ダイソー、想像以上のグローバル展開。24カ国・地域に2272店舗

元外交官 × エコノミスト 川端 隆史のアジア新機軸

シンガポールを始め、在外邦人の生活に欠かせない存在となっているダイソー。現地の人たちや日本人以外の外国人の来客も多い。

日本の100円に比べると2倍前後の価格帯となっているが、それでも、手頃な価格で豊富な種類、かつ、高い品質のものが入手できることはありがたい。

ダイソーは、想像以上に海外進出をしている。それを感じたのは筆者が2015年にオマーンに渡航したときだ。在留邦人は少ない国であり、中東でもあまり原油を産出しないためか、話題に上ることは少ない(ただし、古き良きアラブの様子を残し、かつ治安も良好な国なので旅行先としてオススメしたい)。

ふと寄ったショッピングモールにダイソーがあり衝撃を受けた。最初は、「偽ダイソー」だと思ったが、店舗に入り商品をみると慣れ親しんだダイソーの製品が並んでおり、流石にこれは偽ではない。調べたところ、2005年にオマーンに進出済みだった。

ダイソーの公式ホームページによると、2021年2月末現在、24の国と地域に2272店舗も展開している。おそらく、グローバル進出に成功した日本企業だと言える。

ダイソーは1972年に家庭用品を商う矢野商店として広島で創業し、77年には大創産業株式会社として法人化した。現在の100円ショップブランドを展開したのは1987年12月からだ。

そして2001年に台湾に海外1号店を出店し、相次いで、韓国、シンガポール、タイ、カナダ、アラブ首長国連邦と先進国と新興国を問わず、高速で店舗を展開した。

海外10か国目はバーレーン、20カ国目はサウジアラビアと他企業が尻込みをするような国にも出店済みだ。そして、同時に物流面でも整備を進めている点が興味深い。あの豊富な品揃えは物流の力無しには成り立たない。そして2018年には国内外で5000店舗を突破する。

ダイソーの創業者で前社長の矢野博丈氏はメディアインタビューでも「ダイソーは潰れる」「一歩先は見えない」といったユニークな発言でも知られている。

その発言とは裏腹に、2018年に新社長に就任した矢野誠二社長のもとでも、イスラエル、ハワイと海外進出を継続している。今後の海外進出はどこに向かっていくのか楽しみな企業だ。

ダイソーの歴史

出所)ダイソー公式ホームページ「会社概要」より一部抜粋して筆者作成



*2022年1月20日脱稿

プロフィール

川端 隆史 かわばたたかし

クロールアソシエイツ・シンガポール シニアバイスプレジデント

外交官×エコノミストの経験を活かし、現地・現場主義にこだわった情報発信が特徴。主な研究テーマは東南アジアや新興国を軸としたマクロ政治経済、財閥ビジネスのグローバル化、医療・ヘルスケア・ビューティー産業、スタートアップエコシステム、ソーシャルメディア事情、危機管理など。

1999年に東京外国語大学東南アジア課程を卒業後、外務省で在マレーシア日本国大使館や国際情報統括官組織等に勤務し、東南アジア情勢の分析を中心に外交実務を担当。2010年、SMBC日興証券に転じ、金融経済調査部ASEAN担当シニアエコノミストとして国内外の機関投資家、事業会社への情報提供に従事。2015年、ユーザベースグループのNewsPicks編集部に参画し、2016年からユーザベースのシンガポール拠点に出向、チーフアジアエコノミスト。2020年12月より現職。共著書に「東南アジア文化事典」(2019年、丸善出版)、「ポスト・マハティール時代のマレーシア-政治と経済はどうかわったか」(2018年、アジア経済研究所)、「東南アジアのイスラーム」(2012年、東京外国語大学出版会)、「マハティール政権下のマレーシア-イスラーム先進国を目指した22年」(2006年、アジア経済研究所)。東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所共同研究員、同志社大学委嘱研究員を兼務。栃木県足利市出身。




この記事を書いた人

SingaLife編集部

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