シンガポールのオートラムパークでアート巡りしながらArt Porters Gallery へ行こう!
シンガポールの街中を歩くとインスタ映えするストリートアートやパブリックアートを目にすることがあります。今回は知る人ぞ知る素敵な穴場のギャラリー、Art Porters Gallery についてご紹介します。
オートラムパーク駅から続くアートな散歩道
今回ご紹介するArt Porters Gallery(以下アート ポーターズ) へ続く道にはパブリックアートがたくさんあり道中アートを愛でられるようになっています。
オートラムパーク駅は乗り換え駅であるため駅が広く、アート ポーターズ に近い出口は5番と6番と二つあります。今回は6番から行ってみました。
駅構内はすでにアートで溢れています。
6番出口を左に出てDORSETTが見えたら交差点を右に信号を渡ります。
再び大きな交差点が見え、ここを真っ直ぐに信号を渡り、右に曲がるとHDBがあります。
ちなみに、この交差点を左に行くとShake Shackと大きな壁画があります。
先ほどの信号を真っ直ぐに渡った先のHDBにはEverton Parkという小さな公園があります。
ここの見どころは全てが野生の鶏であるということ。親鶏をひよこが追いかけていて、可愛らしい様子をみれました。19時以降は巣に戻ってしまうそうなので、その前までにぜひ行ってみてください!
鶏が多いことから、それを象徴したアート作品も建てられ、建物の中に鶏が住んでいるようになっています。周辺にはこのような作品が他にもあるのでぜひ巡ってみてください。
カラフルなHDBを横目に公園を抜けてまっすぐ行くとNeil Road という通りに着き、公園の先には伝統的なプラナカンな建物が並んでいます。特に有名なものは、NUS Baba House (ババ ハウス)でプラナカン文化に関して博物館のように展示されています。
そして少し進んだ最初の曲がり角を左に曲がると、Spottiswoode Park Roadに入ります。
ここもカラフルな建物を見れるので歩いていて楽しい気分になれます。
通りをもう少し進んだ先にアート ポーターズがみえます。
Art Porters Galleryとは?
アート ポーターズは、Guillaume Levy-Lambert (ギヨーム・レヴィ=ランベール)さんとSean Soh (ショーン・ソー)さんが共同で設立した、実際にアート作品の販売も行っているコマーシャルギャラリーです。東南アジアの現代美術に焦点をあて、ローカルや地域の新鋭アーティストを支援、サポートしていることで知られています。
そしてこちらはプラナカンを象徴する伝統的な建物で、シンガポールで最も趣のあるこの地区の、魅力的なプラナカン様式のショップハウスにあります。
また、アート ポーターズは、アートが人生を変えるユニークな力を持っていると信じており、”Sharing happiness with art”をミッションにしています。
共同設立者ギョームさんに聞くArt Porters Galleryの設立について
ギャラリーの共同設立者の一人であるのGuillaumeさんがアートに関わるきっかけとなったのは、1999年にロサンゼルスのMOCAでRoy Lichtenstein (ロイ・リキテンスタイン)の絵画「Desk Calendar」(1962年)を見たことでした。
それまでは広告や銀行の仕事に携わりあまりアートと関わりがありませんでしたが、これは彼にとって人生を変えるような偶然的な出来事となり、その後人生のパートナーであるMark(マーク)さんとともにMaGMAコレクションを始めました。
そして、もう一人の共同設立者Seanさんに勧められ、”Sharing happiness with art”をミッションに、2014年にアート ポーターズを共に設立。自身もアートコレクターであり、”Life changing experience” から “Shariing happiness with art”という発想がうまれました。
Guillaumeさんの人生を変えるような体験に関してはTEDトークもあるのでぜひご覧ください。
Guillaumeさんの関連リンクはこちら
ギャラリーのミッションに関して
Room 1からRoom 2へ行く秘密の扉に、ギャラリーのミッション・使命がネオンサインで、アートで幸せを分かち合うことを意味する”Sharing happiness with art”が記載されています。
Guillaumeさんは、このミッションのもと、自分にとって意味のある芸術を見つける中で、喜びという同じような深い経験を人々と共有したいと考えています。
Granite corbelsに関して
ギャラリーの入り口を1.5mほど行った先の柱の角に、granite corbelsと呼ばれるプラナカン建物の伝統的なモチーフがあります。
以前、ギャラリーの外観の剥がれた塗装を塗り直そうとした際に、このモチーフに赤と青の色がついていたことに気づき、それが偶然にも当時のアート ポーターズのロゴと似ていたとのこと。この運命的な発見により、granite corbelsは アート ポーターズの新しいロゴになりました。
他の建物にもあるので訪問した際、ぜひ探してみてください。
Art Portersの以前のロゴとGranite corbels(左)
GuillaumeさんとSeanさんの名刺(右)
サービス内容
アート ポーターズは現代美術に焦点を当て、国際的なアーティストと特権的な関係を築き、デッサン、絵画、彫刻、写真、デジタルアニメーションなど様々なメディアで作品を紹介しています。
さらに、様々な企業のアート コンサルティングや、クライアントに合わせてイベントも各種開催しています。このような活動の積み重ねによって認知度が高まり、Art Porters Gallery の取り組みが知られるようになりました。
幅広いアートコレクターを対象としているS.E.A FocusやArt SG(2023年発足)、Art Jakarta、香港など年平均4、5回の地域別のアートフェアなどにも積極的に参加しています。
他にも多くのイベントを開催しています。メルマガに登録して、より詳しい情報や最新情報を受け取ってください。
アート ポーターズの関連リンクはこちら
ギャラリーの様子と展示のご案内
ギャラリーは主に3つあり、Room 1、 Room 2、 63 Spottsの3つです。
Room 1
Room 1は大きな鏡のある部屋で、アーティスト一人での開催やグループ展として利用できます。
<現在開催中の展示> |
Sepand Danesh『In the land of the blind, the one-eyed man is Roy』
2023年 7月8日~8月20日開催
イラン人アーティストのSepand Daneshさんの個展は、片目だけで世界を見ると、奥行きを感じられないという面白いコンセプトを掘り下げています。こちらは、アメリカのポップアーティスト、 Roy Lichtenstein (ロイ・リキテンスタイン)さんの作品に大きく触発されています。
イベント情報
8月10日(木) 17時-20時「SepandさんとGuillaumeさんとのミートアップ」 ご予約:https://bit.ly/meetsepandandguillaume 8月12日(土) 15時-18時「Sepandさんとの午後」 ご予約:https://bit.ly/anafternoonwithsepand |
<開催予定> |
Hazel Lim『a minor parallax』
2023年 9月1日~10月8日開催
こちらの作品は全て紙を折って作られ、折り紙、文章構造、周期表の相互作用を通して色を追求したHazel Limさんによる個展です。
イベント情報
9月2日(土) 15時~18時「オープニングイベント」 ご予約:https://bit.ly/aminorparallax_opening 9月3日(日) 15時~ 「Hazel Limの”Elemental Interludes”に合わせた、Inch Chua(シンガポールのシンガーソングライター)による特別講演」 ご予約:https://bit.ly/elementalinterludes ミートアップイベント(予約不要) 9月:9日、16日、23日、30日 15時~17時 |
Room 2
外からはわからず秘密の部屋のような構造になっており、色々なアーティストの作品が展示されています。
<現在開催中の展示> |
咲 Saki『The New Fairy Tales』
2023年 8月5日~9月10日開催
20歳の若き日本人アーティストである咲さんの初個展であり、伝統的な東洋と西洋のおとぎ話を鮮やかな色を使って現代化し、そのキャラクター達を解放しようとした作品が集まっています。
イベント情報
8月4日(金) 18時~20時「オープニングイベント」 ご予約:https://bit.ly/TheNewFairyTalesOpening |
8月5日(土) 14時-17時「咲さんとのミートアップ」 ご予約:https://bit.ly/meetSaki |
咲さんの関連リンクはこちらから
63 Spotts
ネットワーキングイベントなどのイベントスペースとしての貸し出しもしています。
<現在開催中の展示> |
『FLIPSIDE』 13人のストリートアーティストによるグループ展 Zul Othman(ズル・オスマン) (ZERO)さんが監修 2023年 6月15日~8月13日開催 |
※この展示会後、すぐに建物全体がリノベーション工事に入ります。
こちらは、13人のストリートアーティスト(主にシンガポール人)によるユニークな作品を集めたグループ展です。新しい挑戦として、”1枚のキャンバスに2枚の絵を描く”という意味の「tabula scalata」という形式での作品の表現に挑んだ展示会になります。二方向から違って見える絵画をお楽しみください。
そして実はRoom 2の奥にはさらに1部屋あり、Room 3とも呼ばれています。
もう少し奥に行くとArt Portersの裏扉があり、外にも見ていただきたい作品が…。
壁画家Yip Yew ChongさんとAlex Faceさん
ギャラリーの裏へ抜けると目が寂しそうなウサギの被り物をしたキャラクターのこのような壁画があります。
この壁画はタイの国際的に有名なストリートアーティスト、Alex Faceさんの『Planting the seeds』です。
Alexさんといえばこの”Mardi”と呼ばれるキャラクターで、どれもオッドアイであることが特徴です。ウサギような被り物はご自身のお子さんから発想を得て描かれたそうで、目が寂しそうであることや、服装が伝統的なプラナカンの服装である点も注目。
(この絵は実はYip Yew Chongさんによるもの。猫は共同設立者の亡き猫、トンボはGuillaumeさんの人生のパートナーであるMarkさんとのアートコレクション、MaGMA Collectionの象徴。)
そしてアートポーターズの建物の横の建物にOtah Boyと書かれた扉があります。
実はこれはSeanさんのフードビジネスです。テイクアウトのみですが、伝統的で有名なNyonya Muar Otahを販売しています。お餅のようなデザートや、ハーブや果物をシロップに漬け込んだハーブドリンクもあります。
ちなみにこの建物は国から文化遺産賞を受賞。
Yip Yew Chongさんといえばのこの写真のような壁画が有名です。
この地域にはYipさんの壁画が3つあるのでギャラリーの前後にぜひ訪れてみてください。
日本人にも人気のあるYipさんは、実は初めて個展をArt Porters Galleryで開催しました。
当時はコロナ中にも関わらず、日本人含め多くの方が訪れたそうです。
実は、Yip Yew Chingさんの作品が見れるこのEverton Road や、アート ポーターズのあるSpottiswoode Park Road、NUS Baba HouseのあるNeil Roadなどは、Blair Plain Conservation Area (ブレア プレーン 保護区)と呼ばれる文化遺産保護地区になっています。どれもカラフルなプラナカン建物がおしゃれです。
Everton Road を突き当たりを右に曲がると2つ目の壁画が見えます。Yipさんが初めて描かれた壁画、『Amah (2015年)』になります。
チャイナタウンで育ったYipさんですが今はこの地域に住んでおり、初めての壁画もこの地域でした。
そして同じ建物の横に3つ目の壁画が見えてきます。
ちなみに、先ほどの突き当たりを右に曲がらずEverton Parkという門をくぐると、Everton Food Placeというフードコートがあります。長年通ったArt Porters Galleryのスタッフさんのお気に入りのお店は、Roasted Delightのチキンライスだそうです。
今回紹介した場所以外にも、オートラムパークにはカフェやレストラン、おしゃれなショップ街がたくさんあります。例えば有名なのは、Kampong Bahru Roadで何も買わずとも歩くだけでもカラフルなこの通りに気分がワクワクすること間違いなしです。
ぜひ行ってみてくださいね。
シンガポールには魅力的なアートがたくさん!
オートラムパーク近くにある素敵なギャラリーArt Porters Gallery についてご紹介しました。オートラムパーク駅からギャラリーへ続く道までアートを楽しめること間違いなしです。オーナーのこだわりと遊び心が詰まったギャラリーへぜひ足を運び、プラナカン料理に舌鼓を打つという1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
Art Porters Gallery(アート ポーターズ ギャラリー) 住所:64 Spottiswoode Park Road, S088652 最寄り駅:Outram Park駅 営業時間:火~日 10:30~19:00 定休日:月祝 電話番号:9144 7468 メールアドレス:happiness@artporters.com 料金:無料 WEBサイト linktree |
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife知りつくし隊
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、現地のトレンド情報やライフスタイル情報をお届けします。「知り尽くし隊にこんな情報を取り上げてほしい」各種SNSにてリクエストも随時募集中です!