データ活用、ソフトウェアの開発・販売を手掛けるWingArc1st。シンガポールでの事業や今後のビジョンについてインタビュー!
日本国内トップシェアのBI製品、帳票・文書管理製品を開発するWingArc1stが、東南アジアのスタートアップ企業と投資家、ビジネスパートナーを招くイベントを9月2日に開催しました。
その意気込みを開催前に事前インタビュー。これまでシンガポールで行ってきた事業やスタートアップ向けコンテスト、今後のビジョンについてお話を伺いました。
WingArc1stの会社概要について教えてください
代表取締役 社長執行役員CEO 田中 潤
主に2つの事業に大きく分けてデータエンパワーメント、ソフトウェアインフラを行なっています。
データエンパワーメントでは、大量のデータを管理、意思決定に活用する「BI」製品、ソフトウェアインフラでは、企業に必須の出力、運用の効率を実現する「ビジネスフォームインフラストラクチャー」などのサービスを提供しています。
現在400社以上のパートナー、3万社の顧客数を持つ日本国内トップのシェアであり、製造業や小売業、倉庫・物流業、国、自治体といった幅広い業界において製品を導入し、在庫管理や業務のスピードアップに貢献しています。
シンガポール支社で行ってきたことは?
シンガポールには2014年にWingArc Singapore Pte. Ltd.として現地法人を設立し、東南アジア周辺各国へのIT事業拡大のハブ拠点として事業をスタートしました。海外には最初中国に拠点を構え、中国向けのニーズに合わせ製品を作り独自に販売しています。
海外拠点の日系企業には日本と同じパッケージで展開が可能ですが、ローカル企業にとってはソフトウェアの使い勝手が違うため、仕様を変える必要があります。
東南アジアにおいても市場調査し現地のニーズに応える形でローカル企業にも販売、サービスしていきたいと考えていましたが、東南アジア全域では、一つひとつの国に仕様を変えるのは大変な労力です。そこで何かいい方法はないかと考え、やってみたことがスタートアップを応援するプログラムの実施です。
WingArcアクセラレータプログラムについて
シンガポールは世界でスタートアップ企業が2番目に多いという統計が出ており、新しいビジネスが多く生み出されている国ということから、シンガポールと東南アジアの将来有望な企業に対してデータ利活用技術の開発、強化を行うことを目的としたプログラムを実施することにしました。
このプログラムに参加を希望するスタートアップ企業からの応募を募り、私たちの技術、データの活用をしてもらい、自社ビジネスの拡大を目指してもらう内容です。
2021年から半年毎に実施し、毎回様々な国から100社以上の応募があります。毎回そこから3社ずつ選出し、選ばれたスタートアップ企業はこのプログラムを通じて日本への市場拡大への技術開発のサポートを弊社から受けることができます。
弊社としては、シンガポール、および東南アジアのビジネスに技術を提供することで育成と共に関われ、ローカル企業と共に成長する機会を得ることができる大きなメリットがあると思っております。
WingArc Accelerator Dayイベントについて。また期待していることは?
9月2日のイベントでは、先述したスタートアップ企業への成長を加速するため、投資家、ビジネスパートナーを引き合わせるデータエンパワーメントコミュニティを構築する場として開催しました。
スタートアップ企業に興味を持つ投資家やビジネスパートナーなど参加者はほぼローカルの方で、弊社の競合になる企業も参加していただき、共に戦える成長できる良いカンフル剤となる機会をと思い初めての試みで行ったイベントです。
アクセラレータプログラムのテーマとして掲げる「ウイングアークとその先とともに成長する」とあるように、このイベント自体が新たな協力体制を作り、新しいビジネスモデルを作れたらと考えています。多国籍なシンガポールならではのグローバルな視点にも期待しつつ、お互いにとって有益な場となることを期待しています。
私たちがこれまで3回行ってきたアクセラレータプログラムを通して事業拡大した実績から、弊社の技術がシンガポールのスタートアップ企業にどの程度使用してもらえているかを確認すると共に、今後ともここシンガポールから世界の企業で使用してもらえるよう発展していけることを願っています。
イベント詳細リンク
これから挑戦していくことについて、実現したいビジョンは?
「データはどこの会社にも必ずあり、それを活用したときに価値が生まれるものだ」という考えをベースに、データとテクノロジーで未来をより良くする「データエンパワーメント」に共感してもらえるビジネスパートナー、企業と共にここシンガポールから一緒にやっていきたいと考えています。
「データエンパワメント」とは個人のデータ活用から始まり、チーム・部門単位でのデータ活用、組織、全社共通のシステム整備、顧客、自社製品の再構築、さらには業界・社会問題の解決まで、データを使いこなしていくことで生まれる次なる当たり前を創ることを目指します。
日本は残念ながらIT後進国と世界では言われていますが、WingArcのアクセラレータプログラムや今回の投資家とスタートアップ企業のためのイベントを通して、日本初のグローバルなエコシステムを構築する企業でありたいと思います。
海外のスタートアップ企業からは日本市場に魅力を感じてくれてはいても、言語面や仕様の問題でアプローチが難しいと考えられることが多々あるかと思います。その部分をWingArcのイベントやプログラムを通して、ビジネス戦略やアイディアなども出しながら、一緒に成長しながら長期的視点で応援、サポートしていきます。
面白いことに、こうしたプログラムを実施していると、日本にはないビジネスモデルが出てきたり、逆に日本にはあるのにシンガポールにはないモデルに気づくといったこともあります。お互いの刺激を受けながら成長できるのが本当に価値のあることだと思っています。
また、5月26日にJetroがシンガポール企業庁(EnterpriseSG)と協力覚書を締結し、日本とシンガポール両国のデジタル、イノベーション分野の企業支援を推進し、両国の企業のビジネス展開を支援することに決定しました。
そういった動きのなか、WingArcコミュニティエコシステムの支援にもご協力いただきます。
読者に一言
これまでデータ活用、解析のプロフェッショナル企業として、個人や業務、企業が進化、成長するための可能性を追求し様々なことに取り組んできました。
回転寿司の管理や食品ロスの減少につながるよう分析したり、競技用自転車のスポーツ選手を支えるためのデータ解析、新しい技の開発など、様々な業種や分野でデータ活用を行っています。その幅は広く、エネルギー削減や健康、スポーツまであらゆる課題を解決、発展できるようチャレンジしています。
これからもぜひWingArcのグローバルな活躍を楽しみにしていてください。
参考:https://www.wingarc.com/division/data_empowerment/index.html
WingArc1st(ウイングアーク1st) Singapore Head Office 住所:20 Collyer Quay #23-01, S049319 電話番号:6653 8391 WEBサイト |
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!