駐在夫、子を育てる-20- 捻出
これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。
「捻出するもの」といえば、お金しかない。これまでに何度か触れているが、モモタ(仮名)を預けている保育園料が月額2000ドル(およそ16万円)もかかるため、その費用を捻出するために、駐在夫家計の支出の見直しに着手している。
削除するにあたって一番に浮上するのが「パパのお酒代」。「ビールの銘柄を変えよう」という提案を妻から受けた。これまで買っていたのはおなじみ「キリンビール」。1箱(24缶)でおよそ72ドルである。それをシンガポールの地場ビール「タイガー」に切り替えることに。タイガーは1箱(24缶)でおよそ43ドル。その差は29ドルで、1缶当たり約1.2ドルの節約となる。ただキリンとタイガーでは1缶当たりの内容量が違うのだ。キリンは350mlなのに対して、タイガーは320ml。つまり容量が少ない分、安いだけという説もある。
次にメスを入れたのは、飲み水だ。ミネラルウォーターの「ボルヴィック」からドリンキングウォーターの「Polar」に切り替えた。ボルヴィックは1本1500mlで1箱(6本)が12ドルで、12本だと24ドル。対する「Polar」は、1本1500mlで1箱(12本)は、およそ9ドル。差額は15ドル。なかなかに大きい金額である。
他にも、量販店「ドンドンドンキ」では、まず値引きコーナーでいいものがないかをチェックしたり、ローカルマーケットの鶏肉店で無料でくれる鶏皮をもらい、晩御飯のおかずを一品増やしたり、といった節約術に取り組んでいる。月額2000ドルの捻出には及ばないものの、ちりも積もればなんとやらである。
そんなある日、妻がトレーニングに通いたいと言い出した。運動を極度に嫌う妻のその発言に驚き「ぜひ行けばいいじゃん」と促した。そして入会した妻。パーソナルトレーニングの金額が3カ月でなんと4500ドル。タイガービールに換算したら何本買えるのか。私が取り組んでいる節約術など「風の前の塵に同じ」だった。ああ、喉乾いた。「Polar」を飲もうっと。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
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