シンガポールの大学を一挙大公開!海外留学は今シンガポールがあつい

実はシンガポールは留学先にとてもおすすめの国です。教育水準も高く、アジアの中でも早くからグローバル化が進み、海外の優秀な学生もその教育の高さから集まっています。実際にどのような大学があり、費用はどんなものなのか?気になるシンガポールの大学情報を見ていきましょう。




シンガポールの基本情報

独立後の経済的発展がめざましく、アジアの中心都市としてあらゆる面で魅力的なシンガポール。観光地としてもアトラクションがたくさんあり人気です。もともと地理的に貿易が盛んな場所であったため、古くから様々な人種が集まり、現在のような多民族国家が形成され、それぞれがお互いの民族を尊重しています。そんなシンガポールの基本情報を見ていきましょう。

首都:シンガポール。シンガポールはそれ全体が首都となる都市国家です。
人口:2021年6月末時点で約545万人(うちシンガポール人・永住者は397万人)東京23区の人口の約半分程。
面積:国土面積は約720㎢。東京23区の面積627.5㎢と同じ程度ですね。
宗教:仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンドゥー教。
公用語:英語、中国語、マレー語、タミール語。




小学校で将来が決まる!?シンガポールの教育制度

2009年リー・シェンロン首相があるスピーチで「シンガポールのような小さな国にとって人材の獲得と育成は生存に関わる問題である」と発言したように人材育成を重要視しているシンガポール。国をあげて人材育成をしているだけにその成果は他の国々と比較すると目を見張るものがあります。シンガポールの教育制度に注目してみましょう。

出典元:MOE



1.プレスクール(Preschool)

7歳以下の子どもは保育園、幼稚園に通います。義務教育ではありませんがシンガポール教育省(MOE=Ministry of Education)のホームページでは「自信をつける、社会性を身につける、読み書き・計算の基礎を身につける」ことができる利点があるとし、推奨しています。

シンガポールの幼児教育セクターの規制・開発当局としての役割を果たす幼児教育発達機構(The Early Childhood Development Agency=ECDA)が、幼稚園とチャイルドケア センターにおける7歳以下の子どもの発達の主要な側面を監督していて、通う施設を探すのもこちらのサイトが非常に役立ちます。

また、シンガポール国民と永住者は国営の幼稚園(MOE Kindergarten)に通うこともできます。教育の第一言語は英語とされており、シンガポールの子ども達は就学前に英語を身につけ始めます。


2.プライマリー(Primary)

シンガポールの6年間の義務教育です。シンガポール国民は特例でホーム スクーリングなどが許される生徒以外は公立学校へ通います。日本と同様に授業料は無料ですが若干の雑費はかかります。4年間の基礎段階(プライマリー1〜4)と2年間のオリエンテーション段階(プライマリー5〜6)で計6年間通います。前半の基礎段階で数学、科学など勉強全般の基礎を学びます。

特筆すべきはシンガポールのバイリンガリズム。英語は第一言語として必須で、入学時に第二母語の選択肢として中国語、マレー語、タミール語を選択することが義務づけられています。その後、後半のオリエンテーション段階の学年では科目ごとにストリーミングされ、最終的に全国的な初等学校卒業試験(Primary School Leaving Examination=PSLE)を受けて卒業となります。


3.セカンダリー(Secondery)

PSLEの結果に基づいて、生徒は3つの異なるコースに振り分けられます。(2021年度の試験から採点基準の改革が行われています)コースによってGCE(General Certificate of Education) (イギリスの教育制度で使用されている大学入学資格)の目指すレベルが違います。

「エクスプレス(Express)」:シンガポール ケンブリッジ大学GCE(General Certificate of Education) Oレベル試験までの4年間のコース。イギリスの大学受験のための資格試験で、Oレベルはオーディナリー(ordinary)、さらに上のレベルが大学進学に必要となるアドヴァンス(Advance)レベルとなっています。

「ノーマル(アカデミック)Normal(Academic)」: GCEの Nレベル試験につながる4年間、またはOレベル試験につながる5年間のコース。会計学などを専門的に学ぶコースになっています。2004年からはこの中でも選抜された生徒はエクスプレスと同様のGCE Oレベルを受ける機会も設けられるようになりました。

「ノーマル(テクニカル)Normal(technical)」: GCEのNレベル試験につながる4年間のコース。必修科目の他に、選択科目としてより技術的な内容の科目を履修し、4年次にN(T)レベルの試験を受けた後、技術教育研究所(ITE)に進学するのが一般的です。

ご参考までに2022年度のPSLE合格率は、98.4%。エクスプレス(Express)コースへの進学者が68.4%、ノーマル(アカデミック)Normal(Academic)コースが18.9%、ノーマル(テクニカル)Normal(technical)へは11.1%でした。評価方法が変更されていっていることから、今年の合格率は過去に比べて少し高かったと言われているそうです。

小学校時点の学力がその後の教育に影響してくるストリーミング制度は2024年から4年間かけて段階的に廃止することが決定されています。全ての科目において高得点をとることが必要だったこれまでの評価方法が、今後は得意科目を伸ばしていくことのできる評価方法に変わります。ストリーミング制度廃止後、セカンダリースクールは、「G1」「G2」「G3」というプログラムが用意され、生徒は科目ごとにこのいずれかのプログラムに分けられることになります。


4.セカンダリー(Secondery)卒業後は?

セカンダリー卒業後は、エクスプレスコースとノーマル(アカデミック)コースの生徒たちは「ポストセカンダリー(Post Secondery)」の大学準備コースへ。このポストセカンダリーにも普通高校やジュニアカレッジなど、複数の教育機関があり複雑です。

ノーマルアカデミックコースの子は就職をしたり、職業訓練学校に通ったり、成績がよければ大学準備コースへの資格試験を取得することができます。ノーマルテクニカルコースへ振り分けられた生徒たちは卒業後技術教育研究所や資格があればノーマル(アカデミック)コースで学習を続けるそうです。


シンガポールの教育レベルは?

国の施策として高い教育水準を保ち、国の経済を発展させてきたシンガポール。それだけに教育レベルはデータで見ても歴然です。

まずはTOEFL®(トーフル)の結果を見てみましょう。(TOEFL®は英語圏の高等教育機関に入学を希望する学生のためのテストです。英語で学ぶための英語力が問われます。)

シンガポールの平均スコアはそれぞれ30点満点中以下の通り。(TOEFL®&iBTTest and Score Data Summary 2021)

Reading 24 Listening 25 Speaking 24 Writing 24

どのセクションでもこちらのスコアだと申し分のないTOEFLの最高レベルであるAdvancedレベルに達しています。さすが幼少期から学校で使用されているだけありますね。

そして次はPISA。PISAとはOECD(経済協力開発機構加盟国)によって15歳児を対象に3年ごとに実施される、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの学習到達度調査です。2021年度はコロナで延期されたため、直近の2018年の結果となります。シンガポールは全ての項目において中国に次いで第2位。その前の2015年度は第1位に輝いていました。

更にアジアにある各大学650校を11種類の指標から評価しているランキングでも、シンガポールの大学は著しい結果を残しています。

詳しくはこちら


シンガポールの大学入学と卒業時期は?

シンガポールの大学入学と卒業時期は大学ごとに異なります。例えばシンガポール国立大学は8月始まり、5月終わりとなっていますが、学部や選択するコースによってもまちまちです。詳細は大学のHPをご覧ください。


シンガポールにある大学の詳細情報


シンガポール国立大学

1905年に設立されたシンガポールの総合大学。「2022年世界大学ランキング」では、世界11位、アジア1位の評価を得ています。アジアをリードする人材を多く排出しています。留学生は100か国以上から来ていて非常に国際色豊かです。

National University of Singapore(シンガポール国立大学)
住所:21 Lower Kent Ridge Road, S119077
電話番号:
学生総数:約30,000人(学士号)
学部:経営学部、コンピューター学部、歯学部、設計・工学部、法学部、医学部、音楽学部、理学部など全16学部。学部ごとにさまざまな学科あり。
WEBサイト



南洋理工大学

1991年に設立されたシンガポールの国立大学。アジアランキングNO.1の工学大学として優秀な人材を輩出しており、シンガポール教育省(MOE)からの研究助成金も多く獲得しています。

Nanyang Technological University(南洋理工大学)
住所:50 Nayang Avenue, S639798
電話番号:6791 1744
学生総数:約25,000人(学士号)
学部:経営学部、工学部、医学部、教育学部、、理学部、社会学部など
WEBサイト



シンガポール マネージメント大学

2000年に設立された経営大学。変化の多い時代に対応できるリーダーや起業家を排出することを目的とし、シンガポール政府が出資して作られた少人数制の大学です。

Singapore Management University(シンガポールマネジメント大学)
住所:81 Victoria Street, S188065
電話番号:6828 0100
学生総数:約10,000人(学士号)
学部:会計学部、経営学部、経済学部、情報システム学部、法学部、社会学部
WEBサイト



シンガポール工科デザイン大学

2012年に設立された、最も新しい理系の国立大学です。協力協定を結んだテクノロジーの分野で高い評価を受ける、アメリカのマサチューセッツ工科大学を参考に考えた独自カリキュラムを採用しており、

Singapore University of Technology and Design(シンガポール工科デザイン大学)
住所:8 Somaph Road, S487372
電話番号:6303 6600
学生総数:公開なし
学部:コンピュータサイエンス・デザイン学部(CSD)、エンジニアリング製品開発学部(EPD)、エンジニアリングシステム・デザイン学部(ESD)、建築・サステナブルデザイン学部(ASD)、デザイン・人工知能学部(DAI)の5つの柱から選択することが可能
WEBサイト

 

ラサール芸術大学

1984年に設立されたLASALLEは、8つのアート&デザインスクールを持ち、現代アートとデザイン教育における30のディプロマ、学部、大学院プログラムを提供しています。

LASALLE College of the Arts(ラサール芸術大学)McNallyキャンパス
住所:1McNally Street, S187940
電話番号:6496 5000
学生総数:約3,000人
学部:音楽学部、美術学部、ミュージカルシアター学部、インテリアデザイン業学部、ファッション学部、プロダクトデザイン学部、デザインコミュニケーション学部、アニメーション学部など
WEBサイト

 

南洋芸術アカデミー

1938年に設立された、シンガポールの美大のトップを牽引する大学。世界でも知名度のある公立大学です。イギリスの大学との提携プログラムや短期留学プログラムなどもあります。

Nanyang Academy of Fine Arts(南洋芸術アカデミー)
住所:80 Bencoolen Street, S189655
電話番号:6512 4071
学部:空間デザイン、ファッション、3Dデザイン実習、アートマネジメント、デザイン&メディア、ファッションマーケティング、ファインアート実習、美術、インテリアデザイン、音楽、ミュージカルシアター、プロダクトデザインなど
WEBサイト

 

シンガポール社会科学大学

2005年 シンガポール教育省より、社会人向けの私立大学であるSIM大学(UniSIM)の設立を認可され、シンガポール初、唯一の社会人向け大学としてスタート。シンガポール初の生涯学習機関として、新卒者、社会人、シルバー人材など、年齢、資格、経験、経歴に関係なく、すべての人に教育を提供するインクルーシブ教育を推進しています。

Singapore University of Social Sciences(シンガポール社会科学大学)
住所:463 Clementi Road Block C, S599494
電話番号:6248 9777
学生総数:17,000人
学部:人文・行動科学学部、ビジネス学部、人間発達学部、法学部、科学技術学部の学部から約200種類のコースを選択することができます。
WEBサイト

 

シンガポール工科大学

2009年、より多くのシンガポール人に学位をという施策のもと設立された国立大学です。アメリカやイギリスなど5か国以上の海外の有名大学と提携し、それらの大学で勉強できる留学システムも整っています。ポリテクニック(日本の専門学校のような機関)を卒業した学生が進学先として選ぶことが多く、実践的な授業が多いのが特色です。

Singapore Institute of Technology(シンガポール工科大学)
住所:10 Dover Drive, S138683  
電話番号:6592 1189
学生総数:約3,000人
学部:航空宇宙工学、看護学部化学工学部、デザイン・メディア学部、電気・電子工学部、食品工学部、情報・デジタル技術学部、機械工学、など
WEBサイト

 

シンガポールの大学の学費を日本と比較!

まず日本の大学の学費をご覧ください。

 国立大学私立大学(文系)私立大学(理系)私立大学(医歯系学部)
授業料535,800円815,069円1,136074円2,889,894円
入学料282,000円225,651円251,029円1,076,278円
施設設備費148,271円179,159円931,367円
年間合計817,800円1,188,991円1,566,262円4,897,539円

※国立大学の年間合計費用は、大学によって異なる場合があります。
※私立大学の費用は初年度のものとなっています。

そして、シンガポールの大学の学費ですが、国立、私立、そしてそれぞれのコースや学部によっても異なり、一概に日本と比べることができません。代表的な大学のおおよその学費をまとめてみました。

大学名授業料(留学生用)
National University of Singapore(国立)S$17,650(約175万円)/年(コンピューター学部など) – S$66,650(約660万円)/年(医学部など)
Nanyang Technological University(国立)S$17,650(約175万円)/年(ビジネス学部、会計学部など8学部以外) – S$75,550(約750万円/年)(医学部)
Kaplan(私立)S$32,014(約320万円)/コースにつき(経営学部マーケティング学科など)4年生ではなく、2−3年で学位をとるシステム

比較をすると、ほんの少しシンガポールのほうが高いように見えますが、教育水準、教授の給料水準などの差と考えると妥当なのかなという気もします。留学生用にも奨学金制度などがありますのでぜひそちらも調べてみましょう。


海外留学はぜひシンガポールへ!

海外留学を考えている方はアメリカやヨーロッパに目を向けることが多いと思います。しかし、シンガポールを見落としてしまうのはとてももったいない!治安もよく、教育水準が高いことはご存じの通り。今や世界各国から優秀な学生がより良い教育を求めて集まってきています。

もともとが他民族国家な上に、他国からの留学生も加わり、様々な価値観や考え方に囲まれて大学生活を送れるのが魅力的です。いつか世界で活躍をする人たちの出会いの場がたくさんありそうです。また、海外の他大学との提携プログラムや学位取得プログラムも積極的に取り入れていることからも、人気は高まっています。


これからも目が離せないシンガポールの大学!

国をあげての教育施策を行っているシンガポール。幼少期からの教育システムを見るとさすがといわざるを得ません。大学の教育システムも、これからのシンガポール、そして世界を担う人材のプログラムがたくさん考えられており、より質の高い、よりグローバルな環境で自分の専門分野を深めていくことができるようです。時代の流れに合わせてプログラムを進化させたりと常にアジアの最先端をリードしてるシンガポールの大学はこれからも目が離せませんね。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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この記事を書いた人

SingaLife知りつくし隊

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