リー首相 NDP演説 国民団結の重要性強調
リー・シェンロン首相は、ナショナル・デー当日の9日朝、パダンにおいて催されたナショナル・デー・パレード(NDP)に先立ち、国民に向けてメッセージを送りました。
リー首相は「好調な年においてNDPは国の発展を祝い、より良い未来に向かってともに期待を表す機会となっている一方、困難な年にも、苦境を乗り切り、シンガポールをより良い日々に導くわれわれの決意を新たにするため、NDPが開催されている」と述べ、コロナ禍に伴う深刻な経済的課題が今後予想されるなか、今年のNDPを「これまで以上に重要な国としての団結の象徴」と位置づけました。
さらに、リー首相は、「今年のNDPは、助けが必要な人に支援を申し出た大勢の協力者や前線でコロナと闘う人々をたたえる場でもある」として、復職を志願した元医師・看護師など、職域を越え、心の広さを示した多くの人々に敬意を表明。
「こうした献身的な行いを通して、コロナへの対応において大きな違いが生まれている」とつけ加えるとともに、多数の国において、いったん新型コロナウイルスの感染を抑え込んだものの、規制を緩めた結果、感染が急速に再拡大している現状に言及し、このような団結やレジリエンス(強靱さ)が今までになく必要だと訴えました。
経済情勢については、向こう数ヵ月間は廃業、解雇、失業が増え、しばらく厳しい状況が続くと予測。
国民の不安と懸念に理解を示しつつも、過去四半世紀だけでも、複数回に及ぶ経済危機を克服してきた実績を強調し、「長引く可能性はあるが、今回の危機も乗り越えられると確信している」と語りました。
合わせて、マレーシアからの分離・独立を通じて、当時のシンガポール人が力強く成長していった歴史に触れ、「われわれの孫たちに後年、“祖父母の世代は、団結して、互いに犠牲を払い、われわれのために国を築いた”と評してもらえるよう、試練に備えよう」と唱えて、メッセージを締めくくっています。
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SingaLife編集部
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