シンガポール政府、刑務所出所者の給与半額を負担。年間約1万人の出所者の就労支援を拡充

シンガポールのジョセフィン・テオ人材開発相は12月4日、自身のフェイスブック上において、刑務所から出所した人の給与の50%を政府が負担するという就労支援の拡充策を示しました。出所した年齢に関係なく50%を政府が負担します。

雇用主が新規採用したシンガポール国民・永住権保有者(PR)に支払う給与の一部(給与全額の50%または25%)を新規採用者の年齢などに応じて、政府が一定期間、負担する制度“Jobs Growth Incentive (JGI)”の一環です。

JGIは、新型コロナウイルス対策の一環として、国民・PRの雇用促進を支援するため、政府が今年8月、導入。5千Sドルを上限に、採用日から12カ月間、政府が新規採用者の給与を部分的に肩代わりします。

刑務所からの出所者については、議会で10月、追加支援を求める声が議員から上がり、ヘン・スイキャット副首相がこれを支持する考えを表明していました。
出所者以外の政府の給与負担率は、40歳以上と障害者が50%、その他の新規採用者は25%となっています。

テオ氏は、毎年、約1万人が刑務所から出所し、再就職など社会復帰するうえで困難に直面している現状に言及するとともに、出所者に理解を示す必要性を強調。

インクルーシブ(包摂的)な雇用慣行を実践し、人生をやり直す機会を出所者に提供するよう雇用者に要請しました。

一方、出所者の社会復帰を支援する団体からは、今回の措置を歓迎すると同時に、出所者のスキル向上・キャリアアップを図る訓練の充実に期待する意見も寄せられています。

出所者の再就職を促すこうした取り組みが、今後の更生につながるよう切に願いたいものです。

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SingaLife編集部

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