フォニックスとは?英語力を向上させる魔法の学習法 -Vol.1-

シンガポールで子育てをされている方なら、フォニックスという言葉を耳にされたことがある方も多いのではないのでしょうか。しかし、フォニックスって何なのか、どういうメリットがあるのが、よくご存じない方も多いかもしれません(実は愛媛と岡山育ちの私も、インターナショナルスクールで教えるまではそうでした!)

これから12回に渡り、フォニックス、子どもの英語学習をキーワードにコラムをお届けさせていただきたいと思います。



月刊コラム バックナンバー

気になる方はこちらもチェック!

Vol.2 フォニックスの音をつなげて読んでみよう!子どもの英語力アップに効果的
Vol.3 サイトワーズとひっかけ単語とは?子どもの英語学習にとりいれるポイント
Vol.4 目からウロコのつづりのルール <パート1>
Vol.5 目からウロコのつづりのルール <パート2>
Vol.6 目からウロコのつづりのルール <パート3>
Vol.7 おすすめ!フォニックスアプリ2選
Vol.8 こどもが英語の本を読むときにできる効果的な3つのサポート法
Vol.9 おうちで一緒に読みたい絵本リスト3選
Vol.10 おうちでできる英語ライティングのサポート方法5選
Vol.11 おうちでフォニックスを実践するときのMUSTアイテム

フォニックスとは何か

私たちがひらがな50音から習うように、英語圏の子供達が読み書きを習う前に習得するのが、このフォニックスです。「文字」と「音」の関係を学び、英語の読み書きができるようになるための指導法です。

英語のアルファベットの数は26文字。ここから様々な組み合わせでうみだす45音とそのルールをフォニックス学習では順番に学んでいきます。

基本的な考え方は、アルファベットの「名前」(英語ではletter nameといいます)とは別に、「音」(英語ではletter soundといいます)があるということ。

例えば、sは「エス」というアルファベットの「名前」がありますが、「スー」という「音」があります。ですから、hatという単語を見た時、フォニックスを学んだ子どもたちは、アルファベットの名前ではなく、その音を理解しているので音をつなげて

と言えるようになるのですね!
*本来はカタカナでは表記できないのですが、わかりやすくするためにここで使わせてください

正しいアルファベットの音は、Instagram(Hatの音を動画で詳しく解説しています!)でご確認ください。

学ぶメリットは

私たち大人が日本の学校で英語を学んだ際、単語のスペリング・発音・意味の3つを同時に丸暗記する必要があり、多くの労力をかけました。一方、フォニックスをマスターすると、下記のようなメリットがあります。

1.正しい発音が身につく
2.英単語を見て、どのような発音か予測できる
3.聞いた英単語のスペリングを、予測して書くことができる

今までの経験から、特に上記の2番目のメリットが大きく、「自分で英語が読める!できる!」と自信を持てた子どもは、英語学習にモチベーション高く取り組めています。


学ぶデメリットは

大きなデメリットはないのですが、フォニックスを学ぶ上での注意点は4つあります。

1.例外ももちろんある
一般的にフォニックスのルールで読める単語は、英単語全体の70%くらいと言われています。例えば、you,areなどの単語はよく目にするのですが、ルールに沿っておらず「ひっかけ単語」として暗記をしていく必要があります。

また、mommyのように<o>をuの音で読むのは、大分先にならないと学ばないフォニックスルールで、こういう単語は混乱を避けるために、学びはじめた子どもにはあえて教えないことも重要です。

 2.   アクセントはわからない
母音の数が2個以上あると、基本的にどれかの母音のアクセント。ある程度アクセントのルールはあるものの、フォニックス学習では対応できず、辞書などで調べる必要があります。

3. ルールを理解し、単語を予測してスラスラ読めても、内容を理解していないこともある
小学校低学年の子どもが難しいチャプターブックを読めていることもあるのですが、内容を理解していないこともあり、やはり単語の意味や、文法などを学び、読解力をつけていく必要はあります。

4. 母音の音が複数入った単語は、音節に区切ってリズムで学習
例えば、literallyという母音の音が4つ入っている単語。
フォニックス学習の観点からは、この単語を初めてみたら、lは「ル」、iは「イ」というように、学んだフォニックスのルールで発音を予測できるようになればOKです。また、書くときは、「リ」と聞こえてこれば、lを予測して書けるようになればOKです。

”literally” を正しく読めて書けるように、一つ一つに音を分解して、何度もフォニックスのルールを学ぶ必要はありません。

母音の音が複数入った単語は、何度も一つ一つの音を正しく分けながら、読み書きする練習よりも、音節に区切ってリズムで学習する方が効果的です。もちろんこの際に、フォニックスを最初に学んだ方が、発音が予測でき、楽に単語を習得できます。

以上から、フォニックス学習は単語学習において万能ではなく、フォニックスで学んだ知識を元に知らない単語の発音を「予測して」読める、さらには書けるようになることがゴールと考えてください。

ある程度、フォニックス学習を終えたら、英語圏では「音節(シラブル)」という考えをもとに、母音の数が多い単語を学習していきます。これについては、いずれかのコラムでとりあげますね。


いつからフォニックスを始める?

フォニックス学習をはじめて、最初のゴールは英語の「音」に慣れるということ。シンガポールのローカル幼稚園を含めて、大体3歳くらいから始まります。ただ、この場合は文字をつなげて読める・書けるということよりも、「/s/という音が入っているものは何があるかな」というようにまずは、音に慣れ親しんでいきます。

ただ、早ければ早いほどいいということではなく、ある程度日本語の土台ができた小中学生、さらには大人になっても、「え、こんなルールあったの!?」と新たな感動があります。いつから始めても遅くはありません。いっしょにフォニックスについて学んでいきましょう!

これから12回に渡り、みなさんといっしょにフォニックスや子どもの英語学習について学びを深めていければ嬉しいです。ぜひ、こんな内容をというご要望があれば、メールアドレス(info@ignica.org)までお気軽にご連絡をください。

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小山りさ 
いっしょにフォニックス講座主宰

モルガン・スタンレー証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に新卒入社し、その後 (株)リクルート(現リクルートホールディングス)で人事やCSRを担当。シンガポールでStamford American International Schoolでの小学校副担任業務を経てiGNICA.PTD.LTD.を2017年に起業。

「Ignite children’s curiosity for shaping a better world」をミッションとし、SDGs、Global Cooking、フォニックスを軸に教育事業を展開。
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この記事を書いた人

SingaLife教育HACK

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