シンガポールの物価情報を徹底調査!生活費は日本と比べて高いのか?

シンガポールには約37,000人(2019年10月時点)の日本人が住んでいると言われています。その中には、ビジネスで赴任した方だけでなく、日本から移住した方も含まれており、シンガポールは、日本人にとっても人気の高い移住先のひとつになっているようです。
そこで今回は、シンガポールの物価についていろいろ調べてみました。日本と比べてシンガポールの生活費は高いのか?!早速みていきましょう!
>シンガポールドルと日本円について
>シンガポールの現在の物価状況は?
>シンガポールの物価は高い?
②シンガポールの生活事情
>シンガポールの平均賃金
>シンガポールでの生活費
>シンガポールの住宅事情、家賃の相場
>シンガポールの公共交通機関の相場
>シンガポールのローカルフードや、レストランの相場
>シンガポールのお酒の相場
>シンガポールと日本の物価の比較例
③物価が高いシンガポールへの移住について
>メリット
>デメリット
④日本よりシンガポールで安く買えるアイテム
>TWGの紅茶
>エリップスのヘアオイル
>ブランド品
⑤シンガポールの物価を知って、生活の達人になろう!
シンガポールの物価について

シンガポールドルと日本円について
ご存じのように、シンガポールの通貨単位は「シンガポールドル」(表記はS$)ですね。補助通貨単位は「シンガポール・セント」(表記はS¢)です。
紙幣はS$2、5、10、50、100、1000、1万の7種類。硬貨はS¢1、5、10、20、50、S$1の6種類です。また、2013年には、5種類の新硬貨が発行されました。
また、2022年4月中旬時点のシンガポールドルと日本円の為替レートは、1シンガポールドルが約92円となっています。
シンガポールの現在の物価状況は?
国民の生活水準を示す指標のひとつに「消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)」というものがありますが、シンガポールの消費者物価指数(CPI)は上昇を続けています。一般的に、国民のお金回りがよくなり、モノを買う人が多くなれば物価は上昇し、反対に、お金回りが悪くなれば、モノを買う人が少なくなり、結果として物価も下降すると言われています。
物価の変動が分かる消費者物価指数は「経済の体温計」とも言われるそうです。急激な変動は経済に影響を与えますが、物価が下落し続けるよりは、一定の上昇があった方が経済は安定しそうですね。
シンガポールの物価は高い?

東京23区とほぼ同じ面積の国土に、約545万人(2021年6月)が暮らすシンガポールですが「物価が高い」という声をよく耳にします。これは本当でしょうか?
旅行で訪れるのと、実際に生活するのとでは、物価の感じ方も少し違うと思いますが、一般的にシンガポールで暮らす際に割高になると言われるのが「住居費」「教育費」「医療費」「保険料」だそうです。一方で、公共の交通費など、日本に比べて安く済むものもあり、シンガポールでの生活は、すべての物価が高いわけではなさそうです。
東京も物価が高い都市と言われていますが、シンガポールと比較してみるとどうでしょうか?
シンガポールの生活事情

シンガポールでこれから生活したいと思っている方、お仕事で赴任する予定がある方など、シンガポールの「暮らしの値段」が気になる方は多いと思います。
そこで、生活に関わりの深い経費の相場について、いろいろ調べてみましたので、参考になさってみてください!
シンガポールの平均賃金
2021年のデータによると、シンガポールにおいて、労働によって得られた月収の中央値は、$4,680(430,560円)だそうです。2020年と比較すると3%増だそうで、実はコロナ前の2019年の金額よりも高いそうです。また、過去10年にわたり、シンガポールの平均収入は上昇を続けているそうです!
ただ、この金額は、実はCPF(Central Provident Fund:中央積立年金)額を含んだもので、実際に得られる月収の中央値は、$4,000(368,000円)だそうです。このCPFというのは、日本の厚生年金制度に似ていますが、シンガポール国民の老後に必要となるお金を、給与から強制的に徴収し、中央年金庁(CPFB: CPF Board)が運用し、年金として支給しています。
また、シンガポール人材省(MOM)の2021年の統計データによると、40~44歳が収入額のピークで、それ以降は徐々に下がっていく傾向があるそうです。なかなかシビアな数字です。
シンガポールでの生活費
世界の物価や治安についてまとめている「NUMBEO」というサイトによれば、シンガポールで、一家4人で暮らす際の一カ月あたりの生活費は、おおよそ$4,935(約45万4,000円)だそうです。
ここには家賃は含まれていないそうですが、シンガポールは、その国土の狭さから、住宅が密集し、家賃がとても高いと言われており、家賃を加えると、生活費は決して安くはなさそうですね。
シンガポールの住宅事情、家賃の相場
シンガポールは、東京都23区とほぼ同じ面積の国土に人口が密集しているため、実際に生活するためには、住宅問題は最初にクリアすべき関門かもしれません。
住居の形態としては、高層マンションが大半を占めますが、とりわけ有名なのが、HDBと呼ばれる住居です。これは、住宅開発庁(Housing & Development Board)が建設した団地のようなマンションで、シンガポール人の実に8割ほどの人が、HDBに住んでいるとも言われています。
HDBは、購入すると国から補助金が支給されるそうで、持ち家所有者も多いようですが、賃貸の場合、1カ月あたり、$2,000~4,500(約18万~41万)ほどかかるようです。賃貸であれば、外国人も住むことができるそうです。
また、主にシンガポール駐在の方が、勤務先から住居として提供されるのがコンドミニアムという形態の住居です。広い間取りが特長で、70平米以下の物件を探すのが難しいほど広いそうです!2~3LDKが人気で、家賃も$3,000~15,000(約28万~140万)と高めです。単身の場合は、コンドミニアムをシェアハウスとして借りる方もいるようです。
住宅費は結構かかりますね。生活費を圧迫しすぎないか、よく検討しましょう!
シンガポールの公共交通機関の相場
シンガポールの交通機関は、主に、電車とバス、タクシーなどがあります。公共サービスとしては、電車(MRT:大量高速輸送機関)、バスのほか、最近では、自転車シェアリングも提供されています。
シンガポールでは物価が高いと言われますが、交通手段に関する費用はとてもリーズナブルです。例えば、MRTやバスの初乗り運賃は約87円とのことで、日本の山手線の初乗り運賃が140円、東京都の都営バスの初乗り運賃が210円であることを考えると、とても安いですよね!
またデジタル化も進んでいて、アプリも充実しています。下記の関連記事もあわせてお読みください!
シンガポールのローカルフードや、レストランの相場
シンガポールでは、「レストランの食事は割高で、ホーカーやフードコートで食べることができるローカルフードは格安」とよく言われます。
レストランでの食事には、サービス料に加えて、シンガポールの消費税であるGST(物品サービス税)が加算されることもあり、全体的に高くなってしまうようです。一方で、ホーカーやフードコートで手軽に楽しむことができるローカルフードは、人気のチキンライスをはじめ、1食1,000円以内でまかなえるので、お財布にはだいぶ優しいですね!
シンガポールには、世界中の名シェフが集い腕をふるうレストランも多く、一方では、庶民の味方のようなローカルフードもあるので、ぜひいろいろと楽しんでみてはいかがでしょうか?
シンガポールのお酒の相場
シンガポールのスーパーなどでお酒を買おうとしたら、割高で驚いたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?シンガポールでは、酒税が高いと言われています。
なんと、お酒に含まれるアルコールの量によって課税額が変わってくるそうで、結果としてワインやカクテルなどは高くなってしまうようです!お得に飲みたい方は、レストランやバーのハッピーアワーを利用したり、スーパーで安い時にまとめ買いするのがいいかもしれませんね。
シンガポールと日本の物価の比較例
それではここで、シンガポールと日本の物価はどれくらい違うのか、一例を挙げてみます。いろいろ差があって面白いですね!
シンガポール(Sドル) | 日本(円) | |
電車(MRT) | $0.95~(約87円~) | 140円~(例:山手線初乗り運賃) |
タクシー | $3.80(約350円) | 420円~ |
バス | $0.95~(約87円~) | 210円~ |
マクドナルド (セットメニュー) | $8.00(約740円) | 550円~ |
スターバックス(トールラテ) | $6.60(約607円) | 455円 |
水(1.5L) | $1.41(約130円) | 250円~(例:国産の水(2L)標準小売価格) |
コーラ/ペプシ(330ml) | $2.04(約188円) | 120円 |
国産ビール(500ml) | $5.04(約464円) | 286円 |
輸入ビール(330ml) | $5.92(約545円) | 290円 |
タバコ(マルボロ) | $14.20(約1,310円) | 600円 |
ガソリン(1L) | $2.55(約235円) | 174円 |
映画鑑賞料 | $10~(約920円) | 1,900円 |
ユニバーサル・スタジオ入場料(One Day チケット/大人(13歳以上)) | $81(約7,400円) | 8,400円 |
家賃(都心部の1ベッドルーム/1カ月) | $2,979(約274,100円) | 約13万円~(例:東京23区内) |
物価が高いシンガポールへの移住について

イギリスの経済誌「エコノミスト」の調査部門である「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」が毎年発表する「世界の生活費ランキング」によると、2021年、シンガポールは世界で2番目に生活費が高い国となりました!
このデータは、ニューヨークの生活費を100として、それより高いか低いかでランキングが決まるそうですが、シンガポールはパリと並んで2位となり、ニューヨークよりも生活費が高い結果になりました。もしシンガポールへの移住に興味をお持ちでしたら、さまざまな観点から検討したいですよね?そこで、シンガポールに住むメリットとデメリットをまとめてみます。
メリット
1)国家力や金融機関の信頼度が高い
移住先の政情や経済が不安定だと、やはり心配になりますよね。シンガポールには決して広大な国土があるわけではなく、資源に恵まれているわけでもありませんが、世界でもトップクラスと評される、安定した国家力があります。
例えば、スイスの国際経営開発研究所(IMD)が毎年発表する「世界競争力ランキング」で、シンガポールは2020年に1位になりました。あるいは、イギリスのコンサルティング会社、ヘンリー・アンド・パートナーズが毎年発表する「世界最強のパスポート2021」では、シンガポールと日本が1位となっています。
また、2020年、1人あたり名目GDPの世界ランキングでは、シンガポールは第7位となり、第24位である日本よりはるかに高い順位となっています。さらに、国家の格付けでよく使われるソブリン格付けリストでも、シンガポールはAAAを保っており、自国通貨の安定性も評価が高く、黒字国家と言えます。
2)税制の優遇があり、資産形成がしやすい
シンガポールでは、日本のように外資の金融商品に対する規制がないので、安全で利回りのよい金融商品を購入することができます。さらにシンガポール在住者が、金融商品や不動産を購入した場合、売買で生じた利益(キャピタルゲイン)に対しては非課税となります。
このほか、住民税や贈与税もありません。また移住者は所得税を納税する義務がありますが、日本より税率は低いため、高額所得者にも税制の優遇が図られています。
3)教育水準が高く、グローバルな環境で子育てができる
シンガポールが、教育に対して熱心な国家であることは有名ですね。OECD(経済協力開発機構)が世界80カ国の15歳の子どもたちに実施する、国際学習到達度調査(PISA)の最新の調査でも、シンガポールが世界一という結果が出ています。
また、11種類の指標でアジア各大学650校を評価している「QSアジア大学ランキング2021」では、シンガポール国立大学(National University of Singapore)が第1位、シンガポールの国立大学のひとつである南洋理工大学(Nanyang Technological University)が第3位となっています。
さらに、多民族国家であるシンガポールでは、英語が公用語のひとつであり、そのほか母語も習得する「二言語教育政策」を採用しています。このため、幼少期から多彩な言語文化に触れることができ、コミュニケーション能力の向上を図ることが可能です。
デメリット
1)物価の差が激しい
シンガポールの国土の狭さから生じる家賃の高騰や、高い酒税を反映して輸入酒が高額になるなど、物価が極端に高いものもあれば、1食1,000円以下で食べることができるローカルフードや、公共交通機関を安く利用できることなど、物価が安いものもあります。
長くシンガポールに住むためには、高い住居費を支払えるだけの収入と貯蓄が必要になり、物価の安いものもうまく利用しつつ、賢く生活することが求められそうですね。
2)国が定めた厳しいルールがある
シンガポールは犯罪率も低く、旅行者にも居住者にも安全な国家と言われています。一方で、さまざまな細かいルールが法律として規定されているものが多く、有名な例では、チューイングガムの国内持込禁止や、MRT内の飲食禁止、深夜の飲酒禁止などがあります。
少し窮屈な気もしますが、こうした厳しいルールのおかげで、シンガポールの安全性が保たれているのかもしれませんね。規律の高い生活が合うか合わないかは、あなた次第?!
日本よりシンガポールで安く買えるアイテム
最近では、シンガポールに本店を構えるショップが、日本にも続々とオープンしています。しかし輸送コストもかかるので、やはり日本で購入すると、ものによっては少し割高になりますよね。
ここでは、日本よりシンガポールで買った方がお得と思われるアイテムをいくつかご紹介します!
TWGの紅茶

シンガポール発の高級ティーブランド「TWG」は、今や日本でも、自由が丘や銀座、丸の内などに店舗があります。豊富な種類の紅茶はもちろんのこと、紅茶の茶葉がふんだんに使われたマカロンも大人気です!
定番の「1837 ブラック ティーバッグ(15袋入り)」は、日本では1箱あたり約2,900円ですが、シンガポールでは、$28(約2,600円)ということで、やはりシンガポールで購入した方がお得ですね!
エリップスのヘアオイル

インドネシアから生まれた話題の「エリップス」のヘアオイルをご存じでしょうか?紫外線やドライヤーの熱などでうるおいを失いがちな髪になじませる、カプセルタイプのヘアオイルですが、100均でも売っていて、一気に人気が高まりました!
エリップスのヘアオイルは、髪のお悩みに合わせた配合で、一粒ずつカプセルに入っているので、むだがなく、何よりかわいい!シンガポールでは、ムスタファセンターで50個入りのカプセルが$8.8(約820円)ほどだそうなので、日本の100均で売っている、1シート100円からすると、だいぶお得ですね!
ブランド品
シンガポールには、IMM Mallやチャンギ空港の近くにあるChangi City Portといったアウトレットモールがあるほか、オーチャードには、免税店「Tギャラリア」もあるので、お気に入りのブランド品をお得に購入できます!
シンガポールのブランドショッピングの楽しみ方については、関連記事もご参照ください!
シンガポールの物価を知って、生活の達人になろう!
今回は、シンガポールの物価について、いろいろとご紹介してきました。いかがでしたでしょうか?
物価が高いと言われるシンガポールですが、すべてが高いわけではなく、なかにはお得に買うことができるものもあります。口コミや、実際に店頭で価格を確かめたりしながら、ぜひ皆さんの肌感覚でシンガポールの物価を知ってみてください!
目指すはシンガポールライフの達人!賢くお金を使い分けていきたいですね。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
●本文中の通貨の記載は、2022年4月中旬のレートを参照しています。

この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!