【大人の社会科見学】
シンガポールで楽しむイベントその323
-熱帯の王様、ドリアンが誘う異文化体験-

インターネットが普及し、世界中の食材が手軽に手に入る現代。しかし、現地で旬の味を堪能することこそ、旅の醍醐味と言えるでしょう。
シンガポールにおいて、まさにその旬の味を代表するのが、南国フルーツの王様「ドリアン」です。その年の気候によって時期は前後しますが、おおよそ6月から7月、長ければ5月頃から8月頃まで、街の至る所でドリアンの芳醇な香りに包まれます。
日本人にとって、ドリアンは馴染み深い果物ではありません。独特な強烈な匂いから苦手意識を持つ方も少なくないでしょう。しかし、シンガポールではドリアンの季節を心待ちにしている人が大勢います。「ドリアンの季節が来た!」という歓喜の声が、街のあちこちで聞こえてくるほどです。私も最初はあの匂いに戸惑いましたが、一度旬のドリアンを味わってからは、その魅力にすっかり取り憑かれてしまいました。
ドリアンは、種類によって直径15cmから30cm、重さは1kgから3kgほど。時には5kgを超えるものもあります。果肉は濃厚で甘く、ねっとりとした舌触りが特徴です。しかし、食べると体が熱くなるため、アルコールや炭酸飲料と一緒に摂取すると健康に影響を及ぼす可能性があると言われています。


マレー語で「とげのある食べ物」を意味するドリアンは、その特異な匂いからマレーシアのホテルや飛行機内への持ち込みが禁止されているほどです。
原産地はマレー半島、ボルネオ、スマトラ島で、その強烈な香りは好き嫌いが分かれるものの、熱狂的なファンも多く「熱帯果樹の王様」と称されることもあります。また、ドリアンはカリウム、ビタミンC、マグネシウム、食物繊維など、栄養豊富な果物としても知られています。
シンガポールにおいて、旬のドリアンを味わうことは特別な体験です。街の至る所でドリアンが山積みになり、人々は思い思いに好みのドリアンを選び、その場で味わいます。
初めてドリアンを口にする方は、まずその強烈な匂いに驚くかもしれません。しかし、旬のドリアンを味わうと、その独特の風味に魅了される人が多いのも事実です。私もその一人で、今ではドリアンの季節が待ち遠しくてなりません。
日本では、幼少期にドリアンを食べるような経験はあまりないため、あの匂いが苦手な方が多いかもしれません。しかし、蜜とチーズを練り合わせたような甘さと、クリームチーズのような舌触りは、まさに異文化体験そのものと言えるでしょう。


生のドリアンに抵抗がある方は、ドリアンフレーバーのアイスクリーム、ムース、クッキーなどから試してみてはいかがでしょうか。ドリアンの風味を活かしたスイーツもまた、格別な味わいです。
時期や地域、食べ合わせなどに注意を払いながら、ぜひドリアンの魅力を味わってほしいと思います。その匂いと風味には賛否両論あるかもしれませんが、一度は試す価値のある果物です。
あの強烈な匂いを受け入れたとき、シンガポールの文化をより深く理解できるかもしれません。ぜひ、熱帯果実の王様からの強烈な体験を受け入れてみてください。きっと忘れられないシンガポール生活の思い出になるはずです。
◆大人の社会科見学 筆者
森山 正明 大人の社会科見学シンガポール版は、シンガポールで生活している方々へ、シンガポールの奥深さを知ってもらいたい思いで活動を始めました。「3か月も住んでいればシンガポールは飽きてしまう」と巷では言われますが、なかなかどうして、この地ならではの楽しみは、尽きることはありません。 2013年11月からこのサークル活動を始めて約11年。行ったイベントは、200回を超え、その中から読者の方にもシンガポールの文化や習俗について年中行事を軸に紹介をして参ります。 ●大人の社会科見学の電子書籍版完成! 詳細はこちらから |
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!