【最新!】シンガポールの物価情報を徹底調査!生活費は日本と比べてどう違う?

シンガポールには約36,000人(2021年10月時点)の日本人が住んでいると言われています。その中には、ビジネスで赴任した方だけでなく、日本から移住した方も含まれており、シンガポールは、日本人にとっても人気の高い移住先のひとつになっているようです。

そこで今回は、シンガポールの物価についていろいろ調べてみました。日本と比べてシンガポールの生活費は高いのか?!早速みていきましょう!




1.シンガポールの物価について

 

シンガポールドルと日本円について

ご存じのように、シンガポールの通貨単位は「シンガポールドル」(表記はS$)です。補助通貨単位は「シンガポール・セント」(表記はS¢)です。

紙幣はS$2、5、10、50、100、1000、1万の7種類。硬貨はおもにS¢5、10、20、50、S$1の5種類ですが、2002年に発行が終了した¢1硬貨も、極まれには見ることがあります。

また、2023年3月上旬時点のシンガポールドルと日本円の為替レートは、1シンガポールドルが約101円となっています。


シンガポールの現在の物価状況は?

国民の生活水準を示す指標のひとつに「消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)」というものがありますが、シンガポールの消費者物価指数は上昇を続けています。シンガポール統計局発表のデータで見ても、2023年1月の消費者物価指数は、前年の同じ月と比べて6.6%も上昇しています。

一般的に、国民のお金回りがよくなり、モノを買う人が多くなれば物価は上昇し、反対に、お金回りが悪くなれば、モノを買う人が少なくなり、結果として物価も下降します。

物価の変動が分かる消費者物価指数は「経済の体温計」とも言われるそうです。急激な変動は経済に影響を与えますが、物価が下落し続けるよりは、一定の上昇があった方が経済は安定しそうですね。


 

シンガポールの物価は高い?

東京23区とほぼ同じ面積の国土に、約564万人(2022年6月)が暮らすシンガポールですが「物価が高い」という声をよく耳にします。これは本当でしょうか?

旅行で訪れるのと、実際に生活するのとでは、物価の感じ方も少し違うと思いますが、一般的にシンガポールで暮らす際に割高になると言われるのが「住居費」「教育費」「医療費」「保険料」だそうです。一方で、公共の交通費など、日本に比べて安く済むものもあり、シンガポールでの生活は、すべての物価が高いわけではなさそうです。

東京も物価が高い都市と言われていますが、シンガポールと比較してみるとどうでしょうか?


2.シンガポールの生活事情

シンガポールでこれから生活したいと思っている方、お仕事で赴任する予定がある方など、シンガポールの「暮らしの値段」が気になる方は多いと思います。

そこで、生活に関わりの深い経費の相場について、いろいろ調べてみましたので、参考になさってみてください!


シンガポールの平均賃金

2022年のデータによると、シンガポールにおいて、労働によって得られた月収の中央値は、S$5,070(約512,070円)だそうです。2021年と比較すると8%増となり、これはかなりの伸び率です。また、過去10年にわたり、シンガポールの平均収入は上昇を続けているそうです!

ちなみにこの金額は、CPF(Central Provident Fund:中央積立年金)の額を含んだもの。このCPFというのは、日本の厚生年金制度に似ていますが、シンガポール国民の老後に必要となるお金を、給与から強制的に徴収し、中央年金庁(CPFB: CPF Board)が運用して年金として支給しているものです。

また、シンガポール人材省(MOM)の2021年の統計データによると、40~44歳が収入額のピークで、それ以降は徐々に下がっていく傾向があるそうです。なかなかシビアな数字です。


シンガポールでの生活費

世界の物価や治安についてまとめている「NUMBEO」というサイトによれば、シンガポールで、一家4人で暮らす際の一カ月あたりの生活費は、おおよそS$5,356(約54万1,000円)だそうです。

ここには家賃は含まれていないそうですが、シンガポールは、その国土の狭さから、住宅が密集し、家賃がとても高いと言われており、家賃を加えると、生活費は決して安くはなさそうですね。


シンガポールの住宅事情、家賃の相場

シンガポールは、東京都23区とほぼ同じ面積の国土に人口が密集しているため、実際に生活するためには、住宅問題は最初にクリアすべき関門かもしれません。

住居の形態としては、高層マンションが大半を占めますが、とりわけ有名なのが、HDBと呼ばれる住居です。これは、住宅開発庁(Housing & Development Board)が建設した団地のようなマンションで、シンガポール人の実に8割ほどの人が、HDBに住んでいるとも言われています。


HDBは、購入すると国から補助金が支給されるそうで、その結果、購入して自身の住まいとしたり、大家として貸したりする人も多いようですが、賃貸となると、1カ月あたり、S$1,500~4,500(約15万~45万)ほどかかるようです。HDBは、賃貸であれば外国人も住むことができるのだそうです。

また、主にシンガポール駐在の方が、勤務先から住居として提供されるのがコンドミニアムという形態の住居です。2~3LDKが人気で、家賃もS$3,000~15,000(約30万~152万)と高めです。単身の場合は、コンドミニアムをシェアハウスとして借りる方もいるようです。

住宅費は結構かかりますね。生活費を圧迫しすぎないか、よく検討しましょう!




シンガポールで車の所有にかかる費用

シンガポールでは車が非常に高額だということを聞いたことがある方も多いと思います。車を所有する際にかかる金額は、車両本体価格に加え各種税金その他が加算された額になりますが、その中でも、シンガポールに特徴的で、車を所有することの高額化の大きな要素となっているのが、車を所有する際に必要な権利証明書、通称COE(Certificate of Entitlement)です。

COEは入札で取得する必要があり、取得後は10年間、車両を登録して使用することができます。国土の小さいシンガポールでは、何らかのコントロールがなければすぐに交通渋滞が頻発するような事態になりかねないため、政府はこのCOEの供給量を調節することで、交通量を制御しているのです。

10年間のCOE期間が終了すると、車両登録を抹消するか、または車両カテゴリーに応じたPQP(Prevailing Quota Premium)を支払うことでCOEを更新するかを選択することになります。

車両の登録を抹消する件数が少ないと、新たに供給できるCOEも少なくなるため、近年ではCOEの需要に対する供給の少なさから、COEの更なる高額化が進み、結果として車を所有すること自体が益々高額となっているようです。

例えば、1,600cc未満という条件等を満たす、カテゴリーAと言われる車両の場合、2023年2月のCOEはS$86,000(約869万円)以上。このことからも、シンガポールで車を所有することがいかに高額なのかがわかります。


シンガポールの公共交通機関の相場

シンガポールの交通機関は、主に、電車とバス、タクシーなどがあります。公共サービスとしては、電車(MRT:大量高速輸送機関)、バスのほか、最近では、自転車シェアリングも提供されています。

物価が高いと言われるシンガポールですが、交通手段に関する費用はとてもリーズナブルです。例えば、MRTやバスの初乗り運賃は約100円で、日本の山手線の初乗り運賃が140円、東京都の都営バスの初乗り運賃が210円であることを考えると、これはとても安いですよね!

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シンガポールのローカルフードや、レストランの相場

シンガポールでは、「レストランの食事は割高で、ホーカーやフードコートで食べることができるローカルフードは格安」とよく言われます。レストランの食事では、サービス料に加えて、シンガポールの消費税であるGST(物品サービス税)が加算されることもあり、全体的に値段が高くなってしまうようです。

一方で、ホーカーやフードコートで手軽に楽しむことができるローカルフードは、人気のチキンライスをはじめ、1食1,000円以内でまかなえるものが多く、500円以下のものもまだまだあるので、お財布にはだいぶ優しいですね!

シンガポールには、世界中の名シェフが集い腕をふるうレストランも多く、一方では、庶民の味方のようなローカルフードもあるので、ぜひいろいろと楽しんでみてはいかがでしょうか?


シンガポールのお酒の相場

シンガポールのスーパーなどでお酒を買おうとしたら、割高で驚いたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?シンガポールでは、酒税が高いと言われています。

なんと、お酒に含まれるアルコールの量によって課税額が変わってくるそうで、結果としてワインやカクテルなどは高くなってしまうようです!お得に飲みたい方は、レストランやバーのハッピーアワーを利用したり、スーパーで安い時にまとめ買いするのがいいかもしれませんね。




シンガポールと日本の物価の比較例

それではここで、シンガポールと日本の物価はどれくらい違うのか、一例を挙げてみます。いろいろ差があって面白いですね!

 シンガポール(Sドル)日本(円)
電車(MRT)S$0.99~(約100円~)140円~
(例:山手線初乗り運賃)
タクシーS$3.90(約405円)500円~
バスS$0.99~(約100円~)210円〜(都営バス)
マクドナルド
(ビッグマックセットメニュー)
S$8.65(約874円)750円~
スターバックス(トールラテ)S$6.60(約667円)455円
水(1.5L)S$0.95(約96円)250円〜(国産)
コーラ(500ml)S$1.60(約162円)160円
シンガポール産ビール(320ml/330ml)S$2.95(約298円)400円
日本産ビール(350ml)S$3.56(約360円)200円
タバコ(マルボロ)S$16.60(約1,676円)600円
ガソリン(1L)S$2.70(約273円)146円
(例:東京都内セルフ)
映画鑑賞料S$10~(約1,010円)1,900円
ユニバーサル・スタジオ入場料
(One Day チケット/大人(13歳以上))
S$82(約8,280円) 8,600円
家賃
(都心部の1ベッドルーム/1カ月)
S$3,000
(約303,000円)
約13万円~
(例:東京都港区)

 




3.物価が高いシンガポールへの移住について

イギリスの経済誌「エコノミスト」の調査部門である「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」が毎年発表する「世界の生活費ランキング」によると、2022年、シンガポールは世界で1番生活費が高い国となりました!

このデータは、ニューヨークの生活費を100として、それより高いか低いかでランキングが決まるそうですが、シンガポールはニューヨークと並んで1位となり、ニューヨークと変わらぬ生活費の高さという結果になりました。

それでもシンガポールへの移住に興味をお持ちの方なら、物価の面からだけでなく、さまざまな観点から検討したいですよね?そこで、シンガポールに住むメリットとデメリットをまとめてみます。


メリット

1)国家力や金融機関の信頼度が高い

移住先の政情や経済が不安定だと、やはり心配になりますよね。シンガポールには決して広大な国土があるわけではなく、資源に恵まれているわけでもありませんが、世界でもトップクラスと評される、安定した国家力があります。 

例えば、スイスの国際経営開発研究所(IMD)が毎年発表する「世界競争力ランキング」で、シンガポールは2020年に1位になりました。あるいは、イギリスのコンサルティング会社、ヘンリー・アンド・パートナーズが毎年発表する「世界最強のパスポート2023」では、シンガポールと日本が1位となっています。


また、2022年、1人あたり名目GDPの世界ランキングでは、シンガポールは第6位となり、第28位である日本よりはるかに高い順位となっています。さらに、国家の格付けでよく使われるソブリン格付けリストでも、シンガポールはAAAを保っており、自国通貨の安定性も評価が高く、黒字国家と言えます。


2)税制の優遇があり、資産形成がしやすい

シンガポールでは、日本のように外資の金融商品に対する規制がないので、安全で利回りのよい金融商品を購入することができます。さらに、シンガポール在住者が金融商品や不動産を購入した場合、売買で生じた利益(キャピタルゲイン)に対しては非課税となります。

このほか、住民税や贈与税もありません。また移住者は所得税を納税する義務がありますが、日本より税率は低いため、高額所得者にも税制の優遇が図られています。


3)教育水準が高く、グローバルな環境で子育てができる

シンガポールが、教育に対して熱心な国家であることは有名ですね。OECD(経済協力開発機構)が世界80カ国の15歳の子どもたちに実施する、国際学習到達度調査(PISA)の最新の調査でも、シンガポールが世界一という結果が出ています。

また、11種類の指標でアジア各大学650校を評価している「QSアジア大学ランキング2023」では、シンガポール国立大学(National University of Singapore)が第2位、シンガポールの国立大学のひとつである南洋理工大学(Nanyang Technological University)が第5位となっています。

さらに、多民族国家であるシンガポールでは、英語が公用語のひとつであり、そのほか母語も習得する「二言語教育政策」を採用しています。このため、幼少期から多彩な言語文化に触れることができ、コミュニケーション能力の向上を図ることが可能です。




デメリット

1)物価の差が激しい

1食1,000円以下で食べることのできるローカルフードや、元々低い値段設定の公共交通機関など、安く利用できるものも多くありますが、国土の狭さから生じる家賃の高騰や、高い酒税を反映して輸入酒が高額になるなど、極端に高いものもあります。

長くシンガポールに住むためには、高い住居費を支払えるだけの収入と貯蓄が必要になるので、安いものもうまく利用しつつ、賢く生活することが求められそうですね。



2)国が定めた厳しいルールがある

シンガポールは犯罪率も低く、旅行者にも居住者にも安全な国家と言われています。一方で、さまざまな細かいルールが法律として規定されているものが多く、有名な例では、チューイングガムの国内持込禁止や、MRT内の飲食禁止、深夜の飲酒禁止などがあります。

少し窮屈な気もしますが、こうした厳しいルールのおかげで、シンガポールの安全性が保たれているのかもしれませんね。規律の高い生活が合うか合わないかは、あなた次第?!




4.日本よりシンガポールで安く買えるアイテム

最近では、シンガポールに本店を構えるショップが、日本にも続々とオープンしています。しかし輸送コストもかかるので、やはり日本で購入すると、ものによっては少し割高になりますよね。

ここでは、日本よりシンガポールで買った方がお得と思われるアイテムをいくつかご紹介します!

TWGの紅茶

シンガポール発の高級ティーブランド「TWG」は、今や日本でも、自由が丘や銀座、丸の内などに店舗があります。豊富な種類の紅茶はもちろんのこと、紅茶の茶葉がふんだんに使われたマカロンも大人気です!

定番の「1837 ブラック ティーバッグ(15袋入り)」は、日本では1箱あたり約3,300円ですが、シンガポールでは、S$29(約2,930円)ということで、やはりシンガポールで購入した方がお買い得ですね!


エリップスのヘアオイル

インドネシアから生まれた話題の「エリップス」のヘアオイルをご存じでしょうか?紫外線やドライヤーの熱などでうるおいを失いがちな髪になじませる、カプセルタイプのヘアオイルですが、100均でも売っていて、一気に人気が高まりました!

エリップスのヘアオイルは、髪のお悩みに合わせた配合で、一粒ずつカプセルに入っているので、むだがなく、何よりかわいい!シンガポールのムスタファセンターなどでは、カプセル50個入りの商品が、日本よりだいぶお手頃に手に入り、お土産にも人気です!


ブランド品

シンガポールには、IMM Mallやチャンギ空港の近くにあるChangi City Pointといったアウトレットモールなどがあり、お気に入りのブランド品がリーズナブルに手に入ります!

シンガポールのブランドショッピングの楽しみ方については、関連記事もご参照ください!




5.シンガポールの物価を知って、生活の達人になろう!

今回は、シンガポールの物価について、いろいろとご紹介してきました。いかがでしたでしょうか?

物価が高いと言われるシンガポールですが、すべてが高いわけではなく、なかにはお求めやすい価格で買うことができるものもあります。口コミをチェックしたり、実際に店頭で価格を確かめたりしながら、ぜひ皆さんの肌感覚でシンガポールの物価を知ってみてください!

目指すはシンガポールライフの達人!賢くお金を使い分けていきたいですね。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
●本文中の通貨の記載は、2023年3月上旬のレートを参照しています。


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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