シンガポール国内のDV被害サーキットブレーカー期間中に約20%増、背景に在宅時間増加
シンガポール警察は1月21日、2020年の家庭内暴力(DV)の被害統計を発表しました。同年のDV被害届は5135件に上り、このうち1115件が、家庭問題の相談機関などに対応を委託されました。警察が、通年のDV被害件数を公表するのは今回が初めてです。
警察によりますと、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、企業や学校に閉鎖などを求める外出制限措置“サーキットブレーカー”が発動された2020年4月7日~5月6日のDV被害届は、476件に及び、サーキットブレーカー期間前の月平均389件から22%増加しました。以降、DV被害は4月~12月は毎月、前年比で10%増えています。
東部ベドック警察署の視察に際し、記者団の取材に応じたムハマッド・ファイシャル・イブラヒム国務相(内務担当)は、DV増加の一因として、自宅で過ごす時間が長くなっている状況に言及。さらに、DVが、家庭内という人目に触れにくい場所で発生し、被害者の多くが被害を相談するのをためらう実態に触れました。その上で、各関係機関が被害者が被害を訴えやすくするために、長年にわたる啓発活動についても述べました。
ファイシャル氏は、2019年1月にベドック警察署が導入したDV加害者更生支援スキーム、“HT CARES(Home Team Community Assistance and Referral Scheme)”も紹介。これは、警察署に駐在しているソーシャルワーカーが、カウンセリングや金銭面などの支援を適切な機関に依頼する仕組みで、今年中にすべての警察署で採用する方針であることを明らかにしました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響は、医療面にとどまらず、人々の心のうちにも及んでいるようです。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
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