シンガポールへの移住方法を教えます!ビザや費用は?メリット・デメリットなども詳しくご紹介!
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海外移住先として、東南アジアの中でも人気の高いシンガポール。そんなシンガポールに住むにはどんな条件が必要?ビザの取得方法、生活費、仕事の探し方など、移住に必要なポイントを詳しく解説します。
シンガポール移住を検討している方はもちろん、「興味はあるけど具体的にどうすればいいの?」という方もぜひチェックしてみてください!
※本記事は2025年2月現在の情報です。就労ビザ規定や内容は随時変更される可能性があります。
シンガポールはどんな国?
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シンガポールは東南アジアにある都市国家で、観光地としてだけでなく移住先としても人気の国です。高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並みと、自然が共存する住みやすい環境が魅力。そんなシンガポールの基本情報をチェックしてみましょう。
シンガポールの基本情報
シンガポールは大小およそ60以上の島からなる島国で、約73㎢の面積に約564万人(2022年時点)が住んでいます。
日本との時差は1時間。公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語の4つで、行政や教育、ビジネスの場では主に英語が使用されています。
シンガポール人および永住権保持者のフルタイム雇用者の平均年収はS$62,364(約700万円/2023年)で、日本の平均年収458万円(2022年、国税庁調べ)よりも高い水準となっています。
シンガポールの生活費はどれくらい?
シンガポールは物価が高いことで知られていますが、日本と比べてどのくらい違うのでしょうか?主な生活費を比較してみました。
シンガポール | 日本 | |
---|---|---|
平均賃金 | ほぼ同等 | |
食費 | 外食・飲酒は高い | 外食・飲酒は比較的安い |
家賃 | 日本よりかなり高い(特に都心部) | シンガポールに比べると安い |
光熱費 | ほぼ同等 | |
交通費 | 安い(MRTやバスが発達している) | 高い(特に都市部の電車やタクシー) |
子育て費用 | 高い(特にインターナショナルスクールは高額) | 公立中心なら比較的安い |
通信費 | ほぼ同等 | |
その他 | ほぼ同等 |
シンガポールは家賃と教育費が特に高いため、移住後の生活費を事前にシミュレーションすることが大切です。特に、住宅エリアによって家賃の差が大きいため、どこに住むかも費用を左右します。
より詳しいシンガポールの生活費については、以下の記事で解説しています!
シンガポール移住に必要なビザの種類と条件
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永住権を持たない外国人がシンガポールで働くためには、就労ビザが必要です。就労ビザの種類、現状についてご説明します。日本人がシンガポールで就労する際、対象となるビザは、以下の5種類です。
【EP/Employment Pass】 |
対象者:専門職、管理職、経営幹部などの高度専門職。
主な条件:
▪最低月額給与:金融業界以外ではS$5,000以上、金融業界ではS$5,500以上。年齢や経験に応じて基準が異なり、例えば45歳以上ではS$10,500が必要です。
▪COMPASSの導入:2023年9月から、ポイント制評価システム「COMPASS」が導入され、個人の能力や企業の基準に基づき、40ポイント以上の取得が求められます。
【S pass】 |
対象者:中技能労働者。
主な条件:
▪最低月額給与:S$3,150以上(年齢に応じて増加し、45歳以上ではS$4,650)。
▪企業の割り当て枠:企業ごとにS Passの割り当て枠が設定されており、雇用主はこの枠内でのみS Passを発行できます。
▪課徴金(Levy):雇用主は、S Pass保有者1人あたり月額S$550の課徴金を支払う必要がありますが、2025年9月1日からはS$650に引き上げられる予定です。
【Work Permit(WP)】 |
対象者:建設、製造、海洋造船、加工、サービス業などの分野で働く低技能労働者。
主な条件:
▪国籍要件:業種ごとに特定の国籍要件が設定されています。
▪給与要件:特に設定されていません。
【Dependant’s Pass(DP)】 |
対象者:EPやS Pass保持者の配偶者および21歳未満の未婚の子ども。
主な条件:
▪EP/S Pass保持者の月収:S$6,000以上。
*注意点:DP保持者がシンガポールで就労する場合、別途EP、S Pass、またはWork Permitの取得が必要です。
【Long-Term Visit Pass(LTVP)】 |
対象者:EPやS Pass保持者の内縁の配偶者、21歳以上の未婚で障害のある子ども、21歳未満の未婚の継子、または両親(EP/S Pass保持者の月収がS$12,000以上の場合)。
有効期間:最長2年で、主ビザ保持者のビザ有効期間に連動します。
ビザの要件や条件は頻繁に変更されるため、最新情報はシンガポール人材開発省(MOM)の公式サイトで確認することをおすすめします。(参考:シンガポール人材開発省(MOM))
シンガポールに移住する7つの方法
シンガポールに移住するためには、長期滞在できるビザを取得することが必須です。申請条件など、詳細についてご紹介します。
1.現地採用で就労ビザを取得する
シンガポールの会社で現地採用され、シンガポールの就労ビザ「EP(Employment Pass)」または「S pass」を取得する方法です。申請には以下の条件があります。また、有効期限があるため、更新が必要です。
【Employment Pass(EP)】 |
▪対象者:専門職、管理職、経営者など(学歴は考慮されますが、大卒は必須条件ではありません)
▪最低月額給与:S$5,000以上(金融業界はS$5,500以上)
▪扶養家族の帯同:月S$6,000(約67万円)以上
▪COMPASSの適用:2023年9月から、ポイント制評価システム「COMPASS」が導入され、個人の能力や企業の基準に基づき、40ポイント以上の取得が求められます。
【S pass】 |
▪学歴:大学、短期大学、専門学校を卒業
▪対象者:中技能労働者
▪最低月額給与:S$3,150以上(2025年9月からS$3,300に引き上げ予定)
▪配偶者や子どもなどの扶養家族の帯同には月S$6,000(約67万円)以上
就労ビザの申請は雇用主(採用先)が行うため、希望者は雇用先企業との書類のやりとりが発生します。申請料は基本的には企業側負担となります。
【Personalized Employment Pass】 |
以下の申請条件を満たす、高額収入者が申請できるビザです。フリーランスやジャーナリストなど、除外条件があります。
▪月額給与がS$22,500(約256万円)以上のEP取得者
2.シンガポールで起業する
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シンガポールで起業する場合や、個人事業主となる場合にも、ビザ取得の可能性があります。
EntrePass |
起業する際に申請できるビザであり、最低月額給与に関する条件はありませんが、起業家、イノベーター、投資家ごとに満たすべき要件があり、事業計画などを提出し、審査を受ける必要があります。
【起業家】 ▪シンガポール政府公認のベンチャーキャピタルまたはビジネスエンジェルから最低S$100,000(約900万円)の資金提供を受けている ▪政府系のインキュベーターまたはアクセラレーターであること ▪ビジネスネットワークと、起業家としての実績があること 【イノベーター】 ▪知的財産を保有していること ▪シンガポールの研究機関と協力していること ▪特定の専門分野での業績があること 【投資家】 以下のいずれかの条件を満たすこと ▪成長力のあるビジネスに投資し、リードしてきた実績 ▪ローカル企業の立ち上げへの投資計画 ▪大企業での上級管理職または役員の経験(最低8年間) |
更新が必要であり、その際、資金や現地雇用人数などについて、基準を満たす必要があります。
Tech Pass |
シンガポール政府が、IT人材誘致のために2021年1月から導入した新しい制度であり、かなり高い要件が求められています。以下の条件のうち2つを満たせば、個人で申請することができます。
▪直近1年間の月額給与がS$20,000(約180万円)以上 ▪評価額または時価総額がUS$5億(約500億円)、または資金調達額がUS$3,000万(約45億円)以上あるテクノロジー企業において、最低5年以上のリーダー職経験があること ▪月間のアクティブユーザーが10万人、または年間収益がUS$1億(約100億円)あるテクノロジー商品の開発において、最低5年以上のリーダー職経験があること |
非常に厳しい条件が課されていますが、取得できた場合は起業、複数の企業での勤務、取締役や顧問への就任ができるなど、自由度の高い就労が可能です。また、要件を満たす場合、さらに2年間の更新を行うことができます。
3.学生ビザを取得する
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シンガポールにある全日制の学校に入学する学生は、Student Passを申請できます。ただし、発行が認められているのは政府認定の学校のみなので、確認が必要です。卒業後に就職し、就労ビザを取得する道もあります。
4.ワークホリデープログラムに参加する
18歳から25歳までの大学生または卒業生は、最長6か月間滞在可能なWork Holiday Passを申請できます。滞在中の就労も認められており、その後の就職により就労ビザへの切り替えも検討できます。
5.シンガポールで働く家族に帯同する
Employment Pass(EP)やS Pass保持者で、月額給与がS$6,000以上の場合、配偶者や21歳未満の未婚の子どもはDependant’s Pass(DP)を申請できます。DP保持者がシンガポールで就労する場合、別途EPやS Passの取得が必要です。
6.永住権を取得する
永住権(Permanent Residence=PR)を取得できれば、シンガポールに無期限で滞在でき、就労の際も別途ビザを取得する必要はありません。
永住権を申請できる条件は、
▪シンガポール国民または永住権(PR)保持者の配偶者または21歳以下の子ども ▪シンガポール国民の両親 ▪就労ビザの保持者 ▪投資家 |
となっていますが、申請しても承認されない場合もあり、日本人がシンガポール国民やPR保有者との結婚以外で永住権を得るのは難易度が高いようです。
7.長期滞在ビザを取得する
LTVP(Long-Term Visit Pass)は、以下の方が申請することができます。
▪シンガポール国民もしくは永住権(PR)保持者の配偶者 ▪シンガポール国民もしくは永住権(PR)保持者の両親 ▪大学や大学院の学生で就職活動をする人 ▪学生ビザ保持者の母親もしくは祖母(父親と祖父が可能かどうかの記載はなし) ▪シンガポールで出産予定の女性 ▪月額給与がS$12,000(約108万円)以上のEPやSpass保持者の両親、内縁の妻、継子、障害のある子ども |
最長2年間の滞在が許可されます。ICA(入国管理局)が発行したLTVPを持っている場合、LOC(同意書)を雇用主に発行してもらえれば、就労も可能です。
シンガポール移住のメリット
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シンガポールは、高い生活水準やビジネス環境の良さから、多くの外国人にとって魅力的な移住先です。特に日本人にとっては、治安の良さや整備されたインフラ、税制の優遇など、さまざまなメリットがあります。ここでは、シンガポールに移住することで得られる主なメリットを紹介します。
治安の良さと整備されたインフラ
シンガポールの治安の良さは世界でもトップクラスと言われています。国民の防犯意識の高さに加え、罰則の厳しさもあり、犯罪件数は少なく抑えられています。
また、地下鉄(MRT)、路線バスが国内を網羅しており、シンガポール内ほとんどのエリアにスムーズにアクセスできます。タクシーも安価で利用しやすく、東京23区とほぼ同じ面積を、充実したインフラ設備がカバーしています。
教育と医療の充実
シンガポールは教育水準が高く、QSアジア大学ランキング(2024年)でシンガポール国立大学が1位に。インターナショナルスクールや日本人学校もあり、子育て環境としても魅力的です。医療面では、日本語対応のクリニックが多く、日本人医師のいる病院も増えています。
日本人にとっての暮らしやすさ
公用語のひとつが英語のため、英語ができれば生活に困ることはありません。また、地震や台風といった自然災害がほぼなく、日本よりも安心して暮らせる環境です。さらに、日本食レストランやフードコートが豊富で、外食文化が発展しており、気軽に食事を楽しめます。
税制優遇措置と資産運用のしやすさ
法人税率は17%と比較的低く、スタートアップ免税制度を利用すれば、会社設立から3年間は課税免除になることも。さらに、売買による利益(キャピタルゲイン)は非課税。そのため、資産運用目的での移住者も多いです。
シンガポールに移住するデメリット
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シンガポールは移住先として多くの魅力がありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。特に物価の高さやビザの取得難易度、多民族国家ならではのルールは、日本とは異なる環境に慣れる必要があります。移住後にギャップを感じないためにも、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。
物価の高さ
特に家賃の高さが目立ちます。国土が狭いため、シンガポール国民の8割はHDB(公団住宅)に住んでいますが、外国人はコンドミニアムが一般的で家賃が高額。HDBの家賃も上昇傾向にあり、住居費は移住後の大きな負担となります。
ビザ取得の難しさ
シンガポールで働くためには就労ビザが必要ですが、その取得条件は年々厳しくなっています。特に、EP(Employment Pass)やS Passの最低給与要件の引き上げ、ポイント制(COMPASS)の導入などにより、以前よりも審査が厳しくなっています。移住を考えている場合は、最新のビザ要件をしっかり確認することが重要です。
多民族国家ならではのルールと文化の違い
シンガポールは中華系、マレー系、インド系を中心とした多民族国家のため、それぞれの文化や宗教を尊重する姿勢が求められます。たとえば、イスラム教のハラル食品や特定の宗教行事に関するルールなど、日本とは異なる生活習慣に適応する必要があります。
また、シンガポールは法律が厳しく、ガムの販売禁止や公共の場での飲酒制限など、日本では考えられない規制も多くあります。知らずに違反すると罰金や厳しい処罰を受ける可能性があるため、ルールをしっかり理解しておくことが大切です。
シンガポール移住前に日本で準備しておくこと
シンガポール移住を決めたら、日本での事前準備が重要です。特に、ビザの取得、銀行口座の準備、健康管理、住居関連の手続きは、渡航後の生活をスムーズにするために欠かせません。ここでは、移住前に済ませておくべき主要な準備について解説します。
ビザの準備
シンガポールでの滞在には、適切なビザを取得する必要があります。就労ビザ(EP・S Pass)、学生ビザ、家族帯同ビザ(DP)など、状況に応じたビザを申請しましょう。
最新のポイント ▪EP・S Passの最低給与要件が引き上げられており、2023年からはポイント制(COMPASS)が導入されています。 ▪家族帯同ビザ(Dependant’s Pass)を取得するには、月額S$6,000以上の収入が必要。 ▪ビザ申請には時間がかかるため、雇用先や学校が決まったら早めに手続きを開始しましょう。 |
申請方法や最新の要件は、シンガポール人材開発省(MOM)や入国管理局(ICA)の公式サイトで確認するのが確実です。
銀行口座の開設
シンガポールでの生活には、現地の銀行口座が必須です。通常、住居が決まってから開設しますが、仮住まい(サービスアパートなど)でも必要書類が揃えば開設可能な場合があります。
口座開設に必要な書類 ▪パスポート ▪ビザの承認レター ▪住所証明(公共料金の請求書など) ▪雇用証明書(就労ビザの場合) |
現地に到着してすぐに手続きできるよう、どの銀行で口座を開くか事前にリサーチしておきましょう。
健康面の準備
シンガポールでの医療費は高額になるため、移住前に健康診断や予防接種、歯科治療を済ませておくと安心です。
推奨される予防接種 ▪A型・B型肝炎 ▪日本脳炎 ▪麻しん・風しん(シンガポールでの感染リスクあり) |
また、シンガポールの歯科治療は高額なため、渡航前に虫歯や親知らずの治療を済ませておくのがおすすめです。
海外旅行保険や現地の医療保険への加入も検討しましょう。特に、現地採用で渡航する場合は会社の保険提供がないこともあるため、自分で適切な保険を選ぶ必要があります。
住居関連の準備
シンガポールでの住居探しは、予算や勤務地、子どもの学校の立地などを考慮して進める必要があります。
住居の種類 ▪コンドミニアム(外国人に人気、設備が充実) ▪HDB(公団住宅、家賃は比較的安いが外国人向け物件は少ない) ▪サービスアパートメント(短期滞在向け) |
シンガポールの住居の家賃は年々上昇しているため、できるだけ早めに契約を進めるのが理想です。本契約前に仮住まいとしてホテルやサービスアパートメントを手配しておくと、スムーズに新居探しができるので安心です。
また、ペットを連れて行く場合は、シンガポールの動物検疫ルールを事前に確認し、必要なワクチン接種や検疫手続きを進めておく必要があります。
シンガポール移住を実現するために自分に合った方法を選ぼう
シンガポールへの移住、長期滞在には、ビザの取得が何よりも肝心です。働き方や移住後の暮らしなどを具体的にイメージして、申請プランを練りましょう。また、物価の高さへの対策や資金の用意など、十分な準備が大切です。メリットやデメリットについても理解を深めておけば、移住後の生活を充実させることができるでしょう。
※本記事は一部リーラコーエン監修となっています。
リーラコーエン シンガポールについて
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!