コミュニティー間の敵意あおる投稿掲載のシンガポールの野党女性議員に厳重注意処分
シンガポール警察は9月17日、社会的バックグラウンドが異なる人たちの間に敵意をあおる投稿をソーシャルメディア上に掲載したとして、野党・労働者党(WP)の女性議員、ライザ・カーン氏(26)を厳重注意処分としました。
警察の声明によると、ライザ氏は2018年2月2日、当地の超教派キリスト教会シティ・ハーベスト・チャーチ(CHC)の関係者らが同教会への巨額献金を流用した事件の判決をめぐり、ソーシャルメディア上において、「シンガポールはマイノリティー(社会的少数派)の人々を容赦なく投獄し、モスクの指導者らにいやがらせ行為を行う一方、5,000万Sドルを着服した不道徳な教会指導者らを赦免している」と主張しました。
同氏はさらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出制限措置「サーキットブレーカー(CB)」期間中の2020年5月17日には、ロバートソン・キーにおいて、安全な距離確保を義務づける規定を無視した外国人7人の姿が監視カメラにとらえられたできごとに言及。
「これが近所のホーカーセンターだったら、警察が数分以内に現場に駆けつけ、検挙していただろう」と記し、「なぜ彼らについては、法律の運用が異なるのだろうか。それは彼らが裕福な中国人や白人だからか。エリート外国人駐在員は法律を犯した外国人労働者と同様に蔑まれないのだろうか」などと疑問を投げかけました。
ライザ氏の投稿をめぐっては、警察が総選挙の運動期間中だった2020年7月4~5日、通報を受け、司法当局と協力の上、捜査を進めた結果、違法行為と結論づけました。
一方、ライザ氏は7月5日、警察への通報を受け、記者会見において、「“配慮に欠けた不適切”な投稿を行ったことを反省している」と述べ、「投稿の意図は、社会の分断ではなく、マイノリティーの懸念に対する意識向上を図るためだった」と説明。
9月17日にも、フェイスブック上において、「私は人生の多くをマイノリティーの支援に費やしてきたが、一部のコミュニティーを傷つける言い方だったかもしれない」と改めて謝罪の意を示しました。
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SingaLife編集部
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