シンガポールのホーカーセンター、イースト・コースト・ラグーン・フード・ビレッジで食品廃棄物を発電に試験利用
シンガポールのホーカーセンター、“イースト・コースト・ラグーン・フード・ビレッジ”において11月、食品廃棄物をバイオガスに変換し、発電する試験的取り組みが開始しました。
国家環境庁(NEA)、シンガポール国立大学(NUS)、国立公園局(NParks)が同月17日、共同声明で明らかにしたものです。
同様の取り組みは、マリーナ・ベイ・サンズなど、国内のいくつかのホテルですでに行われていますが、ホーカーセンターとしては国内初の試みだそうです。
“イースト・コースト・ラグーン・フード・ビレッジ”では、ホーカー約60店から、毎日およそ150kgの食品廃棄物を排出。
食品廃棄物を活用することで、店内の公共用携帯電話充電器2台および扇風機30台あまりを稼働するうえで十分な電力を発電できるとのことです。
また、食品廃棄物などのなかに含まれる有機物を分解し、バイオガスのほか、肥料を生成する処理システムにも、発電された電力が利用され、近隣のイースト・コースト・パークで、肥料を活用できることなどが、“イースト・コースト・ラグーン・フード・ビレッジ”が、今回の試験運用の場所に選ばれた理由として挙げられています。
システムの運営・保守は、NUS工学部化学・生物分子工学学科の研究チームが、監督。廃棄物投入機や分別機、粉砕機も導入され、作業の自動化・効率向上も図る方針です。
NEAとNParksは、食品廃棄物などに含まれる有機物を分解する技術について、「一部の国ではすでに、近隣から集められた食品廃棄物を一元処理する施設などで採用されている」としたうえで、「今回の試験運用は、食品廃棄物を排出現場で再利用するソリューションとして、この技術が利用可能かを見極めるものだ」と説明しています。
シンガポール国内で昨年、排出されたごみ全体の約11%占める一方、再利用率はわずか19%にとどまっているという食品廃棄物。“イースト・コースト・ラグーン・フード・ビレッジ”の取り組みの成果が期待されます。
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SingaLife編集部
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