オーストラリアの玄米離乳食に基準値を超えるヒ素。シンガポール食品庁が自主回収を指示

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シンガポール食品庁(SFA)は11月3日、オーストラリアから輸入された玄米離乳食から基準値を超えるヒ素が検出されたとし、輸入業者に自主回収(リコール)を指示しました。対象の製品は、ベラミーズオーガニック(BELLAMY’S ORGANIC)のオーガニックブラウンライスパスタスターズ(ORGANIC BROWN RICE PASTA STARS)です。

ヒ素は健康に有害とされていますが、自然環境の中に広く存在する元素で、飲料水や農畜水産物など多様な食品に微量に含まれています。なかでもコメは比較的含有量が多いとされ、特に玄米の外側についているぬかの部分に多く含有されています。日本の農林水産省は、通常の食生活を通じてヒ素が体内に入ることで、健康に悪影響が生じたことを明確に示す国内のデータは現在のところないとしています。

しかし、米規制当局の食品医薬品局(FDA)は2016年、コメを主な原材料とする乳児向けシリアル(ライスシリアル)に含まれる無機ヒ素の含有量を、1キログラム当たり0.1ミリグラム未満に抑えるよう食品メーカーに求めました。無機ヒ素には発がん性があるとされ、欧州連合(EU)でも同じ基準値を導入しています。

一方、シンガポール食品庁は、離乳食に含有されるヒ素の最大許容量を0.1ppm(1ppm=100万分の1)に定めています。同玄米離乳食を抜き取り検査したところ、0.12〜0.3ppmが検出されたとし「乳児が長期にわたり摂取すると、危険なレベルとなる可能性がある」としています。

シンガポール食品庁は、乳児の世話をしている人が同製品を食べて気分が悪くなった場合は、医師の診察を受けるよう呼びかけました。また、同製品を購入した顧客は、購入先に問い合わせて交換することができます。

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SingaLife編集部

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