【大人の社会科見学】
シンガポールで楽しむイベントその294
-シンガポール国立博物館:700年の歴史とデジタルアートの融合-

シンガポール国立博物館(National Museum of Singapore)は、1887年に設立されたシンガポール最古の博物館であり、壮大な歴史を持つ文化の殿堂です。その起源は1823年、ラッフルズ卿の提案に遡ります。ラッフルズ卿が主催した会議で博物館設立のアイデアが採用され、1849年にシンガポール図書館博物館として開館しました。以来、シンガポールの歴史と文化を継続的に展示し続けています。

歴史を感じる展示と建物

シンガポール国立博物館の歴史は、シンガポールそのものの歴史と深く結びついています。シンガポールの日本軍政時代には「昭南博物館」と改称され、戦後はさらなる発展を遂げました。1960年には併設されていた図書館が分離し、博物館は歴史と文化に特化した展示施設として再出発しました。1993年には国家遺産に認定され、市民に愛され続けています。

館内の常設展示「シンガポール ギャラリー」では、ラッフルズ卿のシンガポール開港、戦前の発展、第二次世界大戦中の戦闘や日本による植民地支配、戦後の自治獲得と独立までの歴史を詳しく紹介しています。絵画や写真、映像、実物展示を通じて、シンガポールの過去を生き生きと体験できるよう工夫されています。

また、博物館の建物自体も見どころの一つです。エレガントなネオクラシカル様式の建物と、ガラスや金属を用いたモダニズム様式の増築部分が融合し、新旧の建築様式が絶妙に調和しています。この建物は、シンガポールの建築史における重要なランドマークとなっています。

「Story of the Forest」:デジタルアートの驚き

シンガポール国立博物館で特に注目すべきは、日本のデジタルアート集団チームラボによる常設展示「Story of the Forest」です。この展示は2016年12月10日から開始され、多くの市民や観光客に感動を与えています。

「Story of the Forest」は、シンガポールの動植物がインタラクティブに現れる全長170mの回廊を舞台にしています。展示は、来館者がスマートフォンのアプリをダウンロードすることで、動植物を自分のデバイスに収めることができる仕組みです。これはまるでポケモンGOのような体験を提供し、家に帰ってからも動植物の情報を学ぶことができます。このインスタレーションは、自然とデジタル技術が融合した先進的なアート体験を提供しており、多くの訪問者から高い評価を得ています。

シンガポールの歴史と未来を感じる場所

シンガポール国立博物館は、シンガポールの過去と現在、そして未来を一度に体感できる場所です。シンガポールを訪れる際には、この博物館に足を運び、700年にわたる歴史と最先端のデジタルアートの融合をぜひ体験してみてください。週末のお出かけに、家族や友人とともにシンガポール国立博物館を訪れ、この国の豊かな文化と歴史を深く理解し、楽しむひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

大人の社会科見学 筆者

森山 正明
大人の社会科見学シンガポール版は、シンガポールで生活している方々へ、シンガポールの奥深さを知ってもらいたい思いで活動を始めました。「3カ月も住んでいればシンガポールは飽きてしまう」と巷では言われますが、なかなかどうして、この地ならではの楽しみは、尽きることはありません。

2013年11月からこのサークル活動を始めて約11年。行ったイベントは、200回を超え、その中から読者の方にもシンガポールの文化や習俗について年中行事を軸に紹介をして参ります。
 
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●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。



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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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