シンガポールのコワーキングスペース事情とは?おすすめのコワーキングスペースもご紹介!
シンガポールでは経済活動制限が緩和された現在でも、在宅勤務やリモートワークを継続する人が多いです。そこで今回は、シンガポールの人々の働き方に対する意識の変化や、コワーキングスペースのあり方などをご紹介。またシンガポールでノマドワーカーになるための注意点などをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
シンガポールのコワーキングスペース事情
コワーキングスペース需要が拡大
2020年以降、シンガポールでは在宅勤務の普及が加速し、人々の働き方に対する意識が変化しています。
地元英字紙「The Straits Times(ザ ストレート タイムズ)」が2020年10月に発表したアンケート調査によると、シンガポールの労働者10人中8人が在宅勤務やフレキシブルな勤務形態を求めていると答えています。会社のオフィスでのフルタイム勤務を好む人が減少する中、コワーキングスペースを利用するケースが増えています。
以前は、主なコワーキングスペースの利用者はスタートアップ企業やフリーランサーでした。家賃全般が高めのシンガポール。スタートアップ企業などの規模が小さい会社は、柔軟な料金設定のコワーキングスペースを利用しています。
また比較的生活が安く安定しており、インターネット環境が整っているアジアは旅行しながら仕事をする「ノマドワーカー」にも人気。シンガポールもノマドワークに最適な環境と言えます。
コワーキングスペースを選択する大企業
近年では、大企業の利用も増えてきています。その理由として、大規模なオフィススペースにかかる費用を節約できるだけでなく、働きたい場所で働けるという選択肢を従業員に与えることで、通勤時間の短縮やリフレッシュになり、集中できるため生産性の向上につながるという傾向があります。
費用対効果が高く賃貸期間が柔軟なコワーキングスペースを利用するケースが増えたことで、コワーキングスペースを扱う不動産業者も増えています。ホテルの部屋を企業のオフィス用途に改装したり、企業ごとの専用スペースと他企業との協働スペースを設けたり、利用者のニーズに応じたコワーキングスペースを運営しています。
シンガポールでノマドワーク
ノマドワークとは?
ノマドワークとは決まったオフィスを持たず、自らの意思で働く場所を選ぶ働き方です。カフェやコワーキングスペース、図書館などを利用するケースが多いですが、一か所に留まらず移動して仕事をします。モチベーションや生産性を自分で向上させやすく、組織や人間関係のストレスを軽減できるなどのメリットがあります。
一方で収入が不安定であったり、セキュリティのリスクを負う可能性があるなどといったデメリットもあります。ノマドワークは、時間や場所にとらわれず自由な働き方がしたいと考えている方や、自己管理が得意な方におすすめの働き方です。
ノマドワークに適したシンガポール
シンガポールはノマドワークに適した国と言えます。まず、公共交通機関が非常に整備されています。電車や地下鉄が充実していて料金も安いので、移動の費用負担が小さいです。またシンガポールの北端から南端まで電車でわずか1時間ほどで行くことができ、移動にかかる時間も短くて便利です。
次に、ネット環境の良さもシンガポールがノマドワークに適している理由のひとつです。ノマドワーカーにとってネット環境は必要不可欠。シンガポールではほとんどの場所でインターネットに接続することができ、またネット回線の速度が早いです。ネット環境で困ることがないので、仕事に支障をきたす可能性も低いです。
シンガポールでノマドワークをするには?
ノマドワーカーになるためには、パソコンやスマホひとつで収入を得ることができるスキルがあるといいでしょう。例えばライターやエンジニア、webデザイナーや動画編集者などがあります。
まずは、仕事を持ちながら副業として始めてみるのもおすすめです。フリーランサーとして安定した収入が得られるようになったら、本格的にノマドワーカーとして生活してみましょう。
観光の場合、世界のほとんどの国の人がビザなしでシンガポールに入国できます。日本人も、パスポートの残存有効期間が6か月以上あれば、ビザは必要ありません。シンガポールの通常の観光ビザであれば、30日間滞在できます。
また18歳から25歳で、日本、アメリカ、イギリス、香港などの大学生または卒業生の場合、最長6か月間シンガポールに滞在して働くことができるワークホリデーパスを取得できます。ただ、ワークホリデープログラムには一度に2000人までという人数の上限があります。詳しくは公式HPを参照ください。
シンガポールでは、Overseas Networks & Expertise Pass(海外ネットワークと専門知識パス)と呼ばれる新しい特別就労ビザができました。ビジネス、芸術や文化、スポーツ、科学と技術、学問と研究における優秀な人材のためのビザで、過去1年以内に最低S$30,000 (およそUS$21,000)、またはそれに相当する外貨の固定月給を獲得することなどが資格基準に含まれます。詳しい条件などは公式HPを参照ください。
参照:Ministry of Manpower(シンガポール労働省)
シンガポールのおすすめコワーキングスペース
近年シンガポールでは、コワーキングスペースが続々とオープンしています。カフェやバーのようなおしゃれな空間や個室を完備しているところが多く、食事や飲み物も充実しています。ここからは、シンガポールのおすすめコワーキングスペースをご紹介します。
SPECTRUM
シンガポールのブギスにあるSPECTRUM(スペクトラム)は、成長段階の企業がビジネスを拡大するために必要なリソースやコミュニティ体験を提供するコワーキングスペース。働きやすさを考えたワークスペースや、コミュニティの交流を強化するためのスペースなどを用意しています。
アジアのトップビジネスリーダーや投資家、業界の専門家と交流し、テクノロジーとイノベーションの分野における重要なトピックとトレンドについて話し合うイベントなども開催しています。
<料金表>
月額/人 | 概要 | |
プライベートオフィス | S$1000~ | 自然光が差し込む設備の整ったオフィス。幅広いオフィスサイズと柔軟なパッケージを用意しています。 |
専用デスク | S$850~ | 広々とした共有エリアの専用デスク。コミュニティメンバーと一緒に明るい環境で働けます。 |
ホットデスク | S$475 | オープンワークスペース。アメニティに無制限でアクセスできる他、印刷クレジット、コミュニティイベントやアクティビティへの招待状が付いています。 |
フレキシパッケージ | S$175~ | 月に希望する日数のみのスペースアメニティや、コミュニティイベント、アクティビティをお楽しみいただけます。 |
バーチャルオフィス | S$29~ | 物理的なオフィスが必要ない場合に最適。街の中心部にある一流のビジネスアドレスを提供します。 |
DOOR XXV (プライベートバー) | S$167~ | プライベートカクテルやウイスキーバーの他、ネットワーキングセッション、メンバー限定の特典などもお楽しみいただけます。 |
<サービス内容>
●プレミアムアメニティ
●広々としたワークステーションと十分な自然光
●コンシェルジュサービス
●高速Wi-Fi
●ITサポート
●ハーマンミラー (アメリカの高品質オフィス家具メーカー)の人間工学に基づいたデザインチェアー
●パントリー&キッチン
●イベントスペース
●役員クラス&プライベートスイート
Spectrum(スペクトラム) 住所:3 Fraser Street DUO Tower, #05-21, S189352 最寄り駅:Bugis駅 営業時間:月〜金 9:00-18:00 電話番号:6911 4588 WEBサイト |
JustCo
JustCo(ジャストコ)は、シンガポールに18店舗を展開する国内最大のコワーキングスペースです。
CBD、地域ビジネス、専門ハブにまたがって戦略的に店舗を配置。市内中心部にコワーキングスペースが必要な場合も、分散化された労働力のための柔軟なワークスペースが必要な場合でも、JustCoなら理想的なワークスペースを見つけることができます。人々と企業をつなぐ役割を果たしながら、柔軟なワークスペースを提供することに力を入れています。
<料金表>
月額 | 概要 | |
エンタープライズスイート(24時間アクセス可) | 見積依頼が必要 | 20名以上の利用で、カスタマイズが可能なプライベートオフィス。プライベートアメニティやミーティングルーム、ホールディングエリアなどのオプションを備えています。 |
標準オフィス (24時間アクセス可) | S$539~/部屋 | 20名までの利用で、コミュニティチームと共有アメニティへのアクセスを備えたプライベートオフィス。 |
デスク (24時間アクセス可) | S$398~/人 | オープンワークスペースの個人デスク。ロッカーや共有アメニティへのアクセスが可能です。 |
会議室 | S$52~/時間 | チームミーティングやワークショップに最適な会議室。メンバーはもちろん、非メンバーでもレンタルできます。 |
<サービス内容>
●共有アメニティ
●会社住所
●高速Wi-Fi
●郵便物受取サービス
●ITサポート
●プリンター、コピー機、事務用品など
JustCo(ジャストコ) Raffles Quay店 住所:6 Raffles Quay, #16-01, S048580 最寄り駅:Raffles Place駅 営業時間:月〜金 8:30-18:00 定休日:土日祝 他店舗:有(Marina Square、The Centrepoint、Asia Greenなどその他14店舗) ※住所や営業時間はHPをご参照ください。 WEBサイト |
One&Co
出典:One&Co
One&Co(ワンアンドコ)は、JR東日本がシンガポールのタンジョンパガーに開設したコワーキングスペース。多様性の都市シンガポールで、人種や国籍、宗教、性別や価値観などのあらゆる違いが一体となったとき予想外のコラボレーションが生まれ、さまざまなイノベーションを誘発できるという思いから誕生しました。
コワーキングに、コラーニングとコネクションを加えた3つの機能/サービスを通じて、利用者間のコミュニティ形成を促しています。
<料金表>
料金 | ||
プライベートオフィス(1か月) | S$1600/2人 | |
S$3200/4人 | ||
S$5400/6人 | ||
専用デスク(1か月) | S$780/人 | |
専用ブース(1か月) | S$900/人 | |
ホットデスク | フレキシ(3か月) | S$269/人~9:00-18:00 アクセス可 ※利用日数(5日まで/10日まで)によって料金が異なります |
ライト(1か月) | S$300/人9:00-18:00 アクセス可、平日のみ利用可 | |
スタンダード(1か月) | S$450/人24時間 アクセス可、平日のみ利用可 | |
プロ(1か月) | S$700/人 いつでも利用可能 | |
バーチャルオフィス(1か月) | S$100 | |
ドロップイン | 1時間 | S$8/人 |
1日 | S$55/人 9:00-18:00 アクセス可、営業時間内の利用可 | |
会議室 | 4人用 | S$40 / 時間 |
8人用 | S$80 / 時間 |
<サービス内容>
無料サービス | 有料サービス |
●キッチンカウンター ●コーヒー、水などのフリードリンク ●テレフォンブース ●高速Wi-Fi ●マッチングイベント ●テラス | ●専用電話番号 ●鍵付きロッカー(S$50/月) ●複合機(スキャナー、印刷) ●外部向けイベント利用 ●郵便物受取(S$50/月) |
One&Co(ワンアンドコ) 住所:20 Anson Road, #11-01 Twenty Anson, S079912 最寄り駅:Tanjong Pagar駅 営業時間:月〜金 9:00-18:00 定休日:土日 電話番号:6303 5299 WEBサイト |
進化するコワーキングスペース
コワーキングスペースにはフリーランサーや起業家、ノマドワーカーなどにはもちろん、リモートワークが許可されている会社員にとっても、他業種や他業界の人たちと交流できることで新たなビジネスチャンスを増やすことができる可能性があります。
今後もシンガポールだけでなく、世界中でコワーキングスペースは増え続けると見られています。またスペースを提供するだけでなく、最新技術を取り入れた新たな付加価値を提供する構想も始まっています。コワーキングスペースは「未来の仕事場」として進化し続けていくのではないでしょうか。
記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!