンギ レコメンド バンドル※2) | |
価格 | S$17/S$24/S$29 デポジット込みだとそれぞれにプラスS$10 | S$32 | S$48 |
期間 | 1日/2日/3日 | 3日 | 3日 |
公共交通機関(MRT/LRT/バス) | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
デポジット | S$10 | なし | なし |
※1)シンガポールツーリストパス+セントーサ エクスプレス バンドルを購入すると、セントーサ エクスプレスの入場料が 25% 割引になります。
※2)シンガポールツーリストパスプラスには、1時間の無料ウォーキングツアー、限定版ポストカードセット、チャンギ トラベルコンシェルジュサービスでのS$5割引クレジットが付随しています。
▶詳しくは公式HPでご確認ください。
そんな運賃ですが、子どもや学生の利用、乗る時間帯によっては運賃が割引になる場合もあります!知っておくことで、さらにお得な旅ができるかもしれません。
子ども / 学生料金
MRTでは、基本7歳未満未就学の子どもは運賃が無料になります。しかし、身分を証明するコンセッションカード(Concession Card)というものを取得し、乗車の際に携帯していなければなりません。このカードを持っていないと、7歳未満未就学であっても大人運賃を支払うことになります。(※身長が90cm以下の場合は無条件に運賃無料。)
コンセッションカードは子ども以外に、シンガポールで就学中の学生・障がいを持つ方なども発行することができ、それぞれ決まった運賃で公共交通機関を利用することができます。
カード発行場所は、チケットオフィス。申請の際には、身分証明書(パスポートや学生証)などを忘れずに持って行ってくださいね。
コンセッションカードには何種類かあり、それぞれ申請する条件などが違います。詳しくは、Transit Linkのページを参考にしてください。
早朝割引(Morning Pre-Peak Fares)
この割引は、祝日以外の平日、朝7時45分までに改札に入った乗客に適用される割引システムです。なんと、通常運賃から最大SC50も割引してくれます!少し早く出発することで、ラッシュを避けられ且つ割引が効くとはお得ですよね。時間に余裕があるときに、試してみてはいかがでしょうか。
始発/終電の時間は?
MRTを利用するにあたって、運行が何時から何時まで行われるのか気になりますよね。始発は朝の5時30分から、終電は深夜の12時ごろまでが多いですね。
月曜〜土曜と日祝日とで若干運行時間は異なり、祝日期間中は通常運行時間が延長されます。 列車の運行間隔は、午前7時から午前9時までのピーク時には2〜3分間隔、オフピーク時には約5〜7分間隔です。これだけの時間を運行していれば、お仕事や旅行などで早朝と深夜移動する際も日本とほぼ同じ感覚でできそうです。
※災害・工事などに伴う変更により、実際の運転時刻と異なる場合があります。
運行時間の変更については、 SMRT および SBS Transit のWeb サイトで確認するか、MyTransport アプリ ( iOS | Android ) をダウンロードしてください。
電車内での注意
電車内のルール
シンガポールでも電車内でのルールがあります。場合によっては、罰金などを払うことも…。そうならないためにも、少し予習をしておきましょう!
以下の3点が電車内などに掲示されている代表的な規則です。
▪飲食禁止 MRT車内、MRTの駅構内での飲食が禁止になっています。見つかった際には、S$500の罰金が科せられます。駅構内でも禁止されているため注意が必要です! ▪禁煙 ▪危険物の持ち込み禁止 |
このほか、上記画像にあるドリアン禁止表示を車内で見かけることも。規則は他にもありますが、日本の電車に乗る時のように一般的なエチケットを守っていれば心配する必要はありません。
寒さに注意!
MRTの電車内は常に22~24℃を保つように管理されています。長時間利用する場合には、快適に旅するために、スカーフやパーカーなど羽織れるものを持っていきましょう。
便利なアプリ
Singapore Maps
マップとともに目的地への行き方を4つの交通手段で検索してくれます。乗換案内検索 アプリとは異なり、地図を一緒に見られるという点がとても便利です。
MyTransport.SG
政府が発行しているアプリ。MRTだけでなく他の公共交通機関を使った乗換方法も検索できます。
SMRTConnect
SMRTの電車・バスの交通関連情報のほか、国内の他の公共交通機関の旅行提案をしてくれるモバイルアプリです。
SMRTConnectを使用すると、SMRTの電車やバスの到着情報にリアルタイムでアクセスでき、タクシーの予約オプションに接続することもできます。
Citymapper
シンガポールだけでなく、ロンドンやパリ、東京など世界の主要都市で使用できるアプリです。行きたい場所を入力すると、目的地までのバスや電車での経路、所要時間をチェックできます。グーグルマップと同じに見えますが、現在地から近い乗り換え駅、目的地に近い地下鉄の出口など、詳細情報も表示されます。慣れない土地で迷いやすい方には必須のアプリです。
MRTでシンガポール生活を快適に
新しい土地に来て、慣れない電車を利用することは、すごく緊張し勇気がいりますよね。ですが、そんな緊張も予習をしておけばかなり軽減されるはずです。
昨今は物価高の影響もあるため、MRTをよく利用する方は、事前に目的地と運賃を必ずチェックしておきましょう。気になる方は始発/終電の時間を簡単に調べることができます。便利なアプリなどのサービスも最大限活用し、シンガポールでの生活をもっと快適に楽しんでみませんか。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!