シンガポール出産レポ!妊婦健診から出産まで

妊娠・出産は幸せなことである一方で、少なからず不安も伴います。ましてや異国の地で、となると分からないことも多いですよね。そこで今回は、実際にシンガポールで妊娠・出産生活を過ごした編集部の体験をレポートしたいと思います!

編集部はコロナ禍の2022年春に第二子を出産しました。第一子は日本で出産したため、シンガポールでの出産は初めてとなります。




シンガポールでの病院決め

私は最初からシンガポールで出産することに決めていて、日本へ里帰りする予定はありませんでした。上の子が小学生で、こちらで通っている学校を長期間休ませたくなかったことや、コロナ禍で国の行き来が大変だったことなどが理由です。

出産する病院を選ぶ上で重視したのは、日本語で受診できることと、自宅からの通いやすさです。その両方を満たす病院として、Raffles Japanese Clinicを選びました。

Raffles Japanese Clinic(ラッフルズ ジャパニーズ クリニック)
住所:Raffles Hospital, 585 North Bridge Rd, level 2, 188770
最寄り駅:Bugis駅
診療時間:月〜金 9:00-18:30、土 9:00-13:00
(診療受付時間は診療開始時間15分前より診療終了時間30分前(土曜日は1時間前)まで)
定休日:日・祝
電話番号:6311 1190
WEBサイト

 

シンガポールでの妊婦健診

妊娠初期(0〜15週)

倦怠感や強い眠気から体調の変化を感じ、初めて病院に行ったのは妊娠7週の時でした。健診の頻度は日本と同じで、初期は2週に1度です。エコーや初期血液検査を行いました。出生前診断を受けたのもこの時期です。検査費用は日本より抑えられている印象を受けました。

また、初期の時点で確定することではありませんが、私はシンガポールでは主流となっている無痛分娩で産んでみたいという思いがあったので、その旨も先生に伝えました。

妊娠13週になる頃、初めて4Dエコーで赤ちゃんを見せてもらいました。まだ10cmにもならないほどのサイズでしたがもうしっかり人の形になっていて、小さな手や足を一生懸命動かしている姿をとても愛おしく感じました。


妊娠中期(16〜27週)

ちょうど妊娠中期に差し掛かった頃、担当の先生が数か月間一時帰国をすることになりました。そのため、こちらのクリニックに通っている妊婦さん達は、他の日系クリニックに転院するか、先生が不在の間、提携のローカルクリニック(Raffles Hospital内のRaffles Women’s Centre)で健診をするかの選択を迫られました。

私の場合、他の日系クリニックに転院すると自宅から遠くなってしまいますし、健診の頻度もこの時期は4週に1度で、先生が不在の間の健診の回数も3回程度だったのでそのままRaffles Women’s Centreで健診を継続することにしました。

Raffles Women’s Centreでも健診の内容は特に変わらず、体重・血圧測定や、尿検査、エコーなどを行いました。妊娠20週にはFAS(Fetal Anomaly Scans)と呼ばれる妊娠中期の超音波検査を受けました。通常のエコーとは違い、1時間ほどかけて赤ちゃんの身体の構造や内臓、血流などが正常かどうかをチェックします。特に異常は見つからず、ホッとしました。

ローカルの先生は少し日本語が話せる方で、とても優しく接してくれたので安心して受診できました。しかしながら、受診時は英語でのコミュニケーションは必須になるので、質問したいことを英語でどう説明するかをいつも事前に考えるようにしていました

また、妊娠・出産期によく使う言葉(胎動、無痛分娩、むくみ、つわり、破水、尿検査など)を英語のリストにまとめ、必要な時にすぐ見られるようにしていました。


妊娠後期(28〜39週)

妊娠後期になると、健診の頻度は2週に1度(終盤は毎週)になりました。日本人の先生が戻ってきたので、またRaffles Japanese Clinicでの健診です。

久しぶりの4Dエコーでは赤ちゃんの顔立ちもしっかりしてきて、会えるのがますます楽しみになりました。後期には後期血液検査と糖尿病検査、GBS(B群溶連菌検査)などを行いました。私は検査の結果、貧血気味だったので鉄剤を処方してもらいました。

また、本来は母親学級があったようなのですがコロナ禍で開催されませんでした。私は初めての出産ではなかったのであまり気にしませんでしたが、近い時期に出産をする方と出会う機会がなくなってしまったことは残念に思いました。

シンガポールでは、日系のクリニックに通っている場合でも、提携先のローカル病院で産むことになります。出産が近づく36週目からは再びRaffles Women’s Centreで健診をしました。妊娠中期にお世話になったローカルの先生との再会です。

私は計画無痛分娩の予定でしたので、38週頃に出産予定日を決めました。いよいよ出産が近づいてきて、期待と緊張が募りました。

出産前最後の健診の時には入院の手続きをします。デポジットの支払いが約1万S$と事前に聞いていたので、クレジットカードの限度額の再確認や、念のため、現金を多めに用意するなどして、支払いに滞りが出ないようにしました。


シンガポールでの出産当日の流れ

出産予定日の早朝に病院に着き、まずPCR検査を行いました。陽性の場合は隔離病棟での出産と聞いていたのでドキドキしましたが、無事陰性だったので通常通りの入院となりました。立ち会えるのは夫のみだったので、子どもは友人に預かってもらいました。

こちらの病院はすぐに陣痛促進剤は使わず、膣剤を使って子宮口を柔らかくし、なるべく自然なお産を待つスタイルでした。膣剤を入れてしばらく安静にした後、部屋を歩き回ったりスクワットしたりしてお産が進むよう身体を動かしました。

夕方頃には陣痛促進剤も投入しましたが、それでもお産は進まず。とうとう予定日に生まれないまま日付を跨いでしまいました。

日付が変わった深夜にようやく陣痛がやってきて、痛みが強くなってきた頃に麻酔科の先生を呼び、無痛分娩の麻酔を打ってもらいました。背中を丸めて、背骨と背骨の隙間から麻酔を打ちます。鈍くて強い痛みが走りました。麻酔が効くまで15〜30分ほどかかると言われましたが、5分後くらいには効いてきて、あっという間に陣痛がなくなりました。

無痛分娩に切り替えてからしばらくして破水。無痛分娩では全ての感覚がなくなると思い込んでいたので、破水が分かったことは意外でしたし、その後赤ちゃんが回転しながら下に降りてくる感覚もハッキリと分かり、不思議な体験でした。

痛みが全くないので、子宮口全開になるまで夫と話したり、両親や友人にメールしたり、眠ったりしてリラックスして過ごすことができました

破水してからはとてもスムーズにお産が進み、3時間ほどで元気な赤ちゃんが生まれてきてくれました。無痛のおかげで、赤ちゃんが生まれてきた瞬間をしっかり目に焼き付けることができて、とても感動しました。分娩に立ち会った先生や助産師さん達に何度も”Congratulation!”と言っていただいて嬉しかったです。

第一子は日本で自然分娩で産みましたが、あまりにも痛すぎて精神的にも肉体的にも苦しかったので、今回の無痛分娩は良い意味で驚くことばかりでした。どちらがオススメとは一概には言えませんが、私は無痛分娩にして良かったです。


産後1か月の過ごし方

シンガポールでは普通分娩の場合、2泊3日で退院となります。私は出産前に1泊使ってしまったことや家庭の事情で出産後から2泊するのが難しかったこと、そして体調も良かったので出産後1泊2日で退院しました。

退院日の翌日から、mommies circleという日系の産後ヘルパーサービスを約4週間利用しました。住み込みではなく、朝から夕方まで来ていただくサービスです。サービス期間中は、ヘルパーさんに家族全員分の食事と掃除洗濯などの家事全般、赤ちゃんのお世話をお願いし、私は夜間のお世話に備えてできる限り身体を休めることに専念しました。

サービスを利用して特に良かったのは、家族みんなで栄養満点のおいしい食事を食べられたことです。上の子は小学生で育ち盛りなので、私が産褥期で料理できない間もなるべく手作りのご飯にこだわりたいと思っていたからです。mommies circleを選んだのは、Instagramにヘルパーさん達が作った美味しそうな和食の写真がたくさん載っていたことが決め手の一つでした。

また、上の子には毎日学校のお弁当を用意する必要があったのですが、お弁当用のおかずも作り置きしていただきました。私では作れないような可愛いおかずもあり、上の子はとても喜んでいました。

ヘルパーさんのおかげで自宅での生活はとても助かったのですが、一つ予定外だったのは、産後1か月頻繁に病院に通うことになってしまったことです。シンガポールは日本に比べて黄疸のチェックが厳しいと聞いていましたが、私の赤ちゃんも引っかかり、黄疸治療のために1泊入院したり、退院後も数日に1度は病院に通い黄疸数値のチェックをしました。

それに加えて、赤ちゃんの体重減少やおへそのトラブルでも通院したりと想像以上に病院通いが多く大変でした。シンガポールは日本と違って産後の入院期間が短い分、退院後の赤ちゃんの状態をもっと気を付けて見ておくべきだったと痛感しました。


産後の手続き

無事に赤ちゃんが生まれてホッとしたいところですが、赤ちゃんのパスポートを作り、長期滞在ビザ(DP)を発行するための手続きはタイトなスケジュールで行わなければなりません。

シンガポールから発行してもらえるスペシャルパスの有効期間は42日(延長も可能)となっており、原則この期間内にDP取得まで済ませる必要があります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
日本とは大きく異なるシンガポールで出産後の手続き。出生届は大使館とのやりとり

我が家は夫が基本的に在宅勤務だったことと、私も赤ちゃんの通院などでバタバタしていたため、DP取得のための手続きは夫に進めてもらいました。大使館やMOMに行く必要がある他にも、日本から戸籍謄本を取り寄せたりと、要所要所で待ち時間が出てきてしまうので、早めの対応をするのがベストです。


海外での妊娠・出産もシンガポールなら安心!

私にとって海外での妊娠・出産は初めてのことでしたが、シンガポールの医療水準は日本と同等かそれ以上と言われていますので、医療面での不安はあまりありませんでした。また、日系のクリニックで健診を受けられたのも安心できるポイントでした。出産や入院生活はローカルの病院となりますので、英語が苦手な方は事前に対策しておくとより安心だと思います。

トータルで見ても、シンガポールは安心して出産に臨める環境です。この記事がシンガポールでの妊娠・出産を検討している方の参考になれば幸いです。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。



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この記事を書いた人

SingaLife知りつくし隊

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