シンガポールの家事労働者、フェーズ2措置下で休日の無給労働が助長
ストレーツタイムズ紙は5月28日、5月16日から6月13日までの新型コロナウイルス対策フェーズ2期間中に、一部の雇用者が、住み込みで働く家事労働者に賃金を支払うことなく休日労働させていると報じました。
シンガポール人材開発省(MOM)は家事労働者に対し、フェーズ2の期間中の休日は雇用先の家にいるよう促しており、外出せずに休日は家にいるようにと雇用主から伝えられている家事労働者もいます。
29歳のインドネシア人家事労働者は、「家は仕事場でもあるため、外出できないとなると休息を取ることが難しい。休日は3〜4時間家事を終えたあと自分の部屋で休むようにしているが、普段世話をする雇用主の子どもが何度も部屋に入ってくるため休めない。時間外労働に対する賃金も支払われない」と語っています。
47歳のインドネシア人家事労働者も、「休日に雇用主から洗濯と食事の支度を頼まれたが、その分の賃金は支払われなかった」と話しています。
家事労働者がこうした状況に陥るのはフェーズ2期間中が初めてではありません。家事労働者向けの相談窓口を設けるNGOによりますと、2020年のサーキットブレーカー期間中にも、休日に働くよう求められたという相談が25%増加しています。
ただ、家事労働者のニーズに対応する雇用主もなかにはおり、ある雇用主は家事労働者が休日働くことを選択した場合、その分の賃金を支払うことに同意したと話しています。
雇用者は労働基準を守る必要があるとともに、雇用者と労働者の双方が合意に至るまで話し合いを続けることが求められます。
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SingaLife編集部
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