シンガポール・チャンギ空港 目に見えない障害を持つ旅客に配慮した取り組み開始

シンガポールのチャンギ空港を運営するチャンギ・エアポート・グループ(CAG)は2月2日、認知症、自閉症など目に見えない障害を持つ旅客に配慮した取り組みを開始したことを明らかにしました。

特別支援学校や福祉団体との協力によるものです。

たとえば、CAGが障害者支援団体レインボー・センター・トレーニング&コンサルタンシーとともに作成した空港ガイドは、飛行機旅行の流れを写真や説明文を使ってわかりやすく解説。

チャンギ空港のウェブサイトからダウンロードできるほか、印刷することも、可能です。

また、空港スタッフが、目に見えない障害を抱える人に気づき、より多くの手助けを行えるよう、こうした障害者が首にかけられるネックストラップ付きカードも導入されました。

このほか、CAGは、目に見えない障害を持つ人を支援するうえで、レインボー・センター・トレーニング&コンサルタンシーの協力の下、これまでに現場スタッフ300人以上の研修を実施しています。

研修を受けたスタッフは、“チャンギ・ケア・アンバサダー”として認定され、CAGでは、2022年中にさらに多くのスタッフの研修を行うとのことです。

CAGが進める試みについて、同グループのバイスプレジデント(旅客・地上業務・カスタマーサービス担当)、デーモン・ウォン氏は、「飛行機に乗る際、慣れない場所や手続きを経ることは、障害が外見上、すぐにわからない可能性がある旅客にとって特に、ストレスになりうる」と説明。

「この取り組みは、目に見えない障害を持つ旅客の旅の体験全体の向上を図るものであり、取り組みを通じて、こうした人々にとって、チャンギ空港が、より快適かつアクセスしやすい場所となるよう望む」と語っています。

各種空港ランキング調査で、上位常連のチャンギ空港。よりインクルーシブ(包摂的)な空港を目指すチャンギ空港の挑戦は、世界的なハブ空港としての名声をますます高めることになりそうです。



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SingaLife編集部

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