シンガポールでシノバック製ワクチンの投与開始へ。特別供給の24のクリニック限定も、接種希望者からの問い合わせが殺到
シンガポール保健省は6月16日、政府が保有する中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルスワクチンの投与先として、24の民間医療機関を承認したと発表しました。これを受けて、翌17日に接種を希望する人からの問い合わせが殺到したクリニックもありました。
シノバック製のワクチンは、現在シンガポール政府が展開するワクチン接種プログラムに含まれていません。一方で、世界保健機関(WHO)が緊急使用リストに追加したことを受け、保健省は特別アクセスルート(SAR)を通じた接種を認めることを発表していました。
接種にかかる料金は、1回の接種で10〜25Sドルとなっています。
シノバック製のワクチンの投与先として承認されたクリニックは下記から確認できます。
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/annex-a-(1).pdf
保健省によりクリニックのリストの発表が行われた翌日の6月17日、承認を受けたいくつかのクリニックでは数百件にものぼる問い合わせがありました。
Farrer ParkにあるStarMed Specialist CentreのLouis Tan最高経営責任者は、「すでに400件以上のワクチン接種の予約が入っている」と述べました。
Tan氏によると、シノバック製ワクチンを1,000回分発注しており、許可された最大量であるといいます。18日にまず200回分を受け取る予定です。また、ワクチン接種の需要増に対応するために、今後看護師を補充するつもりであるといいます。
クレメンティのWee Healthfirst Medical Clinicでも17日に問い合わせが殺到。Seow Yu Jin院長は「とても忙しかったです。患者さんの中には、残念ながら電話がつながらず、自ら足を運ばなければならない方もいて、クリニックの外まで長蛇の列ができていました。これは本当に予想外でした」と語っています。
クリニックのスタッフは、接種が可能になった時点でクリニックから連絡するため、訪れた人に名前や連絡先といった情報を書き残すようお願いしました。わずか1日で1,000人近くの人がクリニックに連絡先を伝えたそうです。
最初のシノバック製ワクチンの到着は18日を予定しており、「週末にはワクチン接種を始めたいと思っています」と語りました。ワクチン接種のために、クリニックは通常よりも開院時間を延長する予定であるといいます。
保健省は、シノバック製ワクチンの接種は、副反応による重大な健康被害が発生した場合の救済制度である障害資金援助プログラムの対象にはならないと注意を呼びかけています。接種を希望する人は、リスクについて医師と相談する必要があります。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!