シンガポールのビジネス・繁華街で移転・閉鎖を検討する飲食店が増加。コロナ禍の売り上げ減少が打撃に
新型コロナウイルスの感染拡大収束が見通せない中、シンガポールの中央ビジネス地区(CBD)およびオーチャード地区では、移転・閉鎖を検討する飲食店が増えています。
周辺のオフィス勤務者に売り上げを大きく依存してきたビジネス街の飲食店は、在宅勤務の広がりに伴い、収入が激減。
CBD、オーチャード地区のテナント料は高額に上るものの、新型コロナウイルスへの安全対策のため、収容定員いっぱいまで客を入れられないことに加え、5月16日以降、店内での飲食を禁じた新型コロナウイルス対策の強化措置“フェーズ2”の実施が、飲食店に追い打ちをかけました。
6月21日に店内での飲食再開が認められましたが、シンガポール・レストラン協会によりますと、テナント料などの運用コストをカバーするまでには、売り上げは回復していません。
82年にわたりCBDアモイ・ストリートで営業を続けてきた家族経営の伝統的広東料理レストラン“Swee Kee Eating House”の3代目オーナー、セドリック・タンさん(36)は、店舗のリース期間が今年第4四半期まで残っていたものの、数カ月間悩んだ末、5月30日に閉店することを決意。
閉店を決断するまでの1年近くの間、1日の売上高は200Sドル前後にとどまり、1カ月あたりの赤字は約3万Sドルに上っていたとのことです。
こうした状況を受け、飲食業界に詳しい専門家らは、飲食産業の今後について、CBDや観光エリアにとどまっていては、ゆくゆくは店をたたみ、仕事を失う店が続出するだろうとして、郊外に出店する店が増えると予測しています。
パンデミックが落ち着き、シンガポールの豊かな食文化がいつまでも楽しめるよう願いたいものです。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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