ベトナムで活躍する日系企業「SAKUKO VIETNAM」~急成長するベトナム社会のニーズをつかんで成功した日本式ビジネスとは?~
ベトナム国内で、日本製品の販売や日本式サービスを提供し、大きな信頼と実績を持つ日系企業「SAKUKO VIETNAM」。同グループ会長・梁本様にお話をうかがい、ベトナムのニーズや将来を見据えたビジネス展開についてお聞きしました。
ベトナムの未来を担う日系企業!サクコグループとは?
サクコグループは、2011年、日本製のベビー用品の卸売り会社としてベトナムでのビジネスを開始しました。現在は、多種多様な日本製品の販売を行っており、商品数・店舗数・売上はベトナム国内で最大規模を誇ります。
2015年には小売業に進出し、現在はハノイを中心に36店舗まで拡大しています。日本製品を販売するサクコストアの他にも、日本で大人気のシュークリーム専門店のビアードパパ、日本式サービスが好評のサクラホテルも展開しています。
また、今後ベトナムで高まるロジスティクスの需要を見据えて、倉庫業の株式会社エスグローとの合弁会社・S-Grow VietNamも立ち上げ、エスグローの持つ高度な管理技術をベトナムに導入し、発展するベトナム市場に素早く対応しています。
今回は、急成長中のベトナムと共に躍進を続ける日系企業、サクコグループ会長の梁本様にインタビューを行い、サクコグループのご活躍をお聞きしました。
ベトナムで咲かせたい、ビジネスの「花」
梁本様率いるサクコグループは、「安心・安全で信頼できる社会が、よりよい未来を生み出せる」というビジョンを大切にしています。高品質な日本の商品やサービスをベトナムに広げることで、日系企業としてベトナム社会の構築に貢献したいという考えで事業を展開しています。
日本人スタッフはもとより、ベトナム人スタッフの教育を徹底、優秀な若手のベトナム人を起用するなどしてベトナムでの挑戦を続けています。今後も有望な日系企業として、ベトナムでビジネスの可能性を開花させることでしょう。
日本製品はベトナムで大人気!
ベトナムでは日本製品の人気がとても高く、サクコグループが経営するサクコストアでは、顧客の99%がベトナム人。会員はなんと約37万人!食品や雑貨を数多く扱う中、特に人気なのは化粧品や健康食品で、富裕層を中心に売れ行きを伸ばしています。
梁本様:
「例えば化粧品に関しては、以前は資生堂といった有名メーカーのみが売れました。しかし現在は、日本ではまだ知名度が低いメーカーの化粧品も売れるようになりました。それだけ、日本製品や、日本企業への信頼が厚いということ。そのため、ベトナム市場には、まだまだ大きな可能性を感じています。日本の良さを生かして、さらにいろいろなサービスを展開したいと考えています。」
ベトナムでは、今後も日本製品へのニーズが高まっていきそうですね。
日系企業としてさらなる発展を目指す!今後のビジネス
サクコグループは今後に向けたさまざまなビジネスのアイディアをお持ちです。
梁本様:
「現在、多くのグループ会社を持ちビジネスの幅を広げています。ベトナムでの経験を重ねながら、当社も企業としての歴史ができつつあります。2024年には上場予定です。ベトナムに精通したこのノウハウを生かして、今後もジャンルにとらわれないビジネス展開を行っていきたいと考えています。」
ベトナムの文化、食生活、国民性を理解しているサクコグループだからこそ、ベトナムのニーズに答えることができるのですね。日系企業としてベトナムで大きな信頼を得ているサクコグループが、今後展開する予定のビジネスをいくつかご紹介します。
ベトナム人にもさらに親しみやすく!ビアードパパの廉価版ブランド Beret puff |
日本でも大人気のビアードパパのシュークリームは、ベトナムでは1つ30,000ドン(日本円で約150円)のため、ベトナム人にとっては高級スイーツの部類に入るそう。
サクコグループでは、さらなる購入層の獲得のため、1つ20,000ドン(日本円で約100円)の商品を開発し、新たなお店である Beret puffを立ち上げました。ベトナム人にもさらに気軽にシュークリームを楽しんでもらえそうですね。
ベトナムのファミリー層向けレストラン |
ベトナムには、幼い子どもを持つファミリー層が気軽に外食を楽しめるレストランがまだ多くありません。子ども用の座席、子ども向けメニュー、親も落ち着いて食事ができる環境など、まだ改善の余地がたくさんあります。サクコグループでは、この点に注目しました。
安心・安全な日本式サービスを導入すべく、今後は日系の焼肉食べ放題のチェーン店を出店する予定です。
ベトナムの働く女性をサポート!デリバリー専門スーパーマーケット |
ベトナムの女性は結婚後も仕事を続けることがほとんどで、女性就業率はアジアでもトップクラス。そのため、忙しい女性を支えるデリバリー専門のスーパーマーケットを展開する予定です。
専用のアプリで注文し、半径2㎞ごとに設置した倉庫から、注文後わずか15分で自宅に届けられます。ベトナムの働く女性の強い味方になることでしょう。サクコグループは、企業として社会貢献の役割も担っています。
ベトナムへの出張者としての視点から生まれたサクラホテル
出典:サクラホテル
梁本様は2011年よりベトナムでのビジネスを開始しました。
日本とベトナムを行き来する中で感じた、「当時のベトナムでは、安心して過ごせるホテルはなかなか見つかりませんでした。日本とは異なる文化を持つベトナムではトラブルも経験します。そんな中、夜にホテルでホッとしてくつろげたらいいのに、と思いました。そんなホテルがないのなら、作ろうと考えました。」との思いから、2014年、ハノイで日本式サービスを提供するサクラホテルの第1号店(日本大使館前店)が誕生しました。
誕生から現在まで、ハノイを訪れる多くの日本人出張者が利用しています。慣れない海外での仕事に疲れても、サクラホテルに帰って来れば、日本に帰ってきたような安心感を味わえます。現在ベトナム内にある3店舗とも、徒歩圏内に日本人街や日本料理店があり、ホテルの近くで和食や日本文化を味わうこともできます。
SAKURA HOTEL(サクラホテル) 日本大使館前店 住所:16 Lieu Giai, Ba Dinh, Hanoi, Viet Nam アクセス:日本大使館より徒歩5分 タンロン工業団地より車で20分 ノイバイ空港より車で35分 電話番号:+84-24-7106-5678 他店舗: 有(コーザイ店、キンマー店の2店舗) WEBサイト |
日系ホテルならではのおもてなし
サクラホテル内では日本語が通じるため、ベトナムへの出張が初めての方でも安心して滞在できます。ベトナム人スタッフの養成にも力を入れており、日本語だけでなく、日本式サービスを提供できるように指導を行っています。
梁本様:
「当ホテルで働きたいと考える応募者は、もともと日本が好きで関心を持っているベトナム人が中心です。しかし、日本のビジネスホテルがどんなものであるかを知らないベトナム人スタッフもいるため、日本式のホテルに求められるサービスについて、繰り返し説明して指導します。例えば、大浴場のお湯の温度をキープする大切さなど、細部まで伝えています。」
このようなきめ細かな指導が、サクラホテルが日本人に愛される秘訣と言えるでしょう。
さらに、サクラホテルには日本人にとってうれしい設備やサービスがたくさんあります。特に喜ばれているものをご紹介します。
慣れない海外での疲れを癒す!大浴場やサウナ |
特に日本人にとても喜ばれています。宿泊者が利用できるのはもちろんのこと、大浴場のみの利用もできます。キンマー店には、女性用サウナもあります。
ついつい長居してしまうかも?!リラックスルーム |
ゆったりとくつろげるソファがあり、マンガを400冊そろえています。時間を忘れてくつろいでしまいそうですね。
日本のテレビ番組を視聴可能 |
ホテル内では日本のテレビ番組を見ることができ、過去1カ月分、45チャンネルが見放題です。
15種類から選べる朝定食 |
梁本様:
「出張を多く経験されている方は、海外ホテルのビュッフェスタイルの朝食に飽きてしまうという声を聞きました。そんな方々にもぜひおいしい朝食を食べてもらいたいと考え、定食で日本食を提供することにしました。日本からの出張者はもちろんのこと、シンガポールやタイなどの近隣諸国からの日本人出張者の方々にも喜んでいただいています。」
また、出発が早朝のためホテル内で朝食が取れないゲストには、事前の申し込みでお弁当の提供を行っているそうです。海外滞在時でも、朝からしっかりと日本食でパワーをチャージできるのは、日系ホテルならではのありがたいサービスですね。
サクラホテルを舞台にした映画も
2015年に公開された、松坂慶子さん主演の映画「ベトナムの風に吹かれて」は、日本とベトナムの初めての合作映画として制作されました。サクラホテルはスポンサーとなり、劇中にも4回登場しました。
サクコグループからSingaLife読者へのメッセージ
梁本様:
「シンガポールからベトナム出張される際には、日本式サービスが充実しているサクラホテルをぜひご利用ください。安心・安全なサービスをお約束いたします。また、成長を続けるベトナムに精通するサクコグループは、今後も日本が誇るサービスや日本製品を、ベトナム国内、近隣のアジア諸国にビジネス展開したいと考えています。ぜひ、ご期待ください。」
今後も注目!ベトナムでのサクコグループの活躍
取材を通して、世界に誇る日本製品やサービスが、サクコグループのビジネス力によってベトナムで生かされていることを知り、日本人としてうれしく思いました。今後も、海外のニーズを敏感にキャッチしながら、ベトナムでの日系企業の可能生を広げていくサクコグループにぜひ注目しましょう!
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!