【大人の社会科見学】
シンガポールで楽しむイベントその331
-シンガポールを代表する味、ラクサの魅力-

東南アジアの美食都市シンガポール。その多民族国家ならではの食文化は、世界中のグルメたちを魅了し続けています。
そんなシンガポールの豊かな食のなかでも、とりわけ地元の人々や観光客に愛されている料理のひとつが「ラクサ(Laksa)」です。今回は、ラクサの起源や特徴、現地での楽しみ方まで、その奥深い魅力についてご紹介します。
◉多様な文化が生んだ一杯
ラクサは、マレー系と中国系が融合して生まれた「プラナカン料理」の代表格とされています。プラナカンとは、15世紀頃からマレー半島やインドネシア諸島に移り住んだ中国系移民と現地の人々の混血コミュニティであり、彼らの食文化は東西の味覚が絶妙に融合したものとなっています。
ラクサもその好例で、スパイシーでコクのあるココナッツミルクスープに米麺や卵麺、シーフードや鶏肉、厚揚げなど多彩な具材が合わさり、ひとくちごとに異なる風味と食感を楽しめます。味の決め手となるのは「ラクサペースト」と呼ばれる香辛料のブレンド。エシャロットやガランガル、レモングラス、干しエビ、チリなどを丹念に炒め上げ、奥深い旨味と香りが広がります。

◉地域ごとに異なるラクサの表情
シンガポールのラクサには、地域や家庭ごとにさまざまなバリエーションがあります。なかでも有名なのが「カトン ラクサ(Katong Laksa)」です。
カトン地区発祥のこのラクサは、短く切られた太麺と、ココナッツミルクがたっぷり使われた濃厚なスープが特徴です。レンゲだけで麺もスープもすくいながら食べる独特のスタイルも、観光客にとって新鮮な驚きとなるでしょう。
一方、よりスパイシーでハーブの効いた「アッサム ラクサ(Asam Laksa)」は、ペナンやマレーシア由来ですが、シンガポールでも親しまれています。こちらは魚のだしとタマリンド(アッサム)の酸味が効いた、さっぱりとした味わいが特徴です。
お店によって、麺の太さや具材の種類、辛さの調整なども異なり、食べ歩きで自分好みの一杯を見つけるのもラクサの楽しみ方のひとつです。

◉現地でラクサを楽しむコツ
シンガポールのホーカーセンターやフードコートでは、庶民的な価格で本場のラクサを味わうことができます。なかでも「328 Katong Laksa」や「Sungei Road Laksa」などは地元でも有名で、行列のできる人気店です。注文の際は「辛さ控えめ」や「追加のゆで卵」などカスタマイズも可能なので、初めてでも安心です。
また、ラクサには欠かせない「サンバル」と呼ばれるチリソースをお好みで加えると、さらに味わいが深まります。パクチーやミント、魚のつみれなど、トッピングもバリエーション豊かなので、いろいろなスタイルを試してみてはいかがでしょうか。

◉まとめ ― 一杯に詰まった多民族国家の誇り
ラクサは単なる麺料理ではありません。その一杯にはシンガポールという多民族国家の歴史や文化、コミュニティの融合といった物語が詰まっています。熱々のスープをすすりながら、南国の活気あふれる屋台街の空気や、人々の笑顔を思い浮かべると、旅先でのひとときがさらに豊かなものになるでしょう。シンガポール生活で、ぜひ本場のラクサを味わい、その奥深い世界に触れてみてください。さい。
◆大人の社会科見学 筆者
| 森山 正明 大人の社会科見学シンガポール版は、シンガポールで生活している方々へ、シンガポールの奥深さを知ってもらいたい思いで活動を始めました。「3か月も住んでいればシンガポールは飽きてしまう」と巷では言われますが、なかなかどうして、この地ならではの楽しみは、尽きることはありません。 2013年11月からこのサークル活動を始めて約11年。行ったイベントは、200回を超え、その中から読者の方にもシンガポールの文化や習俗について年中行事を軸に紹介をして参ります。 ●大人の社会科見学の電子書籍版完成! 詳細はこちらから |
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!



















