子どもの新型コロナウイルスについて ‐気になる疑問を小児科医 伴先生に伺いました‐

コロナ禍になってもうすぐ3年。マスク規制もほとんどなくなったシンガポールで、お子さんの新型コロナウイルス対策を今後どうしていくか悩まれている方も多いのではないでしょうか。改めて今回小児科医の伴英子先生にお話を伺い、新型コロナウイルスの「今」をお届けいたします。

これで良いのか気になる感染予防対策、感染時の症状やワクチン接種に関して、親としてのギモンを先生に率直にお伺いしました。


Q.デルタ株やオミクロン株、これまで様々な新型コロナウイルスの変異株が取り沙汰されてきました。子ども達の感染状況はいかがでしょうか?

A.デルタ株までは、小児感染の報告は比較的少なかった印象です。学校での集団感染も少なく、家庭内感染が一般的でした。しかし、オミクロン株が流行してからは、小児の感染数も多くなっていますね。

小さな子ども達はワクチンを接種していないですし、園での感染者が発生すれば、共同生活をしている以上、感染のリスクは避けられません。

しっかりと石鹸で手を洗い、うがいをするといった基本的な感染対策は徹底していきたいですね。それから、帰宅後のお着替えも忘れずに。


Q.シンガポールでは規制緩和が進み、マスク規制もほぼ撤廃されました。風邪と新型コロナウイルス、そもそも感染の見極め方ってあるのでしょうか?

A.新型コロナウイルスの症状は風邪とよく似ているので、検査なしで判断することは残念ながら医師であっても難しいですね。

当院では、お熱のあるお子さんは事前にART検査をして来院していただくようお願いしています。クリニックには色々な患者様が来院されますので、感染対策上動線を分ける事が必要だからです。新型コロナウイルスに感染したかなと疑う時は、まずART検査をするようにしましょう。


Q. 子どもが新型コロナウイルスに感染し軽症の場合、自宅にある風邪薬を服用し様子を見てもよいものでしょうか?

A.軽症の場合、それでよいと思います。ただし、解熱剤の種類には注意してくださいね。「アセトアミノフェン」成分のものを使用することが望ましいです。「パラセタモール」と呼ばれているものです。

シンガポールでは大人用としてメジャーな解熱鎮痛剤「Panadol」ですが、こちらの子ども用シロップをドラッグストアで簡単に購入することもできます。お子さんにも安心して使用することができますよ。

出典:© GSK group of companies, all rights reserved.


一方、「アスピリン」成分の解熱剤は、稀にウイルス感染症と相性が悪く、脳症を起こしてしまう場合もありますので避ける必要があります。子ども向けのスタンダードな薬を使うように気を付けてくださいね。

【子どもが使用できるお薬】
Guardian(ガーディアン)やWatsons(ワトソンズ)で購入できるアセトアミノフェン成分の解熱剤シロップ「Panadol」



Q.軽症だったのに、症状が急変したりすることもあるのでしょうか?

A.新型コロナウイルスに限らず、ウイルス感染は稀に脳症を起こしたり、心筋炎になってしまうこともあります。やはり基礎疾患のあるお子さんの重症化リスクは高くなりますが、脳症はどのお子さんでもなる可能性があることは覚えていてください。

又、オミクロンの流行に伴い熱性けいれんの報告もデルタの流行時より増えているようです。初めて熱性けいれんを起こした場合、「コロナだから」とためらわず、救急車を呼ぶようにしましょう


Q. 子どもが重症化するとどのような症状が出るのでしょうか?

A.世界で報告されている最重症のケースとしては、小児多系統炎症性症候群(MIS-C)が挙げられます。川崎病に似ており、全身の血管に炎症を起こしてしまうものです。

心臓や肺などの臓器障害が起こり、若年者でもICUでの管理が必要になります。日本人の発症の報告もありますがとても少ないようです。


Q.シンガポールでは子どものワクチン接種も推奨されていますが、副反応が心配で、接種を迷っている親御さんも多いと聞きます。子どものワクチン接種後の副反応はどういったものがありますか

A.お子さんのワクチン接種後の副反応としては、発熱やワクチンを打った局所の痛み・腫れ、倦怠感などがあります。大人がワクチンを打った時の副反応と、症状の種類としては似ています。

ただ、子どものワクチン接種後の副反応を調べたアメリカの調査結果(FDA 2021年10月)では、発熱について、1回目接種後が7.9%、2回目接種後では13.4%、局所反応が約50%と報告されています。大人と比べると、副反応は出にくいと言えるでしょう。

現場で患者さん方からお話を聞いている限りでも、副反応は強くなく、発熱もそんなに多くない印象を持っています。


Q.新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるって、もうすぐ3年になります。最後に、読者に向けてひと言メッセージをお願いいたします。

A.シンガポールに赴任するまで、日本の学校で校医をしておりました。規制が厳しかったシンガポールと同様に、日本の子どもたちもまた、学校生活においてお友達との距離を取らなければならなかったり、運動制限や、給食も黙食だったりと、行動が制限され大変な様子を目の当たりにしていました。

ようやく規制が緩和され、子どもたちがこれから伸び伸びと過ごせることを祈っています。

一方で、新型コロナウイルス自体は終息したとは言えず、来院するお子さんもまだまだいらっしゃいます。ワクチン接種の有無にかかわらず、基本的な感染予防を今後もしっかりと続けながら、元気に過ごしていただけたらなと思っています


基本は感染対策!情報を見極めて「正しく予防し、正しく対応」

ここまで新型コロナウイルスに関するお話を小児科医 伴先生にお伺いしました。

私自身3児の母であり、とても勉強になるインタビューでした。親は子どもたちを守る為にも新型コロナウイルスに関する情報を見極め、「正しく予防し、正しく対応」していきたいものですね。伴先生、ありがとうございました。


医師紹介

伴 英子(ばん・えいこ)
専門 小児科医

・聖マリアンナ医科大学卒業
・慶應義塾大学病院小児科(研修医、専修医修了)
・慶應義塾大学保健管理センター、他神奈川県内中核病院等に勤務

・日本小児科学会専門医
・日本小児感染症学会、日本小児アレルギー学会所属



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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!